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メカヲタ、倒れる

戦意を失った勇者は力無くその場に膝まづいた。

彼にこれ以上戦える力は残されていなかった。

「これ以上その女神に関わるな。都合のいいコマとして使われて死ぬだけだ。」


勇者はフラフラと立ち上がり言葉を失っている。

彼の信仰心が崩れさり女神の祝福のろいが薄れて来ているのが感じ取れた。


「これで二度目だ、三度目は無い。」


そう言い残し状況確認を兼ねて一旦ドラグナートへと戻った。


「マキナ様!」僕が戦場から戻ると、ティーガーが慌ただしく報告を始めた。

「神聖国軍、まだ3万5千の兵力を残し、現在も進軍を続けています!勇者が敗れても、戦意は衰えていない模様です」


僕は左肩の傷を押さえながら、状況を整理する。一撃でこれだけの傷を負わされた勇者は確かに強かった。しかし、彼が倒れても大軍が残っているとなれば、消耗戦は避けられない。


「ガンナー隊の状況は?」

「第三射撃陣地に集結完了。魔力干渉の影響でゴーレムへの魔力補填は困難ですが、ナガン・ライフルの徹甲弾・通常弾での対応が可能です。予備弾薬も十分確保できています」


僕は頷くと、再び飛翔体勢を取る。

「私が正面から敵軍を引き付ける。その隙にガンナー隊は側面から一斉掃射を。対装甲徹甲弾を優先的に使用するように」


轟音と共に再び空へ。僕は神聖国軍の上空を周回しながら、彼らの陣形を確認していく。中央に密集した重装歩兵。両翼に展開する騎兵隊。後方には魔導師団が控えている。


(まずは両翼から叩く!)


僕は高度を一気に下げ、左翼の騎兵隊に突っ込んだ。装甲で強化された尻尾を大きく振り、一掃する。驚愕の叫び声と共に、騎兵達が次々と吹き飛ばされていく。


「弓兵隊!射て!」


上空から矢の雨が降り注ぐ。しかし僕の装甲は、この程度の攻撃は弾く。

むしろ好都合だった。敵の注目が僕に集中している。


「今だ!」


僕の声に呼応するように、ガンナー隊の一斉射撃が敵陣の側面を襲う。高性能徹甲弾が装甲騎士の防具を貫通し、銃声と悲鳴が戦場に響き渡る。


「装甲騎士には徹甲弾!歩兵には通常弾での制圧射撃!」

ティーガーの的確な指示で、効率的な掃射が続く。整然としていた陣形が音を立てて崩れ始めた。


「後方の魔導師団を潰す!ガンナー隊は射撃を継続!」


僕は敵陣の後方へと回り込む。魔導師達の詠唱が聞こえ始めた時には、既に遅かった。僕の両腕から放たれる高出力の重力波が、魔導師団を粉砕していく。


戦場が混沌と化す中、僕は再び前線へと戻る。敵の数は着実に減っているが、まだ決定的な勝機とは言えない。


「予備弾薬、残り70%!各自、弾薬の消費を注視しつつ、死角からの狙撃を継続!」

ティーガーの指示の下、ガンナー隊が陣地を転々としながら、敵軍を翻弄していく。

彼をこの地に派遣しておいて本当に良かったと心から思う。


(あと少しだ...)


突如、僕の肩の痛みが強烈に走る。血も大量に失い左肩の傷が限界に近づいていた。

しかし、ここで止まるわけにはいかない。


「最後の一撃だ!ガンナー隊、私の突入と同時に、集中射撃!」


僕は残った力を振り絞り、インベントリから取り出した重力属性のガントレットを纏う。そして、敵陣の中心めがけて、最後の突撃を開始した。


「グラビティ・サージ・ブレイク!」


轟音と共に、重力の波動が敵陣を飲み込んでいく。その直後、無数の徹甲弾が波動に乗って敵陣を貫通していった。装甲騎士も、重装歩兵も、この複合的な攻撃の前では無力だった。


戦いが終わった時、神聖国軍の残存兵力は当初の4割にまで減少していた。僕は静かに地上に降り立つ。


「撤退...撤退を開始!」


敵軍の中から、誰かの声が上がる。続いて、残存兵力が慌ただしく後退を始めた。


「追撃は...」僕が言いかけると、ティーガーが首を振る。

「マキナ様の傷の治療が先決かと。それに弾薬の補給も必要です」


確かにその通りだ。これ以上の追撃は得策ではない。

僕は静かに頷くと、傷ついた左肩を見つめた。あれだけ神聖国を叩いておけば再編成に数年を要するだろう。勇者も女神の地を去った以上再召喚するにしても、育成期間を考えればこちらも数年はかかると予想できる。今は傷を治し、魔力枯渇への対策や魔力を必要としない武装の開発にも力を注がねばならないだろう。


ドラグナートの復興、市民の安全性を高める防衛施設建設などやる事は山積みだ。


「ティーガー、早急に動ける者を集めて復旧作業に入れ。大気中の魔力もだいぶ回復してぃている。ゴーレム隊の再起動と水晶ネットワークの復旧を急げ。」


「分かりました、こちらは自分が何とか致しますのでマキナ様は急ぎ傷の治療をして下さい。」


周囲を見渡すと再起動が済んだゴーレムがポツポツと動き出していた。

後はティーガーに任せても大丈夫だろう。


「そう言えばフェーター・ムート殿はどうした?」


「市民の脱出を最後まで誘導し、ガンナー隊の一部を護衛とし市民と共に王都に向けて脱出した様です。」


貴族の務めをしっかり果たした様だ。

最後まで残った事も人間として上に立つものとして十分だと感じた。


(メルフィーナ王女が無事ならそれでいい)


「水晶ネットワークを復旧させたら王都に連絡と報告を優先して欲しい。」


そう伝えた時、世界がぐにゃりと曲がって見えた。

(血を流し過ぎたか...せめて人化を...)

最後の意識で人化し、そのまま倒れ込んだ。

ティーガーの慌てた声が遠くに聞こえる。

(メルフィーナ、どうか無事で居て...)

意識は闇へと呑み込まれた。

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(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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