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甲子園の春

作者: ヒーヒィ

俺の名前は岩切一平いわきり・いっぺい

高校3年生で野球部のキャプテンをしている。

うちの野球部はこれといった特徴のない

弱小チームだが試合の成績自体は悪くない。

むしろ今年は甲子園に行けるんじゃないかと期待されているくらいだ。

俺たち弱小チームが何故ここまでの成長を遂げたのか。



それは・・・1年前のことだった。


マネージャー『皆さん練習お疲れさまです!今日のドリンクはこちらになります!』


イッペイ「あぁ、ありがとう』


マネージャー『はい、岩切センパイには特別スペシャルな特製ドリンクですよ』


イッペイ「え?別にいいよ」


マネージャー『いえいえ、遠慮しないでください』


そう言って彼女は俺にドリンクを渡してくれる。


彼女の名前は高峰美紀たかみね・みき

この野球部のマネージャーをしている。

部員のことを気にかけながら献身的にサポートをしてくれる女の子。

それ自体は素晴らしいことだと思うのだが一つだけ問題があって・・・。



ミキは容姿が非常に残念なのだ。

顔にはニキビ跡があり目は細く、髪もボサボサである。


イッペイ『・・・・誰が雇ったんだよ。』


そんな独り言が思わず口から漏れる。

だってそうだろ?

野球のマネージャーっていったら美人なお姉さんとか、

スポーツ系の可愛い女の子みたいなイメージがあるじゃないか。

それなのにこんな可愛くもない女が来るなんて誰も思わないだろう。

きっと部員全員が思ってることだろう。

まぁでも、こうしてマネージャーとして来てくれてるんだから

文句を言うわけにもいかないか。

それにこう見えて意外と仕事はできるみたいだしな。



俺は受け取ったドリンクを口に含み、そしてそのまま飲み干した。

うん、美味しい。

今日もよく冷えていて最高だよ。


すると隣に副キャプテンのケンジがやってきた。


ケンジ『いやぁ、彼女欲しいよねぇ』


イッペイ『あぁ、全くだ』


彼は同じクラスの友達でもあり親友でもある。

性格はよく言えば真面目、悪くいえば頑固な性格かな。

そして俺と同じで彼女がいない歴=年齢という悲しい男でもある。


西田『うちの学校の女子はあんまりレベル高くないしな』


東山『くそ、一体どこで見つければいいんだよ!』


その言葉を皮切りにみんな口々に不満を言い始める。


そしてある1人の男の発言がこの野球部を覚醒させる引き金となった。





リョウタロウ『甲子園で優勝すればさ、女子からモテモテらしいよ』


部員全員がリョウタロウの方を見る。

もちろん俺もその一人だった。


西田『なにぃ!?それは本当か!?』


ケンジ『甲子園優勝なんか都市伝説じゃないの?』


イッペイ『おいおい、これはチャンスかもしれんぞ!!

もし優勝すれば俺らモテモテだぜ?一夫多妻も夢じゃないぞ!』


全員『よし!じゃあやるか!!』


そこから俺たちの快進撃が始まった。

ただモテたいという一心がチームの団結力を高めたのだ。

そして迎えた夏の地区大会決勝。



相手は高鳥学園。

優勝候補と言われる名門校であり毎年全国大会に出場しているチーム。


このチームのエースは真田裕二さなだ・ゆうじと言って今年突如現れた謎の人物だ。

そしてなんと不思議な事にチーム内に

同姓同名で同じ顔の男が2人いたのだ。

どう考えてもおかしいと思ったけど深く考えなかった。

だって名前が一緒なんだし顔も同じってことだよね?

つまり双子かな〜くらいにしか思わなかった。



そしていざ試合が始まると彼のピッチングはすごかった。

速い球を投げられるだけでもすごいのにコントロールも抜群。

しかも変化球まで持っているらしく三者三振なんて当たり前のように取ってくる。

まさにパーフェクトピッチャーだ。

それを受け止めるキャッチャーには同じ顔のユウジ2号がいる。


2人ともイケメンで人気もあることからネットでは神格化されていた。

そんなチームと決勝で戦うことになった俺たち弱小チームは奇跡の大逆転劇を演じた。

女子にモテたいという一心で見事優勝することができたのだ。

野球部員全員が喜び合った。



すると向こうのベンチでユウジが女子に励まされていた。


ミオ『先輩お疲れさまです!惜しかったですね!』


ユウジ『そんなことはない、完全に俺達の負けだよ』


ユウジ2号『あぁ、この俺たちを破るとはなんという実力だ』


ミオ『もう、まだ来年がありますよ!2人とも格好良かったです♡』


そう言って彼女は頬を赤く染めていた。



それを見ていた他の選手たちは嫉妬の目で彼らを睨みつけている。


西田『ちっ!可愛い女連れやがって!』


ケンジ『俺もあんな美少女のお姫様が欲しかった!』


東山『くそぉー、うらやまけしからん!』


彼らの気持ちは痛いほどよくわかる。

だが、ここで醜態を晒すわけにはいかない。


イッペイ『おいお前らよく考えてみろよ!

俺ら甲子園出場を決めたんだぞ!?

それに比べてあいつらは県大会で負けたんだ。

俺たちの方が上だよ!』


部員たちはイッペイの言葉を聞いてハッとした顔をする。


イッペイ『甲子園で優勝すればああいう女を大量ゲットできるかもしれないぜ?

お前らあんなちっぽけなことでいいのか?ん?』


部員たち『『『おおお!!!』』』



それからは早かった。

毎日必死に練習し、いよいよ甲子園の日がやってきた。



そして甲子園1回戦。


俺たちの高校と対戦することになった。

相手は超強豪高。

まともにやって勝てるはずがない。

だが俺達の信念は揺るがなかった。


甲子園優勝してモテる。ただそれだけのために頑張ってきたんだ。

絶対に勝ってやる。



そう意気込んでプレイボールを迎えた。



結果は・・・・・・10ー0で俺達の圧勝だった。


相手チームキャプテン

『なんだあいつらの気迫は・・・・

何があいつらをそこまで駆り立てるんだよ!?』


その言葉を最後に相手の選手は泣きながら去っていった。




その後も圧倒的な力でねじ伏せ続け、ついに決勝まで勝ち進んだ。

決勝の対戦相手は横溝第2高校。



イッペイ『いよいよ決勝だな』


ケンジ『あぁ』


いざ決勝の舞台へ・・!











するとリョウタロウが血相を変えて走ってきた。


リョウタロウ『大変だよみんな!!』


部員全員『『?』』


一体どうしたんだろうか?


リョウタロウ『キャプテン宛にこんな手紙が届いてたよ』



その手には1通の手紙があった。

そこにはこう書かれていた。

『女子マネージャーを返して欲しければ指定の場所に一人でこい』

とだけ書いてあった。




イッペイ『なんだこれ?あれ、ミキちゃんは?』


見渡すがマネージャーはいない。

影が薄いのでいなくなったことに気づかなかった。


ケンジ『まさか誘拐されたんじゃ!?』


西田『だとしたら許せねぇ!!』


東山『早く助けに行くぞ!!』


イッペイ『待て!今日は甲子園決勝なんだぞ!

俺1人で行くからみんなはここに残れ!』


リョウタロウ『ダメだよ!!もしキャプテンに何かあったらみんな悲しんじゃうよ!』


俺はリョウタロウの肩に手を置く。

そして優しく微笑む。


イッペイ『大丈夫だ。必ず戻ってくる。

だからここは俺に任せてくれないか? 俺を信じて欲しい』


部員全員『『はい!!』』


こうして俺は単身で指定された場所へ向かった。

そこは山奥にある廃校になった中学校らしい。

野球部のユニフォーム姿のまま校門の前に立つ。

周りには誰もいない。




おかしいな?確かにここだって聞いたんだけど。

校舎に入ってみると中は真っ暗だ。

しかも床も壁もボロボロで今にも崩れそうだ。

しばらく進むと人影が見えてくる。





そこにいたのはマネージャーのミキだった。

縛れて眠っているようだ。


イッペイ『ミキちゃん!』



女『ほぅ、約束通り1人で来るとはね』


近くのドラム缶の上に制服を着た女が座ってこっちを見ている。

その女が立ち上がり俺の方に向かってくる。


その女は色気が半端ないくらい溢れ出ていた。

高校生とは思えぬスタイルに整った顔立ち。

さらに長い黒髪はまるで絹のような触感だ。

そして胸元が開いたシャツからは谷間が覗いている。

そんな彼女が俺の目の前まで来て止まる。


女『あんたが今日の対戦相手の岩切君かい?』


イッペイ『え?じゃあお前は横溝第2のやつなのか!?』


女『まぁそういうことになるわね。

野球部のマネージャーだよ』


イッペイ『一体何が目的だ?』


女『これはオトリだよ』


イッペイ『なんだって!?』


女『エースであるアンタをおびき寄せるための作戦さ。

エースが抜ければチームは崩壊する。

それにまんまと引っかかったわけ。

でも安心しな。

うちらの目的は達成できたからもう用はないよ。

帰るなら見逃してあげるけど?』


するとイッペイは膝をついて倒れる。


イッペイ『そんな・・・・甲子園優勝の夢が・・』


女『バカな男だよ全く。

自分の夢より彼女を取ったんだろう?ほんっとに呆れるねぇ。

あーあ、せっかくいい男見つけたと思ったのに残念』


その言葉にイッペイは反応する。

イッペイ『え?どういうことだ?』


女『私はただ強い男が好きなの。

この作戦も乗り気じゃなかったんだけど

キャプテンの指示だったんで仕方なくやったんだよ。』


イッペイ『そうか・・・』


イッペイは女に近づく。





イッペイ『実は俺もアンタみたいな女が好みなんだ』


女『えっ!?』


イッペイ『あんたにさっき出会ってからすごくドキドキしてるんだ。

こんな気持ちは初めてだ。だから俺と一緒に来ないか?』


女『おいおい、あんた甲子園はどうするんだよ。

このまま急げば間に合うかもしれないんだ。

私に構ってる暇あったら早く行きなって!』


イッペイ『甲子園なんてもうどうでもよくなったよ』


女『は?』


イッペイ『お前もマネージャーやるのに

うんざりしてたんだろ?

だから俺と一緒に飛び出そうぜ!』


すると女は考える。

女『ふーん、それは面白い。

よし気に入った!

私の名前はナナミ。よろしく頼むよ』


イッペイ『あぁ。俺はイッペイだ』


こうして俺は美女を手に入れた。


ナナミ『これからどこへ行くんだい?』


イッペイ『そうだな、まずは電車に乗って

遠いところへ行くか』


イッペイは甲子園の夢を捨てた。

こうして2人の逃避行が始まった。











その頃

完全に忘れられ、置き去りにされたマネージャーのミキはというと

まだ眠っていた。

すると2人の人影がミキに近づく。


女『この子は使えそうですね』


男『え?流石にまずいんじゃないの?』


女『いいんですよ、人体改造すればなんとかなります』


男『うぅ・・今だに抵抗があるな・・・』


女『その姿でよく言えますね』


男『それは言わないでくれよ!』


女『ふふ、冗談ですよ。

それでは行きましょうか』


ミキは謎の組織に回収されてしまった。

その後彼女はどうなったのだろうか? 誰にもわからない。 END

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