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メカヲタ、成竜になる

「あなたはどうなりたい?」

どこか懐かしい声が聞こえる。

どうなりたいかだって?


そうだなぁ、やっぱりメカニカルなフォルムで黒くパワフルで、でっかくてさ。

「かっこいい」って言う浪漫が詰まった最強の竜...

ははは、言ってる事が丸っきり「ぼくの考えた最強の竜」じゃないか。

誰かを守れる力を持った竜なら、最強でかっこいいに決まってる。

浪漫の詰まった必殺技で敵を粉砕する。

スーパーロボットみたいな...英雄みたいな...

でもね、良いんだ足りない物があれば皆で作り出せばいい。

機械仕掛けの守護竜はきっとそうやって最強になっていく竜だ。

願わくば皆の希望の象徴になれる様な無敵の竜に...なりたい!



変な夢を見たな...目を覚ました僕は大きく伸びをしようとして何かを突き破った。


はて?昨日はベッドまで戻れず外で寝落ちしたんだったかな?

何やら周囲が騒がしいし、空が青い。

またゲパルトかエルダが実験で失敗したかな?

「マキナ様!!」どこからかメルフィーナ王女の声が聞こえる。

声の方を見ると遥か下の方に小さなメルフィーナ王女がメイドさん達と立っていた。

縮尺が狂ってないか?

「メルフィーナは何でそんなに小さくなってるの?」


はっ?


いつものアギャアギャじゃないじゃん!!

こいつ喋るぞ!いや、そうでなくて。

「マキナ様が大きくなったんです!」

まあ、そうだろうな。

なるほど、こうやって成竜になるんだね。

何てはた迷惑な。

しかし、このスケール差だと話しにくいな。

下手に動くと周囲の被害が甚大になりそうだ。

確か人化の術は成竜になったら基本で出来ると本に書いてあったはず。

僕は目を瞑り人型の自分をイメージしてみる。

次に目を開けると僕は人の形を成していた。

周囲には粉砕したベッドの残骸と大穴の空いた天井から崩れた瓦礫が散乱していた。

ああ、僕の部屋が...

その中でしれっと優雅に立つアートの姿があった。

丸裸な自分を見て恥ずかしくなった僕はいそいそと破けたシーツを腰に巻きつけ、とりあえずの体裁を保つ事にした。

「マキナ様....?」部屋に駆けつけたメルフィーナ王女が疑問符を付けて声をかけてきた。

「メルフィーナ王女、悪いんだけど何か服を用意して貰えるかな?」

僕をじっと見ていた王女とメイドさん達はハッとして服を取りに走っていった。

騒ぎを聞きつけた人々が集まって来ている。

この格好でお披露目は恥ずかしい、皆一旦帰ってくれと願っているとアートが動いた。

歪んだドアの前に立ち、他者の侵入を許さない構えだ。

「アート、服が届いたら僕に渡してくれ。」

数分後、アートが服を持って僕の所へやって来た。

服を受け取るとアートはまた入口に戻り警戒を再開する。

着替えを終えヒビの入った姿見の前でチェックする。

年の頃なら20代中盤?黒髪ロングで180cmは有りそうだ。しっかりとした筋肉だが太くは見えない。なかなかカッコイイじゃないか。

まあ自分でイメージしたんだけどさ。

試しに女性をイメージしたらやっぱり出来た。

竜って両性具有?無性なのかなぁ?

まあ、男の方が感覚的に慣れてるし男の格好で行こう。

アートの横を通り外に出ると後からアートが付き従って来た。

うむ、何かいいな。抱っこ以外の移動に感動を覚える。

さて、まずは皆に説明からだな。

建物は倒壊の恐れもあるので皆外で待っていた。

メルフィーナ王女、メイドさん達、いつもの騎士達、ゲパルト、エルダと野次馬の皆さんに迎えられやや気恥しいがお披露目いこう。


「えーっと、マキナです。皆、改めてよろしくね。」

緊張して凄く普通な感じになった。

「はい、マキナ様。成竜化おめでとうございます。」エルフィーナ王女はそう言うとエレガントにお辞儀した。

他の皆も僕に礼をする。

「少し身体を動かして来るよ。色々試さないとだしね。そうだ、服の予備を何枚か貰えないかな?」

人化を解いた時、服が破れそうだしね。

メイドさん達が何枚か見繕って持って来てくれたのをインベントリにしまう。

「行ってくる」

そう言うと僕は走り出した。

かなり高速移動が可能な様だ。

アートだけが着いてきてる。

実験場に着いた僕は少し試してみたい事を思いついく。

「アート、せっかくだから軽く手合わせといこうか。軽くだぞ?」

アートがゆったりと構えた。

おお、この身体ヤバいな。

アートも手加減しているとは言え、武装無しの格闘戦ならアートについていける。

数分戦ってみても息も上がらない。

だいぶ戦闘力が上がったようだ。

さて次は人化を解いてみようか。


人化を解くと僕の身体は全高12m程の黒い竜に変わっていた。(※5階位の高さ)

外殻がメタリックブラックで鉄をイメージさせる見た目で全体的に戦車の様な軍用の機械的なイメージが垣間見える。

ブラックメタル鎧竜と言ったところだろうか?

全体としてはガッシリしたボディで、あの短かったお手手が立派に成長を見せ上体を起こしても地面に手が届きそうなくらい長く太い。(※殴ったら痛そう)

頭部には一本のブレード状の角があり、魔法使いの杖の様な機能と、人差し指の様に狙いをつけるポインターとしても機能している。

全体的に柔らかい部分が露出しておらず、硬い外殻に覆われていた。

炭化タングステンに近い質感だと感じたが、決して鉱石ではない。


背中にはウイングがあり、展開する時にギャリンっと金属が擦れる様な展開音がする。隠密には向かないな(※12mの時点で向いてない)

ガッチリしたウイングは羽ばたく様には出来ていない。

代わりにウイングにインジェクションポート(噴射口)らしき構造と空気吸入口の様な仕組みが見える。水素ロケットエンジンの仕組みに近い気がするが試しに飛んでみると、どうやら前方から大気中にある魔素を吸入しインジェクションポートから噴射する事で加速している様だ。

加速性能は抜群だが、曲がらない。

真っ直ぐ一直線に早く飛ぶ様に出来ていた。

潔いコンセプトに好感が持てる!

高速で空飛ぶ戦車感が僕の琴線に触れた。

強化案は「もっと早く!もっと強く!」だな。


空中でのホバリング飛行にも対応しVTOL並の利便性がある。


僕は地上にストーンゴーレムを配置し上空でホバリング飛行のままブレスを試そうとした。

僕はブレスって言うのは「息を吐く」感じだと思っていたが違った。

ブレスを吐こうとしたら角の前方に球雷が発生しそのまま魔力を注ぐと、大気中の魔素と自分の魔力を混合しながら吸収し球雷が巨大になっていく。

適当なところでゴーレムを角で狙いをつけて放つと、巨大になった球雷が一瞬で目標目掛けて飛んだ後に轟音がした。


うむ、実に凄まじい。


だけど、このエネルギー効率を考えると、もっと有効な攻撃に変更できそうだな。


大気中にエネルギー体その物を飛ばすと距離によって減衰しやすい。

また体組織表面が絶縁体だった場合など、どれだけ減衰してしまう事か。

効率悪い攻撃は長期戦に向かないだけでなく、多くの情報を敵に渡してしまう。


ドラグストライクの様な打撃技も、装備次第で更に強く出来そうだ。


これらの検証結果から今後の強化案を選択し開発して行く事になる。

とりあえずは「増加装甲」「ブースター」「強化外骨格」辺りが良さそうだ。


ちなみに再度人化したら服がありませんでした。(※後にインベントリ活用で脱着可能に気がつくまで何度か裸になった。)


読んで頂きありがとうございました!

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感想やご意見有れば是非お聞かせくださいね!

(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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