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メカヲタ、同盟を結ぶ

「マキナ様!! マキナ様、起きて下さい!」


朝方、執事ゴーレムのシールドを展開型に作り替えて満足して寝落ちした僕をメイドが叩き起しに来ていた。欠伸を一つして眠い目を短い手で擦る。


「ドワーフ王国ハルトアイゼンからの使節団が到着しました!」


メイドのその一言で目がカッと開いた。来たかハルトアイゼン、待たせやがって。2週間くらいで来ると思っていたら3週間かかりやがって。

いつ来るか分からないから、大きな開発は出来ないしお陰でゴーレムの武装見直しやら、メイドゴーレムのデザイン調整やら、細かい開発ばかりやっていたよ。


準備が出来たメルフィーナ王女が迎えに来たので抱き抱えられて謁見の間に向かう。


謁見の間に入ると直ぐに大きな声が聞こえた。

「おお!そなたがドラゴ・エクス・マキナ殿かな?」


がっしりとした体型にやや低い身長、立派な髭を蓄えたドワーフの特徴を完璧に揃えた男が僕に声をかけた。床に降りた僕はその男に近づき「あぎゃっ!」と声をかけ頷いた。


うむうむと頷いたドワーフはマントを翻し

「我が名はギアム・ゼ・アイゼン。ハルトアイゼンの国王だ!!」


はっ?


目が丸くなった僕は驚いた顔のまま固まっていた。大国ハルトアイゼンの王が直接出向いて来た??ついこの間面子がどうのと小学生みたいな事言ってたのに??


「王よ、立場がございます。ご自重下さい。」側近らしい男達が困った顔をして王を止めている。


「何を言うか、お主らが文句ばかり言うから来るのがこんなに遅くなったのではないか!立場とか面子とかどうでも良いわ!」


おお、これは中々に話せる男の様だ。


「ドラグロード王よ、そなたの英断同じ王として尊敬に値するぞ!」アイゼン王はドラグロード王に向き直りそう告げた。側近たちが頭を抱えている。おそらく段取りがめちゃくちゃになったのだろう。駆け引きも腹芸も無い。


「大国ハルトアイゼンのアイゼン王にその様なお言葉を頂けるとは、私も守護竜マキナ殿に託した甲斐がありました。」


「うむ、では早速サイクロプスなるゴーレムを見せて貰おうか。うちの使節団があれ程興奮して帰って来たのだ。期待しておるぞ!で、どこにある??」


これはきっと丸っきり素だなと感じた僕はメルフィーナ王女に伝え訓練場へとアイゼン王を連れていく。「王よ!護衛も無しに行かないで下さい! アイゼン王!」後ろから側近たちが騒ぎながら着いて来ているがアイゼン王は全く気にもとめていない。満面のワクワク顔であった。


訓練場に着くとアイゼン王は中を見回し「何も置いておらんではないか!どこに隠してあるのだ?」と騒ぐ。僕は訓練場を背にし背後にサイクロプスを召喚する。空中から着地しその全容をアイゼン王に見せた。そして前回同様にストーンゴーレムとの一騎討ちをお披露目する。

サイクロプスの攻撃のタイミングや、回避、防御の度に角度を変えその動きを一瞬足りとも見逃しまいとする集中力だ。

ストーンゴーレムを倒したサイクロプスを見てアイゼン王は言う。「守護竜マキナよ、その知識古代のものか?貴君は確か古代竜であったな?」


僕はどう答えるか悩んだ。


「うむ、まあそこは良い、ただ恐ろしいと感じただけだ。このゴーレムに使われた技術、謎の表面装甲素材、音からして多層構造と思われるがいくつか理解が及ばぬ。」


「そしてその動きは通常の単一素材ゴーレムでは有り得ない動きだ。我らが開発していったとしてもこの域に達するには千年以上の時を必要としよう。」


この男、ヤバいくらい頭がいい。動きや音から装甲の材質や構造を理解し、僅かな情報からかなり精度の高い予測を立てている。

僕は構造を説明する為に用意しておいた小さな手乗りサイズの模型を見せた。


「骨格の周りを液体で包み、軟質な金属で2層の器にしてそれに外装を多層構造で作ったのか...なんと言う発想だ。」


フレーム周りの液体について説明する為のダイラタンシー液を見せた。その現象を見た彼は一瞬で理解した。


「この液体は魔法では無いのだな?個体と液体の両方の性質を持つように見える。まるでスライムの様だ。これでフレームに伝わる衝撃を緩和している訳だな...なるほど。」


いつの間にか側近達も説明に聞き入っていた。皆その技術力と発想力に驚き、既に尊敬の念すら感じる。


「このゴーレム30機と見合う技術提供か...中々に難問だな。」


アイゼン王はかなり心揺れている様に見えるが、まだ決定力に欠ける様だった。


「貴君が求める技術は銃器関連の技術か?先日使節団が画期的な銃器の図案を見たと聞いたが。」


僕は駆け引きがしたい訳じゃないし、このアイゼン王には必要無いと感じた。空間魔法で取り出した図案を手渡す。アイゼン王と側近達は食い入る様に図案を見てため息をついた。

図案には回転式弾倉、リボルバー構造について描かれていた。

「他にも隠しダネがまだまだ有りそうだのぉ...。これでは儂らの技術力全てを渡しても全ては手に入りそうに無い。ゴーレムに使われた技術とこの図案だけで数百年から千年の価値が有る。」


僕は黒板に「銃器技術、魔石加工、相互技術提携」と書きアイゼン王に見せた。そして僕は雷の魔法を小さく使い魔石加工を指差す。


「雷属性の魔石加工を求めているのか。相互技術提携ならば双方に損は無い...か。」そう、相互技術提携を結び得た結果を分かち合う事で相互に進歩する事が出来る。


「ちなみに他にはどんな物があるのだ?」と聞かれ「良くぞ聞いてくれました」とばかりに自慢モードに入る。まずは魔改造馬車を取りだし見せる。


「このサスペンション技術だけでも価値がとんでもないですぞ!」と騒ぐ側近をよそに中も説明。メルフィーナ王女を連れて来て中で座らせたり寝かせたりして説明した。メルフィーナ王女は恥ずかしそうにしていたが、皆真顔で感心している。

昇降機にも喜んでいた。


説明が終わった物はよく見れない様にインベントリにしまっていく。他にもモシン・ナガンの図案や、弾丸の加工やライフリングについて等触りだけ説明し興味を引くだけ引いてしまう。


そしてこの3週間で洗練された執事ゴーレムとメイドゴーレム3体を召喚する。前より細身にしたが十分な耐久性と俊敏性、外装ナックルシールドや展開式シールド、メルフィーナ王女の護衛用である事を説明しそのエレガントな動きを披露した。


アイゼン王と側近達は驚き疲れ用意した椅子に座り込んだ。


「ドラグロード王よ、貴君は我が国ハルトアイゼンと同盟を結ぶ気はお有りかな?」


突然のアイゼン王の申し出に側近達が一瞬眉間に皺を寄せたが、直ぐに諦めた。


「願ってもないお話ですが、技術提携だけでなく同盟ですか?」


「この守護竜マキナという傑物、この守護竜が居る限りドラグロード王国は落ちんよ。例え神聖国が勇者を用意したとて、これから発展していく我らには到底敵わないだろう。」


アイゼン王は良く理解している。僕たちが組み進むならば同盟が正しい。


「それにな、ここで同盟を結んでおかねば数年で貴国が我が国を攻め属国とされる事だろう。今マキナ殿が見せたのは、そういう未来が分かるだけの内容だった。もちろん、そんな気はマキナ殿には無さそうだったからこその同盟だがな。」


そう言ってアイゼン王は僕の頭を撫でた。

僕は目を瞑って撫でられる。


「私もそう思います。彼が貴国との国交を強く求めたのです。そして我らは守護竜マキナを信じると決めた。ゆえにその同盟、謹んでお受け致しましょう。」


こうして二国間での同盟は締結した。

情報公開はまだ先になるだろうし、同盟内容も詰めなくてはならない。

アイゼン王は僕の事を傑物と評したが、彼もまたドラグロード王と同じく傑物だと思った。


「使節団が約束した通り貴君らを賓客としてハルトアイゼンに招待したい。その場で双方の技術交換を行う事としよう。」

この申し出にドラグロード王も了承し名代としてメルフィーナ王女が指名された。


この同盟は大きな一歩となるだろう。

同時に神聖国にとっては最悪の同盟だ。

それがこうも早く締結してしまうとは予測出来なかったに違いない。

ここへ来て相互不干渉条約が痛手になる。

今直ぐにドラグロード王国に手を出す事は出来ない以上、何らかの策を練ってくる可能性が考えられた。


それぞれに思惑は違えど、流れる時は等しい。これからの情勢がどう変わっていく、いやどう変えていくか楽しみだ。

読んで頂きありがとうございました!

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(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク

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