メカヲタ、またやらかす
何度目の朝だったか、ゲパルトは既に屍と化し最早ゾンビと大差ない状態になっていた。
僕らの眼前には小型化に次ぐ小型化を突き進めた結果、携行型グレネードランチャー(※魔法弾/榴弾切り替え仕様)が完成していた。
魔法弾には火属性魔石にファイアボールを書き込んだ物を使用し、榴弾は風属性魔石でエアポンプ式で撃ち出す仕様になっている。
装弾数5(榴弾)ファイアボールと切り替えて使う事でかなりの広範囲を攻撃出来る代物だ。
フラフラとグレネードランチャーを握ったゲパルトは涙を流していた。
作成過程はゲパルトが記録、後で図面に起こせば量産も可能だろう。
僕は途中から完全に趣味に走りアートのメイド服の上からハーネスサスペンダーを付け、レッグホルスターをエレメンタルバレットのサイズに合わせて作ったりしてミリタリーメイドを作成していた。
メカニカルな手足にスカート下には大型ハンドガン...ハーネスサスペンダーに付けるものが特に無いが...ビジュアルとして大事なんだよ!
そんな状態の僕とゲパルトの所に魔王軍から使節団が到着したと連絡が入った。
思考回路が狂った状態だった僕は、使節団をこの場に呼んだ。
「守護竜マキナ殿、先の戦いでは大変ご無礼を致しました。」そう言って現れたのは指揮官グファルだった。
「おお、これはグファル殿! ようこそお出で下さいました。」テンションが異常な僕はグファルを歓迎していた。
「そちらの後ろの方達も使節団の方ですか? ようこそドラグネストへ!」
僕はメルフィーナにお願いして美味しい紅茶とお菓子を振舞ってくれるようお願いした。
「かしこまりました。それよりマキナ様、ちょっとこちらへ。」
メルフィーナの顔には張り付いた様な笑顔と怒りの片鱗が見えていた。
だいぶ離れた場所まで連れて来られてからメルフィーナは振り向いて怒り出した。
「マキナ様!! 使節団の対応方針をお伝えするから、か・な・ら・ず事前にお声がけ下さいと言っておいたじゃないですか!!」
.......あ
「忘れていたんですね?忘れてずっとアートの服装を弄ってたんですね?」
いや、言い方
「ホントにもう! いいですか?ドラグロード王は今回の件基本的に歩調を合わせる方向性で行きたいとお考えです。今敵に回してもメリットがありませんからね。」
メルフィーナは怒りながらも適切に内容を説明してくれた。
「はい、分かりました。ごめんなさい。」
言い訳してもドツボにはまるだけだと判断し素直に謝る事にした。
「本当に反省してますか?とりあえず分が悪いから謝っておこうとか考えてませんか?」
...お見通しである
「いや、本当に忘れてた事は悪かったと思ってます。」
「アートのメイド服をずっと弄ってたのは反省しないのですね?」
いや、だから言い方
なんと言っていいか分からず黙ったまま目が泳ぐ。
「程々になさって下さいね! ゲパルトさんと2人で変な笑い声出しながらずっと何か作っていると報告が有りましたですし!」
「...はい」
しょぼんとして使節団の所へ戻っていくと開発実験場から爆発音が聞こえた。
「...何の音ですか、マキナ様。」
声が冷たいよ、メルフィーナ。
「音から察するに完成したグレネードランチャーの試射を行ったのではないかと...」
「他国の使節団の目の前で、極秘事項に類する新兵器の試射を?」
「げ、ゲパルトが寝惚けて誤射したのかな? ちょっと見て来ます!!」
僕は慌てて走った。
開発実験場へ到着するとバグったゲパルトが使節団に対して自慢気に新兵器の説明会を行っていた。
「この様に小型であっても遠距離に対して非常に有効な射撃を行う事が出来るのです!!」
出来るのです!!じゃねーよ!
走り込むとグファル達使節団が目をキラキラさせて説明を聞いていた。
「おお、マキナ殿! 流石ですな! 前の戦いでもロータリーガンと言うのですかな?あれも素晴らしかったですが、このグレネードランチャーと言う武器も本当に素晴らしい。」
どこまで漏洩させたんだ、ゲパルト!
「ま、まあ、我が軍の最新型兵器ですからね。」
褒められてちょっと嬉しい。
「こちらの巨大な建物の様な物は何なのですか?」使節団の一人がドラグベースを指差し聞いてきた。
「ああ、あれは今回新開発した移動要塞ですね。前に繋がっている装甲車という重装甲の....」
「マキナ様」
メルフィーナの声が真後ろで聞こえる。
「...極秘事項なのでお答えできません。」
アイン達が召喚されゲパルトが連行されて行くのが視界の端に見えた。
「まあ、まずは使節団の方達も長旅でお疲れでしょう! まずはゆっくりお休み下さい。メルフィーナ、皆さんを休憩出来る場所にご案内してくれますか?僕はここの片付けをしておきますので!」
僕は捲し立てる様にその場をまとめ、メルフィーナにニコっと笑ってみせた。
が、メルフィーナの顔に笑顔は無かった。
使節団の面々を宿舎へと案内するメルフィーナ。
これは後でだいぶ怒られそうだ...
僕は転がっているパーツを拾い片付けを開始した。
アートが一緒に片付けてくれたのが、涙が出そうだった。
・・・あの時心に誓ったのに
また、やらかした僕はゲパルトの安否を心配しつつ片付けるのだった。
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(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク




