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閑話 「魔王軍」

指揮官グファル、テイマーとしての素質と高い指揮能力から今回ハルトアイゼン王国方面軍指揮官として抜擢され家族も誇りに思ってくれていた。


この数百年戦争を経験していない魔王軍は、戦争と言うものを忘れつつあった。


しかし今代の魔王は違った。

激しい闘争心と、神聖国によって貶められた祖霊の悔しさを体現する様な人柄だ。


私は魔王のその在り方に痛く感心し、彼の元で非才の身なれど力を尽くしたいと考え魔王軍で今日まで努力してきた。


しかし、世界には私の力など遠く及ばない化け物が居ることを思い知った。


守護竜マキナ殿、そして彼が従える執事とメイドによって我が軍12000は、僅か1時間の間に半数以上が為す術なく殺され切り札だったフレッシュゴーレムも守護竜マキナの一撃によって簡単に倒されてしまった。


私はと言えば、彼の側近と思われるとてつもなく強いメイドに軽く翻弄され捕縛されると言う屈辱を受ける事となった。


我らは知らなさ過ぎた。世界にこの様な化け物が生まれていた事を知っていれば、私は軍を失う事は無かっただろう。


4割まで減った軍を統制し国に戻った私を周囲の者は馬鹿にし、「たかだか竜一匹如きに」と言われ続けた。


違う、違うのだ皆の者よ。

かの国の守護竜は竜にあって竜にあらず。

私は魔王の前で跪き心から真実を告げた。

「我らを倒したのは執事とメイドが4人、そして守護竜マキナ。巨人族の相手には大型のゴーレムが複数投入され巨人族の力でもかないませなんだ。」


守護竜はともかく、執事とメイド4人とは何の冗談か?と馬鹿にされ、罵倒された。

しかし、そのメイド達は見た事もない大型の銃を持ち周囲の兵をあっという間に倒していく。

中でも一人のメイドはとてつもない機動性と破壊力のある一撃で我らを圧倒した。

恐らくは小型のゴーレムだと思われるが、そのフォルムからは想像できない出力と特殊な武装に太刀打ち出来なかったと伝えた。


皆笑い飛ばし、また罵倒される事となった。

しかし私は言った。

「守護竜マキナとその執事とメイド達だけで一国の軍としてみた方がいい。下手に手を出せばこちらが痛い目を見る事となる。」と。


魔王軍に対する侮辱だなんだと吠える者たちが無知に見えた。


彼らは知らないから言えるのだ。


魔王は黙って聞いていたが、周囲を黙らせ話し出した。


「グファルよ、我はその方の実力も魔王軍の戦力も信じておる。その上で聞くがもしそなたに3万の兵を渡したら今言った者達を倒せるか?」

私は真っ直ぐに王を見て言葉にした。

「いいえ、王よ。3万が5万であったとしても勝てますまい。数の問題では無いのです。あの強さは武装や戦術と言った長い年月の研鑽による強さです。我らも戦い方を変えていかねば屍の数を増やすだけとなりましょう。」


「そこまでの存在だと申すか...」


「今、ハルトアイゼン王国とドラグロード王国と戦う必要はありません。むしろ彼らから学ぶべきでしょう。」


「我に頭を垂れて教えを乞えと申すか。」


「痴れ者が!!王に向かってなんと言う口の利き方か!!」

「己が負けた言い訳をする為にそこまで申すのか!!」

周囲の無知共が考えも無しに騒ぎ立てる。


この時魔王は考えていた。このグファルと言う男は決して臆病でも嘘で自分を守るような不誠実な男でもない。


今も自分の立場が悪くなるのを理解した上で嘘偽り無く報告しその危険性を示しているのだろう。


しかし、今このタイミングで軍の士気を下げる訳にもいかない。

ましてまだ結果として何も得ていない以上戦いを止める事も不可能だ。


幸いハルトアイゼン王国とドラグロード王国は神聖国とは不仲と聞く。

そして守護竜マキナは今は攻める事はしないと申していたと言う。

魔王は頭を振り、罵倒する事に熱心な側近共を黙らせる。

「罵倒するのを止めよ、その場で目にして来たグファルの言に嘘偽りは無かろう。」


「しかし、王よ!!」


「黙れと言っている。」

魔王は一言で側近を黙らせた。


「グファルよ、その方が言う事全てとは行かぬが聞く価値があったと判断する。だが敗北は敗北。その方を降格処分とし指揮官の任を解く。」

本来ならその命をもって償うことになってもおかしくない状況だ。降格処分であれば貴重な戦力を最低限維持出来る。

「その上でグファル、その方には使節団の団長としてハルトアイゼン王国とドラグロード王国に向かって貰う。戦争をしかけ負けたのだ。賠償はすべきだろう。」


側近達が何か言いたげな顔をしているが、今は無視して話を進める。

「アイゼン王並びに守護竜マキナと会い誠意を示して来るがいい。かの国も守護竜マキナも鉱石が好きだと言う、何か珍しい鉱石でも手土産に持っていくといい。」

グファルは頭を下げ拝命した。

「その上で可能ならばそなた自身が学んで来るがいい。まあ、守護竜マキナが余程間抜けで無ければ教えを乞うのは難しいだろうが。何人かそなたが人選し連れてゆけ。」


「王命、拝命致しました。」


こうしてグファルはなるべくいい返事を貰える様に、珍しい鉱石を選び使節団を伴ってハルトアイゼン王国を目指し出発した。

彼の敗北と降格処分を聞いた彼の娘は一人守護竜マキナへの復讐心を高めるのだった。

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(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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