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メカヲタ、思い出に誓う

ドラグロード王国の守護竜マキナは勇者の凶刃に倒れまた傷付いたが、ゴーレム達の再起動によって防衛戦力は復活した。


ゴーレム隊を機能停止に追い込んだのは、勇者が女神から授かったレギオンマジックである「ディスペルマジック」の影響だった。

特殊古代語を操るマキナが居てはこの魔法は発動出来なかっただろうとされているが、実際に確認していない為それが分かるのは勇者だけだろう。


また今回の侵攻は契約者であるメルフィーナ王女が、守護竜と離れた状態を狙った戦略だった事が後に判明する。

神聖国と通じる内通者の存在も何人か確認され粛清された。


アイゼン王はこの結果を受け、魔法動力に頼らない予備動力の開発を考え蒸気機関を積極的に導入を開始した。


傷ついたマキナはドラグネストに籠り、自らの強化とディスペルマジックを防ぐ方法を考える日々となっている。

また実弾系装備を更に強化し、魔力に頼らない戦闘力を育成する事に決めた。


斬られた左肩は傷の深さもだが、問題は女神の祝福のろいにあった。

ウーンズと呼ばれる神聖魔法の一瞬に近い効果が残り、傷の回復を遅らせている様だ。


マキナはその傷を大型をの外部装甲で覆い隠しその中で傷の治療を継続している。


一方その頃、メルフィーナ王女はフェーター・ムート侯爵との結婚を受け入れ王国では一気に晴れやかなムードに包まれる事となった。


二人の心には大きな穴が空いた様だったが、これも運命だと在り来りな理由で自分を騙しそれ以上考えない事で現実を受け入れていた。

メルフィーナ王女付きのメイド達は王女の良き理解者であったが、一国の王女の跡取り問題に口を挟む事も出来ずただ流れに身を任せるのだった。



1ヶ月後、メルフィーナ王女はフェーター・ムート侯爵と結婚式を挙げ王城の周りには多くの人々が集まっていた。


美しく着飾った彼女の目には僅かに迷いとも後悔ともつかない揺らぎが有り、フェーターはその彼女の迷いに心当たりがあった。


あの神聖国との戦いで傷ついた守護竜マキナ様の元に彼女は出向く事はしなかった。

まるで行けば迷いが増すことを知っているかの様に耐えていたのだ。


フェーターはマキナ様を尊敬し崇拝していたが、彼女を迷わせている存在だと考えると心に靄がかかった気分になる。

しかし同時に彼は理解もしていた。

この結婚は国民に望まれた結婚であり、自分も望んでいる。

守護竜マキナ様とメルフィーナ王女だけが望まぬ結婚である事を知っていた。

そしてそれは王族や貴族であれば当然の務めであり、立派にも彼女はその務めを果たそうとしている。

その想いに応える事こそ貴族としての矜恃だと考えていた。


二人の結婚式がクライマックスを迎えようとした時、天空より機械仕掛けの守護竜ドラゴ・エクス・マキナが舞い降りた。


フェーターは正直彼がメルフィーナを取り戻しに来たのではと内心焦っていた。


人型となって二人の前に現れた彼は二人に声をかけた。


「フェーター・ムートよ、そなたのドラグナートでの戦い、覚悟、見事だった。どうかメルフィーナ王女の良き夫となり、王国をより良き道へと導いてくれ。」

フェーターは涙が出そうだった。

この機械仕掛けの守護竜は心を決めて現れたのだと理解出来た。口元をぐっと引き締めて「必ず!」と短く守護竜に誓った。


その言葉を近くに控えていたメイドが耳にし涙を流した。

彼女はマキナにメルフィーナ王女を拐って欲しかった。

不謹慎だが国の為でなく、メルフィーナ様の為の守護竜であって欲しかったのだ。


マキナは美しく着飾ったメルフィーナ王女を見て、今までの事を思い出している様だった。

思えばこの世界へ転生して来てからずっと、彼女と共にあった。

二人の間に言葉は無かったが、思い出を共有しているのが伝わって来た。

メルフィーナは思っていた。

(マキナ様、お怪我は大丈夫でしょうか?お飾りの契約者である私は貴方の何にもなれはしませんでしたが、せめて貴方との輝かしい思い出と共に生きていく事をお許しください。)

声には出さなかった。ただ彼の目を真っ直ぐ見つめ涙を流さぬ様耐えていた。


「契約者メルフィーナ王女よ、我はこれからもそなたとの輝かしい日々に誓いドラグロード王国を守る守護竜として在り続ける事をここに誓う。」


一瞬頭が真っ白になった。

彼はその銘でも、魔力でもなく私との『輝かしい思い出』に誓ってくれた...

民衆が一斉に歓声を上げ、メルフィーナは涙を流しながらマキナに抱きついた。


「メルフィーナ、....どうか健やかに」マキナは彼女の耳元で小さく囁き、彼女をフェーターへと誘った。


涙を拭いたメルフィーナ王女の目にはもう迷いも後悔も無かった。

彼女は機械仕掛けの守護竜(ドラグエクス・マキナ)の契約者として、そしてやがてはドラグロード王国の女王としてこれからも彼と並び立つ者となったのだった。


マキナはその場にいつものメイド服より少しだけ着飾ったアイン達を召喚、「彼女の指揮下に入り、彼女を私に代わりに守護せよ。」と伝えた。


アイン達は美しい所作でお辞儀し、メルフィーナ王女の背後に控えた。


メルフィーナに微笑み、メルフィーナもまたマキナに微笑んだ。

彼は竜となり、ドラグネストに戻っていく。

またどうせアートのメイド服を弄りに帰ったのだろう。

彼女はそんな事を想い、フェーターに振り向き笑顔を送ったのだった。

このお話で一部は完結します。


活動報告にご挨拶書いてありますので、ご意見やご感想、お叱りであってもお待ちしておりますm(*_ _)m

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