メカヲタ、馬車(の様な物)を作る
さて移動用ゴーレムだが、最初はあまり目立たない様に車などでなく馬車を作ろうと思う。
現在使用している王室御用達の馬車を一台借りてきて、その構造や材質を変えていこうと言うのだ。
まず全体的に木で作られるのが普通であるが、金属を要所に使用しフレーム強化を行う。車軸も金属に置き換えサスペンション機能の導入、車輪を金属と木材、ゴムで作成してみた。
これは金属の形状変化魔法を使っただけで
ゴーレムな訳では無い。
電車の台車等に使われていた枕バネや枕ばりを作り軸バネを車軸に取り付ける事で揺れの軽減と慣性・制動による揺れも軽減させる。
車体構造の知識とバランスがイマイチで本来の性能に達していないが、それでも揺れに対して大きな軽減をする事が出来た。
こう言った技術はこの世界の技術者に還元してより良い物を作って貰いたいと思う。
車体フレームが木材のままだとメイドゴーレム達が乗り込めないので、フレームも金属製にし床材も金属層を作って上から木材で柔らかみのある床へと変えた。
車体の大きさも今までの倍近く大きくし、ゴーレムで生み出したラミネート加工を処理し対物対魔法防御力を向上させる。
とは言え炭化タングステンは非常に重いので薄く引き伸ばし最低限の防御性能のみ向上させた。
このままだと馬2頭立てでは重過ぎる為、ここからゴーレム技術の出番である。
後輪の車軸にモーターの代わりになる回転力を補助するゴーレムを作成し接続する。
言ってみれば電動アシストならぬゴーレムアシストである。
一定以上の負荷がかかった状態で前進しようとするとゴーレムが後輪を回転させアシストしてくれる仕組みだ。
このゴーレムを予備動力とし、3機装備してある。1機だけではパワー不足の時2機目がそれでも足りなければ3機目が起動する仕組みだ。
また緊急時に車軸をホールドしブレーキをかける事も出来る。
これは緊急時に御者が押すとブレーキをかけるシステムだ。
単に車軸をロックするだけなので、物凄く慣性力が発生するので通常時は使わない方がいい。
これを発展させれば自動車も出来そうだったが、今はこれでいい。
そして目玉機能はシートだ。
長旅を90°直角の椅子で乗り続けるのはキツい。
ゴーレム達は直角でも問題ないので最後尾に出入口を付けてその前に直角シートを設置した。
人間用にはリクライニング機能をつけたシートでフルフラットにもできる様にし、クッションや掛け布団等を積んでおけば簡易ベッドとしても活用出来る。
また車輪が破損した時に付け替え出来る様に後部ドアの外に予備車輪を設置。
天板の上に荷物を積むのでゴーレム式昇降機も背部に設置と言った魔改造馬車を作ってみた。
アルミニウムが製造出来るようになれば、軽量化も出来るので早くボーキサイトを発見したいものだ。
試験運転の為に騎士3名、メルフィーナ王女、執事ゴーレムとメイドゴーレム3体、メイド1名と僕が乗り込み動かしてみる。
内部空間はこれだけ乗ってもまだ余裕があった。
2頭立てで動き出した馬車は揺れをほぼ感じず、小さな浮遊感は感じるが問題ないレベルだった。
完成が近づいて改めて見てみると馬車を作っていた筈がキャンピングカーに近い物が完成しつつある事実に暫し無言になって見つめてしまったが、皆が喜んでいるので良しとしよう。
馬がやられた時を考えると予備としてゴーレムで馬を作ろうかとも思ったが、普通のゴーレムで引けばいいのでやめておく。
噂を聞きつけた王や大臣もやって来てその乗り心地に痛く感銘を受けていた。
是非自分達の馬車にもサスペンション機能をと言うので、魔改造にならない程度に改造を施した。
しかし魔法と言うやつは職人が苦労する工程を一足飛びに終わらせてしまうので便利過ぎると思ったが、思えばその知識が無いとイメージも出来ないのでやはりこれも転生チートと言えるだろうと思った。
まあそれに魔法で出来る物はディテールが甘くなりがちだった。
イメージが曖昧な部分がどうしても雑になりやすい。金属の分子配列とか、細かくイメージ出来たらもっと凄い素材が出来そうだが、それは非常に困難だ。
一つ一つのパーツを丹念にイメージし作ればかなり精巧に出来るが、職人の方が確実に上回る部分も多い。やはり開発には技術力が高い技師が必須だ。知識と経験による勘と言うやつをバカにしちゃいけない。
便利な魔法等で作った物は継承も難しいしね、文化レベルの向上を考えても技術者がその技術で持って作り伝える事に大きな意味がある。
僕が魔法で作り出した物の構造を技術者が解析し技術として確立するのが望ましい展開だ。
ドワーフ族は前世世界でも有名な職人種族だ、何がなんでも仲間に引き入れたい。
何か物を作る度にその思いは強くなっていく。
王からの返事はまだだったが、あの聡明な王の事だ。
僕が何を考え何を目指しているか大凡の検討はついているだろう。
僕はこの国をただ守ろうとは思っていない。
周囲の国々と同盟を組み、より強力な守護体制を作り出す。
生活水準を上げて病気や怪我といった医療方面、食料の大半が輸入に頼っている現状を変えていきたい。
後はやはり宗教による敵対関係だ。
竜信仰と人間の神は対立関係な様だし、困ったものだ。
前世で日本人だった僕にとって神様っていうのは八百万以上居る訳で、一神教の考え方とは大きく違う宗教観だ。
ありとあらゆるモノに神は宿り、妖怪や神獣、龍、山神等言い出したらキリが無い。
物を100年大事にしたら付喪神になっちゃう国だったからなぁ。
別に人間の神と竜神が同時に居ても何も違和感を感じないのだ。
まだ言葉が上手く伝えられないので、この話は誤解を招いてもいけないから誰にも言ってないけどいつか話し合わないと行けない事だろうと考えている。
「守護する」とは思った以上にやる事が多く、ただ戦えばいいと言う単純さでも無さそうだ。
読んで頂きありがとうございました!
星評価、ブックマーク、いいね! お願いします!!
感想やご意見有れば是非お聞かせくださいね!
(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク




