ハローワールド
……
…
エラー…
…緊急対応開始…接続解除
…
イレギュラー…監……シ
対象…ステータス変更…
…
ーー20年後ーー
いつもの日常
ベッドから憂鬱そうに起き上がる。
寝癖が酷い…
外はカンカンに晴れており、雲ひとつない。
普通の人なら喜ぶのだろうか…
僕の心はいつも曇りだ。
「会社行かなきゃ…今日は結合テストしないと」
適当に食パンを焼いて、口に無理やり入れれば朝ごはん完了だ。
「いってきます…」
一人暮らしだが、つい声に出してしまう。
なんの特徴もない、そこら辺にでもいそうな会社員にすぎない僕…
と、いう事なら良かったのかもしれない…。
世の中には知らない方が良いことが沢山ある。
ただ、おそらくこの世界で「それ」を知ってしまったのは僕だけだ。
「おはよう!お仕事がんばってね!」
一階に住んでる大家さんのおばちゃんだ。
「おはようございます」
(これが最後の会話になるのか…今までお世話になりました)
何度目だろうか…「(End)」を見届けるのは。
もう、慣れてしまった…
僕はバイク通勤だ。
乗ってる時間が至福の時だ。
アクセルを回す…いつもの通勤時間
その間はいろいろ考えてしまう…
この広大な世界で生まれた「意味」
生まれた環境だけで勝ち組、負け組が確定する世の中
「運」という不確定な要素
「自我」「希望」「絶望」とは…
努力は「才能」に勝る?本当に?
一切悪い事をしてない。善意に満ちた人間でさえ
「病気」「事故」という要素で「end」にされる理不尽すぎる。人生の「運ゲーム」
この世は「運」というパラメーターが高い人が有利だとは思った事はないだろうか?
答えは出せない…。それは「不明確」だからだ。
「死後の世界」がわからないのと同じ事だ。
不明確だから人はどんな絶望に直面しても「未来にはいい事があるんじゃないだろうか?」と考え生きていける。
分かってしまえば、悲惨だろう…。
厨二くさい思想だ…そう思う人は多いだろう。
…ここまでが「知らない人」の考えだ。
僕の人間に組み込まれてるコード(人生)が「見える目」がなければ…ただの妄想好きな人間として生きていけたのに…。
僕は勝手に「トレースアイ」と呼んでいる。
そう、大家さんには今日(end)が実行されるのだ。
すなわち「死」だ。そして、死因は病死になる。
これは生まれた時から決まっている。
運命「命令」だ。
宝くじが当たった人も生まれた瞬間にすでにコーディングされていたのだ。それは、その人だけでなく、売り場にいた人がその人と接触して、当たりくじを渡す事さえも「運命」という概念ではなく「命令」による。意図した動きなのだ…。
僕は人間技術では触れる事のできない「演算命令」がされていると考えている。
「この世界は、何者かに作られ、操られている」
僕は知らなくて良い事を知ってしまった。
確信はないが、そう思ってしまうのだ。
勿論、友達にも話したことはない。
確実に変人扱いされるのが分かるからだ…。
おそらく友達にもそれが命令されている。
僕は本当の意味で「自我」を得てしまったのだ。
何のために…僕だけ…
分からない…分からない…
自分のコードだけは見えないのだ。
いつ「end」になるのかも不明だ。
なんなんだ、この世界は…僕は…。
それだけは僕にも分からない。




