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魔導帝国の英雄譚 〜そして少年は英雄になる〜  作者: 愚者
3章 学院生活編(下) 〜奇なりし絆縁〜
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77話 意外な組み合わせ

 

「――はぁ~~終わった終わった」


 今日も今日とて全ての授業をこなし、ホームルームを終えて迎えた放課後。教科書などの荷物を纏めて帰りの支度をし始めたコロナは、大きく一つ伸びをした。


「今日も戦闘訓練! ……っていきたいところだけど、アイリスが向こう(中等部)の用事で来れないみたいだし、今日は中止ね。リネア、何か予定あったっけ?」

「うーん、最近忙しくてあんまり買い物出来てなかったから、商業区へ買い出しに行きたいかな。……アクト君はどうする?」


 二人娘が今後の予定を話し合っていると、相変わらず眠たげな無表情のエクスを連れたアクトが彼女らの元にやって来る。


 その顔色は僅かに青く、まるで何かを恐れているようだ。


「それなんだがな……悪い、俺は行けそうにないや」

「何か他に予定でもあるの?」


 小首を傾げたリネアが尋ねるも、アクトの反応は鈍い。


「どうしたのよ? アンタらしくもないわね。はっきり言いなさい」

「……はぁ、黙っててもバレる事か。実はな……」


 怪訝な表情で問い詰めるコロナ。対するアクトはしばらくの間、重苦しそうに押し黙り……やがて、観念したように大きな溜め息を吐き、二人に事情を説明して――


「「補習ぅ??」」


 少女らの口から、揃ってその言葉が飛び出た。


「アクト君、補習宣告されたの?」

「くそっ、だから言いたくなかったんだよ。こういう反応されるのが目に見えてたからな!」

「アンタ、まさか基礎科目を落としたの? 馬鹿なの?」

「そうだよ悪かったな!! ……ほら、前に魔法薬調合の実験があっただろ? 中々上手くいかなくってな。あれが上手く出来ないと次の実験にも支障が出るって事で、担当の講師が特別に補講講座を設けて、その受講条件に引っかかったんだよ」


 呆れ果てたようなコロナの痛ましい視線と、何とも言えない感じなリネアの生暖かい視線を受け、アクトはしょげた様子で弁明する。


 彼が何に対して恐れていたかといえば……言うまでもなく、眼前で仁王立ちする赤髪の少女だ。


 成績だけ見ればこの超優秀な主サマは、成績不振な「騎士」に、それはそれはキッツい灸をすえるのだ。普段は他愛もない事で口喧嘩が絶えない両者も、この時ばかりはパワーバランスが崩壊してしまう。


 コロナという活火山から、一体どんなお怒りが飛んでくるか……いつものようにアクトが身構えていると、


「まぁ確かに。あの実験、かなり難しかったよね」

「……そうね。アタシ達は、中等部の頃からああいうのを散々やってるから慣れてるけど、外から入ってきてまだ日が浅いアクトには難しいのかもしれないわね」


 返ってきた反応は、意外と薄いものだった。自分達も通ってきた道だからだろうか、少女らの反応はどこか理解のあるようなものだった。何にせよ、怒られなかったのはアクトにとってありがたかった。


「……仕方ないわね。買い出しはアタシ達がやっといてあげるから、さっさと済ませて帰って来なさい」

「ほらほら、早く行かないと遅れちゃうよ?」

「あ、あぁ……それじゃあ、エクスの事は任せたぞ!」


 そうして、コロナ達に急かされたアクトは、学生鞄を背負って教室から足早に去って行くのだった。


「まったく仕方のない奴ね。ほらエクス、あんなの放っておいて、買い出しついでにどこかお茶でもしにいきましょ?」

「むっ……それでは、ロールケーキと大盛り苺のタルトを所望します」

「あ、アンタのその謎な食い意地は、どこから来てるのかしら……」

「あはは……分かったよ。何でも注文して良いからね」


 先程までの眠たげな様子はどこへやら、活力に満ちた目を見開いて自分達の制服の袖を引っ張ってくるエクスに、二人は苦笑を浮かべた。


 もう慣れた事ではあるが、やはり主同様、謎の多い精霊だ。


「……そういえばコロナ。実験系の補習って、二人一組でやるものじゃなかったっけ?」

「さぁ? 補習なんて受けたことないからあんまり覚えてないけど、そうなんじゃないからしら? で、それがどうしたの?」


 帰り支度を終えた直後。リネアが急にそんな事をコロナに尋ねだした。アクトに関係する事ではあるのだろうが、問いの真意を図り損ねたコロナが問い返すと、彼女は何故か深刻そうな声音で応じた。


「だったら多分……あの子も居るんじゃない?」

「……あっ」


 リネアの言わんとしている事を理解したコロナは、途端に顔を青くした。


 ――拙い。このクラスには、アクトと同様に魔法学実技が苦手な生徒が一人居る。自分もよくアクトと口喧嘩はすれど、殆どは軽口めいた本気で無い事の方が多い。


 だが、その生徒はクラス内でアクトと最も相性が悪い人物として周囲からも認知されている。


 普通に考えれば、二人一組の補習は同じクラスの生徒同士で組むことになる筈だ。片方はともかく、もう片方は分別のあるきっちりした性格ではあるが……協力して一つの作業を行うような状況下で、あの二人が組めばどんな化学反応が起きるか……


「「……」」


 黙りこくる少女二人は、同居人の少年が向かった先で間違いなく起こり得るであろう波乱を、密かに予感するのだった。



 ◆◇◆◇◆◇



 この魔法学院の校舎は、職員棟と中等部・高等部生の教室がある二つの本館校舎に隣接して、東と西にそれぞれ別館が建っている。教室がある校舎を離れ、アクトは魔法学実験室がある東館へと移動していた。


「はぁ……魔法の在り方を一から学び直すとはいえ、やっぱこういうのはキツイな……」


 学院にやって来た頃は色々と部屋が分かれていて迷うことが多々あったが、アクトは憂鬱な気持ちでぼやきながらも、今やすっかり慣れた足取りで実験室に辿り着く。


 比較的間取りの広い部屋だ。壁際の棚には、瓶詰めにされた素材やら、怪しげな色の液体やら、謎の石やら結晶やら……様々な魔法素材が各種保管法によって所狭しと並べられている。


 さらには、魔法陣が描かれた大釜、歪な形状のガラス器具。奥には大型の魔力駆動型火炉や錬金術用の合成窯など……魔女の部屋まんまである。魔法を知らぬ者が見れば、胡散臭さ極まれりに違いない。


 室内では既に、数名の生徒が幾つかの列に一直線で並んでいる長机の席に座っており、それぞれ時間を潰して担当講師が来るのを待っている。アクトと同じ補習組だ。


「さて、と。俺の席は……」


 材料や時間の都合上、補講実験は二人一組で行うことになっている。実験室前方の黒板にチョークで予め書かれていたらしい席配置を確認して、アクトは目当ての席へと向かう。


 実験で使う材料や道具一式がずらりと並ぶその席には、既に生徒が一人座っていた。


「あんたが俺の相方みたいだな。哀れな補習組同士、仲良くやろ……」

「――えぇ、こちらこそよろしくお願いし……」


 調子よくアクトが話しかけると、その生徒は復習に使っていたらしき実験教本の頁をめくる手を一時的に止めて、彼の方を向き――


「……って、マジかよ!?」

「……って、なぁ!?」


 互いの姿を認識した瞬間、両者は目を見開いて固まった。彼らが真っ先に抱いた言葉はただ一つ――‟何でお前がここに!?”だ。


 アクトが驚くのも無理はなかった。何故なら彼の相方とは……深海を連想させる瑠璃色の長髪を一つに束ね、鋭くも理知的な水色の瞳を秘める少女――ローレン=A=フェルグラント。彼と最も仲が悪いクラスメイトだったからだ。


「……おいおい、マジで珍しい顔だな」

「アクト=セレンシア……よりにもよって貴方が補講実験の相方だなんて……あ、悪夢だわ……」

「それはこっちの台詞だぜ。誰だよ俺らを同じペアにしたの……」


 どうやらそれは向こうも同じ思いらしい。ローレンはきっ、と心底嫌そうな双眸でアクトを睨み据える。


 魔法嫌いの不良生徒とクソ真面目な堅物委員長、まさに犬猿の仲。たった数秒話しただけで、両者の間に流れる雰囲気が険悪なものになる。


「くそっ……とりあえず、なっちまったもんはしょうがねぇか。で、どうしたんだよ優等生? 補習とは一番縁遠いような存在のお前が、何でこんな所に居るんだ?」

「し、仕方無いじゃない! 私は十五の時まで軍の士官学校に居たから、皆と比べてこういうのにはまだ慣れてないのよ!」

「軍学校? ……あぁ、そういえばお前の家は、帝国の軍事関係を牛耳る大貴族様だったな」


 あからさまに嫌そうな態度だが、一応は割り切ることにしたアクトの問いに、ローレンは頬を僅かに赤くしてキレ気味に答える。そういう事か、とアクトは彼女がここにいる理由に合点がいった。


 学院生活を送っていれば、他人の情報や噂は嫌でも耳に入ってくる。帝国大貴族、フェルグランド公爵家の次女たるローレンの生い立ちなどについては、アクトもある程度知っていた。


 帝国軍士官候補生学校には、大きく分けて一般課程と特別課程の二つがある。一般課程は十六歳から二十歳までであり、特別課程は将来、軍関係者になる事が決まっている貴族将校らの子女が幼少期から通う事例が多い。ローレンもかつてはそこに属していた。


 通常、特別課程を修了した者はそのまま一般課程に移って本格的な訓練を開始するものである。……だが、フェルグラントという帝国魔導武門棟梁の家に生まれてきた彼女は、何故かこのガラード帝国魔法学院に高等部から編入してきた割と謎な経歴の持ち主なのだ。


 そういう経緯から、学院にやって来た時期的にローレンとアクトには一年の差しか無い。ローレンが成績優秀といえど、座学や魔法戦技能ならともかく、中等部の頃からこの手の作業をこなしてきた生徒達と彼女では、流石に段取りや経験といった面で彼らに一日の長があるのだろう。


「要するに、俺と同じって事だな」

「くっ……貴方と一緒にされるのは非常に癪なのだけど、その通りよ。けれど、真面目に授業を受けているかも分からない貴方とは根本から違うわ。精々、私の足を引っ張らないことね」

「何だよ、せっかく仲良くしようとこっちから努力したってのに。可愛げの無い奴」

「余計なお世話よ!」


 ……そんなこんなで、二人の雰囲気は険悪なまま、時間になって担当の若い女性講師と実験を補佐する助手の講師が訪れたことで、補講実験が始まった。


 今回のお題は、「治癒薬(ポーション)」の調合作成だ。


 「治癒薬」とは、傷を癒す治癒魔法を誰にでも使える形で再現した即効型魔法薬であり、体内に含めば体力を回復し、傷口にかければ消毒効果と自然治癒効果が期待出来る。無数にある魔法薬の中では基本的な代物だ。


 しかし、基本的といえど侮るなかれ。魔法薬の調合とは非常に神経を使う作業であり、材料や場の状況に応じて的確な手順での処理を施さなければならない。


 作成の自動化など到底不可能。便利な魔法薬などが市場に多く出回らないのは、そういう所に理由があるのだ。   


 ただ、基本的である分、材料や調合手順はいたってシンプル。材料の処理と要所の手順さえ押さえていれば、調合自体はさして難しくない。質を問わなければ中等部生でも作製は可能であり、ある程度の質を問われても落ち着いてやれば普通にこなせる……筈。


「おいローレン。そっちの深緑石、潰しが甘いんじゃないのか? それじゃあ主成分を抽出出来ないぞ」

「貴方の方こそ。材料の分量調整間違えたら全部台無しになるんだから、しっかりやりなさい」


 小言を言い合いながらも、二人は他の生徒達と同じように何とか調合を進めていく。


 巡回している講師と助手の丁寧なアドバイスも受けながら、本来は一人でこなすところを手分けしてやっているので精神的余裕が生まれ、作業も落ち着いている。


 (ゆる)過ぎるように見えるが、これは試験では無い。そもそも今回の補講実験、完成品の出来を見るよりも、実験そのものに慣れさせることで基礎的な調合手順を身に付けさせる意味合いの方が大きいのだ。


「あ、こら! 混ぜる力強過ぎ! ちょっとは加減しなさいよ!」

「うっせぇな! だったらテメェがやれっ!」


 コイツら一周回って逆に仲良いんじゃ……呆れた周囲の者達がそう思ってしまう程に、アクト達は終始ああだこうだぎゃーぎゃー騒ぎながらも、調合は着々と進んでいって……


 ……完成品の提出、成績評価、実験道具の片付け、その他諸々の後始末を終え、全てが終わる頃にはすっかり日が傾きかけていた。


「……」

「……」


 歩く、歩く、魔導セキュリティーが起動する一般生徒の最終下校時刻寸前で人の居なくなった校庭を無言で歩く。苛立った様子のローレンが足早に歩き、アクトがその背中を無言で追う。


「……ああもう、付いて来ないで!!」


 そして、背中に突き刺さる無遠慮な視線にとうとう耐え切れなくなったローレンは、ばっ、と勢いよく振り返って叫んだ。


「仕方無いだろ。途中までは帰り道、同じなんだからよ」

「だったらもっと離れて歩きなさい! 貴方と組んで調合した『治癒薬』の出来も、お世辞にも良いものじゃなかったし、もう最悪……」


 ローレンの言う通り、二人が協力して調合した魔法薬はあまり良い出来ではなかった。アクトは純粋な知識と経験不足、ローレンは意外と手先の不器用さなどが祟って散々……それでも、彼らが個人で調合した物よりは上出来ではあったが。 


「……」

「……」


 がらんと静まり返った校庭を無言で歩く中……再び自身の背中に突き刺さる無遠慮な視線。それを感じ取ったローレンが、うんざりした様子で振り向かずに問う。


「……今度は何よ?」

「いや、な。補習の時も思ったけど、お前と一対一(サシ)で話すのは初めてだなって」


 普段の生活において、アクトはコロナやリネア、エクス、マグナを始めとした馴染みのある者としか話さないし、何かと理由を付けてローレンと口論になる時も、いつも周囲には誰かが居た。


 だから、こうして二人だけの空間となった今、いつもなら聞けない事も改めて聞けるというものだ。


「どうして俺をそこまで嫌うんだ? 俺に何か恨みでもあるのかよ?」

「っ……別に、そういう訳では無いけれど。最近は少しマシになってきたようですが、貴方のような不真面目な生徒を、クラスの委員長を務める者として認めることなど断じて出来ません!」

「ふーん……そんなもんか」


 一瞬、ローレンが強張った声音で言い淀んだ事に気付かず、アクトは彼女の言葉をさらっと流すことにした。本当に聞きたい事が別にあったからだ。


 そうこうしているうちに、二人は学院がある丘陵地帯を降り、麓に広がるオーフェンの主街区へと下りた。


 夜の帳が空を覆いつつある街の建物からは、温かな人工の光が窓から漏れ、街路に立つガス灯には火が宿り、昼間とは違った活気が顔を出し始めている。


 仕事帰りなのだろう、一様に疲れた顔をして家路につく人々とすれ違いながら、アクトはローレンの背中を追い続ける。そして、再び話を切り出した。


「……それと、お前には前からずっと聞きたい事があったんだ」

「貴方に喋る事なんて、何も無いわ」

「そう言うなって。こっちにも色々と事情があるんだよ。とりあえず、一つだけ聞いても良いか?」

「……はぁぁぁ。それに答えたら、私の後ろから消えてくれるのなら良いわよ。何?」


 いい加減にしてくれと言わんばかりに、それはそれは大きな溜め息を吐いて続きを促されたアクトは、ずっと心の奥でしまっていた疑問をローレンに投げかけた。


「じゃあ一つだけ。ローレン……お前、何でコロナの元を離れたんだ?」

「……!」


 直後、ローレンの歩みが止まった。前方を歩いているので表情を窺い知ることは出来なかったが、震える背中越しに、彼女に強烈な動揺が走ったのをアクトは逃さず見抜いた。


 アクトはずっと考えていたのだ。ローレンが五人目のメンバーとしてチームに残っていれば、もっと楽に「校内選抜戦」を勝ち抜けただろうと。彼女もコロナに負けず劣らずの実力者、自分達に彼女の力が加われば、彼の学院最強チームにだって負けることは無いだろう、と。


 去年、ローレンがコロナの結成したチームに所属していた事は知っている。そして、「校内選抜戦」の途中で惜しくも敗退した直後、あっけなくチームから脱退してしまった事も。その理由をリネアに聞いても何故かはぐらかされるし、並々ならぬ理由が二人の間にあるのだろうと思って、深くは追及しなかった。  


 ……だが、最近この生活にも慣れてきて、周囲の人間関係をじっくり把握する機会があった。そこでふと、アクトは普段のコロナとローレンの態度に違和感を覚えたのだ。


 理由を明かせないような仲違いをしたにしては、二人の態度は距離感があまりにも妙だった。疎遠な関係にはなっているようだが、互いに嫌っている訳でも無い。その妙な距離感を良しと割り切って、それに甘んじているような、薄っぺらい謎の関係――


「最初は考え過ぎだとも思ったが……その反応を見る限り、やっぱりただの仲違いじゃ無いんだな? コロナ達には言わないから、よければ教えてくれないか? お前が何を思って、コロナの元を離れたのかを」

「……」


 これは単なる好奇心では無い。アクトは約束した。コロナの力となってチームを「若き魔道士の祭典(フェスタ)」優勝に導き、彼女の願いの成就を支えると。それを確実に為すべく、ローレンに残された万が一の可能性を引き出すべく揺さぶりをかけているのだ。


「どうしてなんだ?」

「……」


 曇りなき真剣な眼差しで迫るアクトの問いに、ローレンは背を向けたまま俯いて押し黙り……


「……私は」


 ……やがて、ずっとせき止め続けてきた感情の堤防が決壊したようにアクトの方へと振り返り、今にも泣きだしそうな程に表情を悲痛そうに歪め、


「お、おい?」

「わ、私は――」


 その口を開きかけた――次の瞬間。


「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――ッッ!!?」


 身の毛もよだつような女性の甲高い悲鳴が、街中に響き渡った。


「「――ッ!?」」


 どう考えてもただの悲鳴では無い。理解し得ない想像を絶する恐怖と遭遇して正気を砕け散らした者の、喉の奥底から吐き出された魂の絶叫であった。


「あーもう、何でこうタイミングの悪い時に!?」

「言ってる場合!? 行くわよ!」


 妙な雰囲気が漂い始めていた空間をぶち壊にされ、我に返ったアクト達は、迅速に悲鳴が生じた方へと急行するのだった。


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