メカヲタ、捕縛される
「よくぞやってくれた、守護竜ドラゴ・エクス・マキナ。有言実行、神聖国に対してここまで良い条件を引き出せた事に感謝する。」
王はそう言うと王座から立ち上がり僕の目の前までやって来た。
「王国の危機を救って頂き、感謝の念に耐えない。得た賠償金からなにか必要な事があれば最優先であたらせるが何か有るだろうか?」
僕は黒板に「指揮官養成学校の開校」と書いて見せた。
「指揮官養成学校とな? 軍事教練を行う騎士学校ではなくか?」
「ゴーレム部隊の運用」と書き見せる。
「なるほど、マキナ殿が作り出すゴーレムを効率的に運用する事を目的にした指揮官が必要という事か。」
僕は頷き続けてこう書いた「僕の居ない場所での運用、ゴーレムの特徴」
「特性把握しマキナ殿が戦場に居なくても運用出来るようにしたいのだな。」
頷く僕に王は即答する。
「良いだろう、そうなるとまずマキナ殿が直に数人に教え、その教えを受けた者たちが教壇に立つのが良いと考えるが、どうだ?」
確かに言葉を話せない現状のまま僕が教壇に立つのは難しい。
少人数の優秀な生徒に教え、代わりに教えて貰った方が広く伝えやすいだろう。
僕は「あぎゃっ!」と答え頷いた。
早速人選を行い、数日内には僕の所へ出向させるとの事で話はまとまった。
「そう言えばマキナ殿、聞きましたぞ。帰って直ぐに歓喜した民衆と触れ合ってくれたそうですな。多くの手紙や贈り物が城に届いておりますぞ。」と大臣が話しかけてきた。
「民衆に触れさせた守護竜はかつておりませなんだ。民衆は皆貴方様の事を最も心優しい守護竜として称えております。」
「本当に子供達と戯れるマキナ様はとても愛らしく、慈愛に満ちておいででした。」とメルフィーナ王女まで言い出す。
「何と、それはこの目で見たかったものだな。」と王は笑った。
謁見の間は和やかな雰囲気に包まれていた。
まったく気恥しい限りだが嬉しくもあった。
ここで僕は黒板に「ドワーフ王国と交渉」
と書いた。
王は顔を引き締め「マキナ殿もそうお考えか、神聖国が動き出す前にドワーフ王国との関係を良くして行きたい。魔族領の情報と技術提供だな?」
さすが切れる男だ、僕は頷き「交渉材料、サイクロプス30機の提供」と書いた。
僕はサイクロプスを技術提供の代わりに30機渡してもいいと考えていた。
これは神聖国がドワーフ王国に手を出しにくくする目的だったが、王は難色を示した。
「今この国にとってマキナ殿が作ったゴーレムは抑止力としても非常に価値が高い。ドワーフ王国の技術力で解析され増産される様な事態になれば我が国はアドバンテージを失う事になる。」
その考えは理解出来る、しかし仮初の平和の間にしか出来ない事があるのだ。
例えサイクロプスを解析されたとしても、ドワーフ王国の技術力を手に入れる事が出来れば僕はもっと凄い新型を作る事ができる。
こうまでしてでもドワーフ王国の技術力が欲しい理由はドワーフ王国の特殊部隊が使用する武装の中に大砲が存在したからだ。
聞いた感じだとまだまだ旧式の大砲ではあるが、僕の知識と魔法、そしてドワーフ王国の技術力が合わされば開発が一気に進むと考えていた。
目的は大砲と言うより火薬の取り扱いと火器作成のノウハウだったが。
僕は王に対してドワーフ王国との同盟を強くおした。
優れた技術者の存在は世界の文明を加速させる。
僕は彼らとブレイクスルーを起こしたいと考えていた。
おそらく神聖国が作ろうとしている物も類する物だろうと考えている。
サイクロプスの外殻は炭化タングステンでラミネート加工がされている為旧式大砲が数発当たった程度では、破壊されることは無い。
しかし弾丸に工夫をし硫酸弾、焼夷弾等が出てくると魔法との組み合わせで倒される可能性が十分に考えられる。
実際僕がサイクロプスを倒すなら、高熱を発する弾丸を撃ち込み、内部の鋼や銅の部分を狙って破壊を考えるだろう。
構造上の弱い部分、要は弱点を狙うのは当然の戦術だ。
対策として消火システムや熱を逃がすシステムを導入する事は考えられるが今は置いておこう。
ドワーフ王国の技術力が神聖国に流れる事態は避けたいのだ。
こういった事情を王に説明し、一考して頂くことにした。
王も深く考え出し、後日返事する事となった。
僕達も帰還したばかりという事もあって、今日は解散し身体を休めてからまた話し合うのが良いだろうと考えその場を後にした。
お風呂に入り晩御飯も食べたところで、僕は早速移動用ゴーレムの開発をしようとウキウキで訓練場へ向かっていると、なぜか単独行動しているドライと遭遇し捕縛され王女の元へ連行された。
いきなりの事で脳内がプチパニックになったがどうやら王女の命令で僕の捕縛を命じられていた様だ。
王女の言う事をちゃんと聞いて偉い。偉いのだけれど、権限的にはマスターである僕の方が上の筈なのだが何故か容赦なく捕まってしまった。
そのまま王女にブラッシングされ、メイドに手作りパジャマを着せられ遊ばれた上に王女に抱き締められて眠る流れになってしまった。
朝までには移動用ゴーレムを完成させようと思っていたのだが、これは無理な様だ。
執事ゴーレムがドアの外で待機。
窓際にアイン、出口扉付近にツヴァイとドライがスリープモードで配置されていた。
絶対逃がさない布陣じゃん。
諦めた僕はどんな乗り物にすべきか妄想を膨らませつつ、いつの間にか夢の中へと堕ちて行ったのだった。
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