魔王様の日常1
しばらく日常が続きます。
眠い・・・。
朝の日射しがカーテンの隙間か射し込み俺を照らす。
まだ眠たい眼少し開け時計を見る。
時間は朝の6時。
学校が始まるのは8時半からだが家から学校までの距離は徒歩20分ほどなのでまだまだ余裕な時間だ。
俺はまだ時間に余裕があることに安堵し再び心地よいまどろみの中へと戻っていく。
朝の至福の時間を過ごしていると布団の中に違和感を感じる。
俺はため息を吐きながら布団を勢いよくめくる。
布団の中には俺のズボンに手をかけてはあはあと荒い息をしている変態がいた。
「おはよう、花梨。」
「あ、お兄ちゃんおはよー。」
俺の挨拶に平然と挨拶を返しいそいそとズボンを脱がす作業に戻るこの変態の名前は阿久津 花梨。実の妹で常日頃から俺の貞操を狙う俺の天敵だ。
「ところで花梨・・・何をしている?」
「お兄ちゃんの溢れ出る欲望を受け止めてあげようかと?」
俺の問いに平然とそう返す妹に朝っぱらから頭が痛くなりそうになった。
「いらん。余計なお世話だ。」
妹に毎朝抜いてもらう兄・・・どこのギャルゲの主人公だ。
「え~、でもお兄ちゃん溜まってるでしょ?3日も抜いてないんだし。」
「・・・なぜ貴様は具体的な数字を出せる?」
「もちろん毎日ゴミ箱のチェックを欠かしてないからさ!」
胸を張ってそう言う妹の襟首を掴み廊下に放り捨て一言。
「出てけ。」
と言いドアを思い切りしめる。
ドアの前に座り込み頭を抱え考える。
(どこで育て方を間違えた・・・。)
幼い頃から俺にべったりだったが昔はここまで変態ではなかった。
多少スキンシップが激しかったような気もするが普通な女の子だった。
どこかに出掛けるときはいつも手を繋いだり一緒にお風呂に入ったり毎日一緒の布団で寝たり少しべったりすぎる気もするが周りから見てもただの仲の良い兄弟にみえていただろう。
しかし妹が小学3年生になった頃からだった。
一緒にお風呂に入る時やたらと俺の股間を凝視してくるようになったのだ。
それだけではなく俺に抱きついてくる振りをして俺の匂いを嗅いだり俺が寝ている間に唇を奪おうとしてきたりと異常な行動を取り始めた。
それに気づいた俺は幼いながらに貞操の危機を感じ取り即座に両親に相談しそれまで俺と妹の部屋だった部屋はは現在妹の部屋になっており俺は別の部屋に移動した。
これで大丈夫だろうと安心した俺だったがそれから妹の猛攻が始まった。
俺がお風呂に入ろうとすれば何処からか現れいつの間にか浴槽にいたり洗濯機に入れたはずのパンツがいつの間にか消えたり妹の侵入を防ぐためにした部屋のカギがいつの間にか壊されたりと自重をやめたような振る舞いをするようになった。
最近でも「大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる」宣言をしておりそれが許されるのは小学生までであって中学生の兄に対するお嫁さんになる宣言はかなりギリギリでアウトだと思う。
さっきのやり取りも今に始まったことではない。
もうかれこれ4年も毎朝必ず起こる出来事だ。
そろそろ本気で貞操を失いそうだ。
「はぁ~・・・着替えるか。」
着替えようとすると着ているTシャツに手をかけるとドアの方から視線を感じる。
「何をしている?」
そこにはドアの隙間から覗いている花梨。
「気にしないで!続けて続けて。」
俺はドアの方へ向かい少しだけ開いているドアを全開にして「気になるわ!!」と一言を投げつけ思い切りドアを閉める。
(はぁ~、ホントにどうしてこうなった・・・。)
異世界で最強になっても妹だけには勝てない魔王様だった。
話が進まん・・・