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第一話 自殺と転生

 


 ドクン,ドクン,


「はぁ、はぁ」


 高鳴る呼吸音と心臓の音。

 少し涼しい秋の風,しかし涼しい筈なの何故か汗が止まらない、、、別に暑いわけじゃない,俗に言う冷や汗というやつだろう。

 掴んでいる鉄格子が少しあったかくなっていっている。

 

 ここに立って30分は立っているだろうか,高い高い学校の屋上,夕焼けがさっきよりも少し赤みを帯びている気がした。

 竦む足,震える手,高鳴る鼓動,荒い息,そう、私は自殺をしようとしている。

さっきから一向に前へ進んでいない,何していているだ,私。

 やっぱり諦めて別の方法で復讐しよう。

 だがそう考えていた次の瞬間,足から滑り私は落ちた。

 

 足が震えていたからだろうか,それとも手が震えていたからだろうか,あぁ,どちらにせよ終わった。

 そう思い、私は地面に落下して鈍い音と一瞬の激痛を体感して死んだ。はずだったのに、、、

 





 次に目を開けると何故か視界が良好。

 でも周りは見慣れない田んぼ、一面にある草原、なんだ?ここは、かなり田舎だ。

 私も田舎モンだったが電柱までないとは,そう思ったのも束の間


「大丈夫かい?」


低い声だ。


「あれ?私滑り落ちて死んだはずよね?」


 思わず出た独り言。

 

「何を言ってるだいアイフ、そんな人聞きが悪い事演技でも言ってはいけないよ。それになんだい今の言い方、まるで女性みたいだ、誰に教わったんだい」

 

聞きなれない男声。


 私は1人親で父はいないし彼氏は疎か男友達もいないはずだ。

 てかアイフって誰やねん。


 「失礼ですがアイフとは誰でしょうか」


 思った事を口にする癖が出てしまった。

 いつもと声がおかしい、そういえばやたら地面も近いし手もなんか小さい。


「今回は記憶喪失者の真似かい?でも今は修行中だからおままごとは後でね」


 記憶喪失?何を言っているんだ、私は割と物覚えはいい方なんだぞ、失礼な。

 それにしてもこの男性、なんだ?

 見た目は割と美形で尚且つ人間とは思えないほどかなり背も高い、私が163センチだから3メートルはある。

 ん?私が,私が,私が,そう思い体のあらゆるところを触る。

 さっきまでとは似つかない服装、まるで男性が着るやつじゃないか、私は女だぞ。ひょっこりとした体に短い髪。             

 私はショートではあるがベリーショートではない。カットされたのか?

 

「どうしたんだい?アイフ」


 男性がそう言い気づく。

 もしかして,ここ異世界?


「えぇぇぇーーーーー!!!」


 思わず発狂、眩暈がして、そして意識が遠くなって行く

 

「大丈夫か!?おい!アイフ!」


 その声を最後に意識が消えた。




 



 


 目を覚ますとそこは家だった。

 パチパチとなる薪が燃える音。

 心地よい音に温度、そうだ,私死んだのよね?        

 しばらくすると女性が近づいてきた。

 見た目は20代後半か,髪は綺麗な黒髪、肌は白寄りの茶色と言った所か、欧米風の見た目だ。

 日本人とは似ても似つかない。

 

「アイフ大丈夫かい!?記憶はあるかい!?」


 私は話しかけられた瞬間状況を整理できた。

 まずここは異世界,地球ではない。おそらく。

 

そして私のこの肉体,男に転生したんだろう、そして今話しかけられているのは母親でさっき会ったのは父親的な立ち位置の人、もしくは兄貴なんだと思う。

 よし、ある程度整理はできた、じゃあ次だ。

 今この母親らしき人に話しかけられている,なんで返すのが正解なんだろうか,うーん、


「アイフ?」


 そうだ!この人はおそらく私(僕)が記憶喪失と勘違いしている、ならまだ記憶を取り戻せず何もかもわからない少年にするのがいいと思う。

 医者に連れていかれる可能性はあるが今はこれが一番無難な気がする、てかこの世界に医者はいるのだろうか?いや、いなかったらおかしいな。


「アイフ?おーーい」


 はっ、今話しかけられているんだった。答えないと


「すみません,何もかも思い出せません、自分が何者なのかも,貴方が何者なのかも,」


 険しい顔をしているな。やはり言い訳を変えた方が良かったか?でも今はこれしか思い浮かばん。 

 

「、、、」

「、、、」


しばらく続いた沈黙の後女性の方から話しかけてきた。

 

「ここがどこかは分かる?」

「、、、いえ」

「重症ね」

 

 そんな事を話していると男の人が家へ入ってきた。

 さっきのイケメンである。

 

「どうだ?アイフは」

「重症、自分のことも,私達のことも、全て忘れてしまっているわ」

「弱ったな、医者に連れて行きたいが、俺達の存在がバレるのはまずい、とはいえ記憶を蘇らせる治癒魔術は俺達は使えないは疎か知らない」

「田舎に来たのが仇になったわね」

「そうだな」


 2人が険しそうに話している。

 それにしても俺達の存在がバレるとはなんだ?何かの罪人なのだろうか,だということは私達は逃亡者!?

 ちょっと憧れるな,

 

「何を笑っているんだ,怖いぞ?アイフ」


 イケメンに言われてしまった,すまんね、笑みが溢れてしまったよ。

 

 「ちょっと待っててね」


女がそういうと男と別室に行ってしまった。


 さっきからなんか不思議な感じだ。前世と根本的に何かが違う。もちろん肉体も関係しているのだろうが,なんかこう,ちょっと違和感がある。

 力が満ちるというか,ゾワゾワするというか,


 そんな事を考えていると男と女が出てきた。


「貴方の名前はアイフよ、そして私の名前はサラ、こっちの男性が貴方のお父さんで師匠のデイビスよ」

「や、やぁ」


 イケ、じゃなくてデイビスが作り笑顔をしながら笑う、イケメンの割には笑顔が下手だ。

 にしても何故苗字は言わないのだろうか。


「あのー、苗字ってなんていうんですか?」


 2人は一瞬「え?」という顔をしていた。


「いい?アイフ、この国は貴族や王族、帝族、軍族以外は苗字を持ってはいけないのよ」

 

なるほどなって、 ん?貴族や王族までは理解した。

 でも帝族や軍族とはなんだ?

  初耳だ。


「すみません、帝族と軍族とはなんですか?」


 するとデイビスは言う。


「帝族は国の脳みそみたいなものさ、国の政治的案、法律改ざんなのを目的としていて実質的な国のトップさ,まぁ決定などを決めるのは王族だけどね。つまり今のこの国,ライン王国は帝族が支配していると言っても過言ではない。」


 なるほど日本の内閣みたいなものってわけか。

 三権分立をしていない時点で少し違うけど。

 

「そして軍族というのは国の戦力となる国の足と腕だ。この国が残っているのもこの軍族が担っているからなんだ。この国は世界でもトップクラスの軍事力を持っているんだ」


 なるほど,軍人ってわけか。

 

「分かりました。ありがとうございます」

「うん、いい子だ。物覚えがいいのは相変わらずのようだね」


 頭をなでなでされてしまった,イケメンに,くそ,かっこいいじゃねぇか。

 私が前世だったら既に飛び乗って襲っているかもしれないわね。












・一年後・


 一年が経ち僕の肉体は7歳になった。

 この世界についてもだいぶ理解してきた。  

 この世界をある程度聞いて理解した事を一言で表すなら『戦争と魔法の世界』だ。

 

 まずこの世界について説明しよう。

 この世界は現在戦争が絶えないらしい、この国の人口は20年前まで3億人ほどだったらしいのだが現在は2億人ほどしかいない。

 もちろん高齢化も関係しているらしいがそれよりも戦死した人が圧倒的に多いらしい。

 なんでも内戦が酷いんだとか。

 この国ではライン王国と反乱軍でぶつかっているらしい。

 まずライン王国だがこの国に問題性はあまり感じられない。

 王国側からしても人々への待遇は割と良いらしいし差別はあれど苦しい生活を強制するほどでもないんだとか。

 一方の反乱軍は差別を完全に無くそうとしているんだとか,それにより人が死んでいるのだから僕からしては元も子もないから僕はどちらかというと反対派だな。

 反乱軍は過激派ってわけだ。

 

 次にこの世界の魔法についてだ。

 この世界では魔法と言わず幻術というらしい。

 幻術とは言うものの実際は魔法とシステムは変わらない。

 炎は出せるし実在もしてる。

 水は出せるし飲むと喉は潤う。

 もちろん魔法と似てない部分もある。

例えば魔力切れというものが存在しない。

 つまり完全な技術ゲーということだ。

 だが幻術は連発できぬものもあり強力であればあるほどインターバルを必要とするらしい。

 そして幻術を出すのに必要なエネルギーのことを幻力といい、一度に込められる幻力量の事を幻力限界値と言う。

 この幻力と幻力限界をうまくコントロールが出来るかで一流か二流かがきまる。

 幻力限界値に関しては肉体の成長と共に成長するらしい。

 多ければ多いほどやはり重宝されるのだが完全に技術に関しては個人差があるし若いうちに修行すれば増えるんだとか。

 最近はここ毎日デイビスに修行を付けてもらって限界値を増やしている。

 僕の肉体には才能があり限界値が割とでかいんだとよ。

 デイビスには敵わないけどね。

 ただ「僕よりすごいやつはたくさんといるから調子に乗らないように」と言われた

 

 勿論この世界にも武術があった。

 そう武術、武術はサラが教えてくれた。

 武術には前世であった帯のようにランクがあるようだ。

 ブレスレットでランクが決まるらしく人が見極めるのではなくブレスレットが見極めるのだとか,サラはシルバーだった。

 ランクに関しては四色あり黒、白、シルバー、ゴールドとランクがありサラはなんとシルバーだった。

 修行する時の模擬戦闘もシルバーだけあってめちゃ強い。

 ちなみに流派もあり王道が巨人流、飛龍拳法、統一式の三つあるらしい。

 サラは3つ全て扱えるが主流は巨人流であり強い。

 今日もコテンパンにされたよ。

 まぁ回復術があるからなんとでもあるけど、


 他にも銃術や縄術、鉄術があるらしい。

 この三つはサラとデイビスでは扱えないんだとか。

 残念である。

 

 そんなある日、「同成人に会いに行こうか,」とサラに言われた。

 なんだそれは初耳だぞ。

 

「同成人とはなんですか?」

「教えてなかったかしら?」

「はい、初耳です」

「同成人っていうのはね,一緒に成人する人のことよ,つまり幼馴染みたいなものね」


 なるほど、幼馴染か。

 そういえばこの世界に来てから子供をまだ見ていない。

 是非とも会いたい、だが会いたくない気持ちもある。

 自然と手が震えて、思い出すだけでも吐き気と反吐が出る。

 それは前世において私が自殺に走った原因まで遡る。

 

今日から投稿させてもらいます。

生まれて初めて作った作品です。

楽しんでいただけたら幸いです。

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