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メカヲタ、爆誕させる

誤字直しました:( ´꒳`;)

人工筋肉ソフトアクチュエータの開発には、僕も頭を悩まされた。


前の世界では、ラバーアクチュエータ、誘電エラストマー、ナノチューブ、導電性ポリマー、イオンポリマー金属化合物など、様々な人工筋肉が研究されていた。大型ゴーレムと小型ゴーレムでは用途が全く異なる。大型ゴーレムの場合は、人工筋肉よりも油圧ピストンや電動モーターの方が実用的である。確かに静音性には欠けるが、高い剛性と重量があるからだ。


ただ、僕を悩ませたのは、これがロボットではなくゴーレムという点である。ゴーレムは「魔力」という夢のようなエネルギーだけで、科学的な仕組みなど関係なく「動く」ことができる。その力の凄さは、ストーンキャノンが見せた通りで、科学的な動力がなくても信じられないような出力を発揮できていた。


メイドゴーレムは人型で、サイズも人間とほぼ同じ。そのため必要な筋肉量もそれほど多くない。そこで僕は、大型ゴーレムへの人工筋肉の導入は後回しにして、まずはメイドゴーレムでの試験運用に注力することを決めた。


その後、僕が注目したのは魔法金属とモンスター素材である。現実世界でもそうであったように、電気や魔力で膨張・収縮する素材、あるいはゴム状の中空素材を網目状のスリーブで覆ったラバーアクチュエータに適した素材を探し始めた。


昼夜を問わず、ありとあらゆる素材を試し続けて、3日目にしてようやく使えそうな素材を発見した。それがメタル系スライムの体細胞組織である。このスライムは鉱山で鉱石を食べて変異すると言われる種類で、興味深いことにコアを破壊してもその身体はそのまま残る。そして、この身体組織に電気を流すと収縮し(※防御反応では無いかと考察)魔力を流すと膨張することを確認できた。まさに、生きていた時の魔力生物としての特性が残った金属であった。

何も刺激を与えなければ硬めで重いゴムの様な質感で加工自体は形状変化魔法が作用するので難しくない。

また他の金属との融和性が高く、粉末状にした金属を混ぜ込む事が可能だった。

僅かに生物としての性質が残った金属に似た特性を持つ物質「ラバーメタル」の誕生である。

ここからが地獄だった。

ラバーメタルを細く何千本と作り出しフレームと結合していく。

ゲパルトのこだわりが強く、人体の筋肉より更に効率を求めた作りに大変時間がかかった。

ダイラタンシー液は筋肉の動きを邪魔してしまう為除外し、筋肉の冷却の為髪の毛状に外部へ熱伝導の良い金属繊維を伸ばした。

その時点で僕は過労で倒れかけていたが、エルダがそれを許さなかった。

コアとサポートとして雷属性1つと通常魔石2つを入れる事になり、雷属性の魔石作成に随分な時間を要した。

またエルダはゴーレムの目にも魔石を使用し大型ゴーレム並の魔石量を積んだ事になる。

そしてアイン達と似た仮面を装備させトランスツェンディアート(略称ART)とした。

もう最後の方は前世のスーパーロボット達の夢の共演が見えていたが、どうにか完成する事が出来たのだった。

この「トランスツェンディアート」こそが僕達ドラグロード王国とハルトアイゼン王国の同盟の証となるはずだった。


一国だけでは決して完成する事は無かっただろう最高の作品になった事に皆涙して喜んだ。

制作に約2週間、寝る間も惜しんで作り続けこの間何を食べたか等記憶に無かった程だ。

僕達をサポートしていたハルトアイゼンの技師達も皆死んだ様に眠っている。


ゲパルト、エルダ、アイゼン王、そして僕の4人はささやかな乾杯をし早速実験場にアートを運び起動実験を行う事にした。

身体は疲れ切っていたが、早く動く所を見たいと言う気持ちが抑えられなかったのだ。

僕はアートの頭部に魔力を流し、起動させる。

全身に魔力が供給されて行き....おいおい、どこまで魔力を吸うつもりだ?

最終的にアイン達の12倍は魔力を吸い取られた。


そして全魔石が起動しアートが目覚める。


周囲に圧倒的な存在感を撒き散らし、アートが起動に成功した。

何だろう?このダメなやつを目覚めさせた様な感覚は....

言ってみれば封印されていた邪神を目覚めさせたとか、魔人の覚醒に手を貸した様な、そんな感覚だった。

アートはアイン達と同じく実にエレガントな動きで僕の命令を待っている。


とりあえずストーンゴーレムを作成し、標的として50mほど先に設置した。

移動、攻撃、防御の挙動チェックの為だ。


「アート、目標を倒せ」と命令を送る。

次の瞬間ドンッという音と衝撃波で僕は吹き飛んで転がっていた。

ガバッと起きて目標のストーンゴーレムを見ると跡形もない。

そして僕はヒョイっと持ち上げられ、アートに優しくホコリを祓われた。

アイゼン王達は硬直したまま、凄く汗をかいている。

「やっちまったな。」「ああ、やっちまった。」「これ封印しなくていいの?」とボソボソと話し合っている。


よく見るとアートに着せたメイド服が破れている。移動の際に音速の壁を超えた可能性があるな...

金属を使用したメイド服が必要だ。

どうせならメイド服にも風属性の魔石を埋めて風圧ジェット移動を可能にしてはどうだろうか?

青ざめるドワーフ達とは裏腹に僕はワクワクしていた。

このメイドゴーレム、めちゃくちゃカッコイイじゃん!!と。

疲れと興奮で変にキマってしまった僕は、怯えるドワーフ達を呼び寄せ更なる改造を施していった。

3日後、「僕が考えた最強メイドゴーレム」というアホな考えが詰まった試作実験型ゴーレムが完成した。


アイゼン王、ゲパルト、エルダは僕の発想力に驚きつつも狂った様に突き進む研究開発欲に尊敬と畏怖を示すに至った。



数日後睡眠から解放された僕は直ぐ隣に佇むアートの美しいお辞儀で迎えられた。

部屋には僕とアートしか居らず、アートに抱かれて外に出ると見張りの兵が怯えていた。

寝てる間に何かあったな、これは。

一抹の不安を感じつつもアイゼン王の居所に案内して貰う。

そこは実験場だった。

そこではアイゼン王を中心としたかドワーフ達の開発グループが何やら開発している様だった。

「おお、ようやく起きましたかマキナ師匠。」「師匠?」となった僕だったがアイゼン王は僕の元まで来て頭を下げた。

何故か他のドワーフ達もアイゼン王にならい僕に敬礼している。

「あ、あぎゃ?」びっくりして変な声になったが王に声をかけると。

「あれ程の開発研究欲、発想力、技術力全てにおいて感服致しました。そしてこの魔神(マシン)とも呼べるゴーレムを完全に支配下に置くドラゴ・エクス・マキナ様を師として仰がせて頂きます。」

アイゼン王の真剣な眼差しと、気がつけばゲパルト、エルダも平伏している様を見て寝惚けてハイになった僕が何かやらかしたのは間違いないと感じた。

エルフィーナ王女達も僕が目覚めたとの報を受け駆けつけていた。


...経緯はこうだった。

僕は何度かアートの稼働実験を行いトライ&エラーを繰り返しその度に素材から選び直すと言う過酷な開発を続け遂にアートが完成した時何を思ったかタイタンを召喚し、タイタンとアートで実戦テストを行ったそうだ。

結果タイタンは半壊し、アートにも損傷が見られた為既に限界を超えていたはずなのに僕は改良案を打ち出し今のアートを完成させたそうだ。

その際周囲が何度か止めようとしたのだが、契約者であるメルフィーナ王女ですら説得出来ず完成するまで何人も近づけなかったらしい。

そのさまにドワーフ達に伝わる鍛治の神が命を削って神鉄を打った伝説と重なりを見せドワーフ達の信仰を得たようだ。


そして倒れた僕を抱き抱えアートは近づく者を許さず用意した別室にてマキナをずっと護衛していたのだと聞かされた。


神代の如きがその様にエルフィーナ王女達も祈る事しか出来なかったとの事だった。


何それ?


タイタンが半壊?大型ゴーレムの中でも特に力を注いで作った傑作だったのだが。


こうして妄想と無自覚とハイテンションが作り出した魔神(マシン)トランスツェンディアートを手に入れ、それと共に僕自身がドワーフ達の信仰の対象になったのであった。


冷や汗の止まらない僕をよそに涼しい顔をしたアートの口元が僅かに微笑んだ気がした。

読んで頂きありがとうございました!

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(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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