表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔導帝国の英雄譚 〜そして少年は英雄になる〜  作者: 愚者
1章 学院生活編(上)~魔法嫌いの剣士~
4/131

02話 ガラード帝国魔法学院

作中、この世界独特の単位「メトリア」が出てきますが、メートルだとお考えください。本作は数字は漢字で表記していますが、特殊な場合に限り数字で表記させていただきます

 

 噴水広場から全速力で走った三人は残りの道程を凄まじい勢いで走り切り、何とかガラード帝国魔法学院の正門前へと辿り着いた。雄大な装飾が施された門の向こうには、若き魔道士達が切磋琢磨する学院が広がっている。


「はあ、はあ…な、何とか辿り着いたわね…」

「う、うん。こんなに全力で走ったのは久し振りだよ……」


 荒い息を吐きながらコロナとリネアは正門前で一度休息をとる。時刻はかなりギリギリだが、この調子なら始業の鐘が鳴るまでに教室へ行けるだろう。


「大丈夫か二人共?」


 息も絶え絶えな二人娘を心配するアクトはと言うと、少し息は荒げているが、かなりけろっとしていた。彼女達と全く同じ道を通ったのにも関わらずだ。


「な、何でアンタはそんなに元気なのよ…」

「す、凄いねアクト君。身体つきで分かったけど、相当鍛えてるよね?」

「って言っても、実際そこまでの距離じゃなかっただろ? むしろ、お前らが体力無さ過ぎるんだよ。……ん? そういえば、お前らって何時もこんなギリギリに時間に来てるのか? 今日はそっちの赤髪ツインテールが俺にぶつかってかなり時間を食われたけど、それが無くても結構ギリギリなんじゃないのか?」


 アクトの問いに、眉間に皺を寄せたコロナが答える。


「誰が赤髪ツインテールよ。勿論、何時もは余裕を持ってもっと早めに出てるわよ。でも、今日に限ってリネアが寝坊しちゃってね。それで急いでたのよ」

「あはは…最近気に入ってる本があってね。夜更かししてたら寝坊しちゃたんだ」

「へー、意外だな。俺はてっきりコロナが寝坊したものかと」


 本当に意外だとアクトは思った。まだ出会ってほんの少ししか経ってないが、先のやり取りを見る限りではリネアにはしっかり者のイメージがあったからだ。


 多少のアクシデントはあったとはいえ、こうも三人がそこそこ親し気に話せるのは道中、必死に走りながらお互い一通り自己紹介をしたからだ。なのでアクトは彼女達の名前を一応把握している。


 赤髪の少女がコロナ=イグニス、金髪の少女がリネア=エルレインと言う名前らしい。彼女達は彼と同い年なのが判明した事もあり、彼らは少ない時間でかなり打ち解けることが出来た(コロナの方は微妙ではあるが)。


「それにしても、近くで見ると凄い大きさだな…」


 遠目から見ても巨大だったが、街のシンボルたる大時計塔は近くで見ると尚一層高く見える。その威容は正に圧巻、初見の者は感服する他無いだろう。アクトには、これがオーフェンの街全てを見守る偉大な守護神にすら見えた。


「ふふん、凄いでしょう。この時計塔は、シンボルとしての役割の他にも様々な計測機器が内蔵されていて、取得した情報を帝都へ送っているらしいわ。後、あそこには帝都の主要施設につながる転送方陣があってね。かなり重宝しているらしいわ」

「へぇー。やけに詳しいな」


 まるで自分の事の様に胸を張って自慢するコロナ。まあ、張れる胸はどうしようもなく小さいが。それを指摘すると今度こそ消し炭にされかねないので黙っておく。


「コロナは時計塔に登って街を見るのが好きなんだよね。最近は一週間に一回は来てるでしょ?」

「ちょ、リネア!?それ言ったらコイツにアタシの博識ぶりが披露出来ないじゃない!」

「なんだ。好きで何回も来てたら勝手に覚えてただけか」


 呆れた様な表情を浮かべるアクトの足を、ムキになったコロナがガシガシと蹴りまくる。その二人のやり取りをリネアが仲裁する…何故だか、この流れが今後も続きそうな予感があった。


「そういうアクト君もどうしてこの学院に?魔法の事を知ってる辺り一般人じゃ無いんだろうけど」

「俺か?俺は今の学院長に呼ばれて来たんだ。あのババーーゴホン! あの人とはちょっと知り合いでさ、俺自身も何故呼ばれたのか分からないんだ」


 思わず素の部分が出かけてしまい、空咳でごまかすアクト。それに対する二人の反応は、先程防壁で会った衛兵のそれと似た物だった。


「えっ、学院長って()()?」

「あ、あの方と知り合いって事は、もしかしてアンタって意外と凄い人なの?」


 顔を青くして二人はぶるぶると小さく振るえる。此処まで露骨に怖がられているのはアクトとしても嬉しい事だった。あの魔女が行った所業については自業自得な面もあるのでこうなるのはある意味当然なのだ。


「別に、俺は只の一般人だよ。それより良いのか? 時間」


 アクトの言葉に二人はハッと反射的に大時計塔の時刻針を見上げる。始業開始の時刻まで、後少しだった。


「もう時間無いわ! 急ぎましょうリネア!」

「結局また走らないと駄目なんだね……」


 焦りを滲ませたコロナが、リネアを引っ張って走り出す。折角頑張って作った時間が無意味になった瞬間だった。アクトはそんな二人の後ろ姿を見送る。


「じゃあ、勉強頑張れよー」

「うん、じゃあねー!」

「本当はもう会いたくないんだけど……アクト=セレンシア! 今度会ったら覚えときなさいよ!」


 しれっと酷い捨て台詞を残された気がしたが、アクトがそれを確認しようとする時には、もう既に二人の姿は学院の中へと消えていた。


「さてと、俺も行くか」


 二人を見送った後、改めてアクトは歩き出す。正門には屈強そうな衛兵にが二人立っていた。どちらも肉体だけでは無い。魔道士としても一流な事が雰囲気で分かった。


 彼らに送られて来た書状を見せ、中に通される。書状を見た瞬間、彼らの表情が青ざめたのは、やはり彼の「大魔女」の名声と畏怖がよく伝えられているからだろう。


(三年前に突然姿を眩ませたかと思えば、今や魔法科学院の学院長様か。どうせアイツの事だ。きっとロクでも無い要件なんだろうけど……まあ、一先ず聞いてから考えれば良いか)


 確認をとった衛兵達によって、正門を抜けてアクトは中へ通される。帝国最大の魔法科学院の土を踏んだ瞬間であった。その時、


 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーンーー


 遥か上空で空気が震えたのをアクトは感じた。そびえ立つ大時計塔の丁度中腹の辺りで大きな鐘が激しく揺れているのが目視出来た。これが二人の言っていた、始業開始を告げる鐘の音なのだろう。


「話は聞いております。校舎内に引き継ぎの者が待機しておりますので、其処までご先導いたします」


 先行する案内役の衛兵によって、アクトは校舎へ導かれる。道すがら、アクトは魔法科学院の、帝国の持つ力の大きさを改めて思い出される事になった。


(中等部の校舎は別の場所にあるらしいが、これは噂以上の規模だな。集団軍事演習用の広大な土地に、最新鋭の魔法研究設備……帝国建国以来の最新にして最古の魔法科学院。魔法を学ぶにはこれ以上無いうってつけの場所な訳だ)


 多少特殊な境遇ではあるが、一学生に過ぎない彼らにこれだけの設備を与えられているのは、ひとえに魔法科学院そのものの校風が故だろう。


 完全実力主義のガラード帝国魔法学院は、才能・意欲のある者が優遇され、逆に無能・意欲無き者には非常に厳しい。何しろこの学院は帝国で唯一国が主導となって援助が行われている魔法科学院、当然、それに使われているのは国民の血税だ。使えない人材に払う資金は無いのは道理だ。


 学院の造りは少々特殊だった。天まで届くと錯覚してしまうような大時計塔を中心に、その周りを校舎が囲んでおり、残りの場所に他の施設が密集しているといった感じだ。


 辺り一面を人工芝に囲まれた歩道を抜け、アクトと衛兵は複数ある校舎の内の、一番高い建物に入って行く。


(もしかしたらと思ったら、校舎の方も現代式に改築されてるのか)


 校舎内には最新の現代建築技術が施され、綻びの一つも見られない。数ある魔法科学院の中では一番古い由緒正しきこの場所は、つい最近出来たかのように新品同然だった。


 此処は職員用の建物なのか、教室の類は存在せず、代わりに幾つもの部屋が設けられていた。内部の様子は見えないが、恐らく中は学院講師の「工房」なのだろう。此処で教鞭をとる教師は全員が選りすぐりの高名な魔道士だ。彼らはそれぞれ自分の研究室を持っており、其処で魔法の研究を行っている。最新の設備が揃うこの学院は、彼らの拠点としてはうってつけの場所だ。


(魔法なんてロクでもないもんを学ぶ為に、政府は一体どれだけの金を使っているんだ?此処の生徒には申し訳ないが、こんなのに金かけるぐらいならもっと他に使うべき事があるだろう……うっ!?)


 これがもっと普通の学校だったなら、アクトも文句は無かっただろう。教育熱心なのは良い事だし、その為にお金を使うのも当然の使い道だからだ。だが、この教育施設で学生達に教えられている物は、彼が今までの生涯の中で最も忌み嫌う「人殺しの技術」だった。そんな物の為に国の金を使うなど、彼からしてみれば正気の沙汰では無い事だった。


 その時、異変は起こった。


「どうかしましたか?」


 突然背後で起こった異変にいち早く気付けた衛兵が振り返った先には、片膝を地面につきながら荒い息を吐き、頭を痛そうに抑えるアクトの姿があった。

「だ、大丈夫ですか!?いきなり何が…」


「はあ、はぁ…ぐうぅ…!」


 衛兵の呼びかけにもアクトはただ頭を抑えて苦しそうに呻くだけだった。助けを呼ぼうとしたのか、慌てたように彼は小走りで何処かへ去っていく。その場にはアクト一人だけが残された。


(ま、マズイ! 蓋が……!)


 脳裏に蘇る、もう二度と思い出したくなかったあの光景ーー荒れ果てた草原、時には木々生い茂る薄暗い森の中や険しい岩山…乾いた風の戦場、右へ左へと乱れ飛ぶ超常の暴力、次々と倒れる仲間、其処ら中から漂う酷い死臭……そして、その地獄を剣一本で駆け抜け、自身の傷にも構わず、必死に、次々と敵意を向けて来る人間を斬り殺す自分ーー


(こんな時に……ッ!)


 アクトは必死に心を鎮めようとするが、治らぬ心臓の鼓動、滝の様に流れる汗…固い棺に閉じ込めていたはずだったかつての記憶が隙間から少しずつ漏れ出し、彼の心を少しずつ濁らしていく。


「クソがッ!こうなったら力づくでも…!」


 気力を振り絞ったアクトは左腰に挿した鞘から自身の愛剣を引き抜く。飾り気が一切無く見栄えが悪いが、一点の曇りも無い白刃は素人が見ても一目で業物と見受けられる程研ぎ澄まされており、また一つの刃こぼれも無い。


(怪我は必至だろうが背に腹は変えられない! 覚悟を決めろ!)


 アクトの行為は、自傷することで痛みで無理矢理意識を覚まそうという魂胆だった。危険極まり無い行為だが、今の彼に別の方法を考える程の余裕は無い。頭の中にあるのは、一刻も早くこの血塗られた記憶を忘れたいという願いだけだった。


 自分を自分の手で傷付けるという初めての行為に、腕の震えが止まらない――そんな時だった。


「貴方が、学院長が呼んだという御客人ですか?」


 きっとこの出会いが無ければ、アクトは剣を自分に向けて振るい、少なからず傷を負っただろう。突然聞き覚えの無い声がしたアクトが何とか重い首を持ち上げた先には、一人の女性が立っていた。コロナとリネアが着ていたのと同じ制服、つまりは学院の生徒だ。


「あ、アンタは……」


 アクトより年上だろうか。大人の女性が持つある種の魅惑をこの女生徒は持っていた。美しい紫色の長髪に、理知的な翡翠の瞳……非常に均整の取れた体つきに、服装の下は鍛えられた肉体が広がっているのが分かる。この女性も彼女らに負けず劣らずの美女だった。


「まぁ、そんな物騒な物を持って何をなさって……あら、顔が真っ青ですよ。私が対応しろと言われた相手というのは、貴方ですね。その調子だとまともな会話も出来なさそうですし、少し失礼します」


 そう言って、女生徒は苦悶に呻くアクトの傍に寄って膝を付くと、彼の頬を両手で包む。


「【汝に光あれ】」


 奇妙な言葉――呪文(スペル)を唱えた次の瞬間、彼女の両手が光りだし、その光はアクトに体に伝っていき、濁った彼の精神を少しずつ浄化していく。


「ぐっ……」


 意識が鮮明になる頃には、脳裏に蘇った記憶は綺麗さっぱり消えており、彼が心の奥底に作り上げた棺に戻されていく。


「かなり精神的に疲労しておられましたので勝手に《精神浄化(クリア・スピリット)》をかけさせてもらいました。まだ気分は悪いですか?」

「……いや、問題無い。助かった」


 落ち着いたアクトは剣を鞘にしまい、何とか立ち上がる。一瞬フラッとしたので女生徒に手助けをしてもらった彼の心中は、実に穏やかでは無かった。


(情けなねぇ……自分が忌み嫌っていた魔法に二度も助けられるなんて……)


 「師匠」は言っていた。自分は昔に比べてずっと弱くなったと。それが何故なのかは教えてくれなかったが、その理由を知るのも兼ねて、アクトの現「師匠」はこのオーフェン行きを強く推したのだ。


「どうかしましたか?」

「……いや、ちょっと考え事をしてただけだ。それより、改めて礼を言わせてもらいたい。ありがとう」

「いえ、客人をもてなすのは我々『生徒会』の役目ですので。それと、申し遅れました。私はこのガラード帝国魔法学院『生徒会』の副会長を務めておりますシルヴィ=ワインバーグと申します」


 女子生徒――シルヴィはロングスカートの裾をつまんで社交的な挨拶をする。彼女の所作の一つ一つはまるで手本のように極めて美しく見えた。かなり手慣れている様子だ。


(生徒会、か。この学院にも一応そういう生徒が中心の組織はあるんだな。ん、ワインバーグ? 何処かで聞いたような……)


「では行きましょうか。学院長がお待ちです」


 直ぐそこまで出かかっていた答えは流されてしまったが、アクトはそれ以上追及する気は無かった。


 何処かへ行ってしまった衛兵に代わり、アクトはシルヴィの後ろを付いていく。やはりこの建物は職員棟らしく、道中、何人かの職員とすれ違った。アクトの目には、その誰もが熟練の魔道士である事が分かる。


「あまり驚かないのですね」


 突然、今まで無言だったシルヴィが振り向いて話しかけて来る。


「何がだ?」

「この学院の事ですよ。大抵の方は学院の設備の規模に辺りを見回すものですが、貴方はあまり動じていませんね。先程はどうしてあそこまで疲弊していたのかは謎ですが、学院長の客人ですし、私の目からしても貴方からは強い魔力を感じます。魔法にも詳しく、未知の場所にも慣れているとお見受けしました」


 そこまで見透かされていたのか? とアクトは警戒心を高める。この僅かな時間の中で目の前の女生徒は自分の技量をある程度見計らったと言うならば、心中穏やかではいられなかった。だが決して顔には出さず、ごく自然に返答する。


「別に、ある意味予想通りって感じだな。大時計塔の威容には流石に驚いたけど。それと、俺は魔法は詳しいけど魔法が大嫌いなんだ。俺からしてみれば、あんなロクでもない物を極めようとしてるアンタ達のほうが恐ろしく見えるよ」

「……なるほど」


 流石に言い過ぎたか? 素の部分が出てしまった。優れた魔道士を目指そうとする彼らにとって、今のアクトの言葉はそれを真っ向から否定する言葉に他ならない。地雷を踏んだかもしれない事を後悔する。


「確かに、一般人からしてみれば私達が学んでいる物は、私達自身が思っているほど高尚な物では無いのかもしれませんね。一つの意見として参考にさせてもらいます」

「……」


 反論されるのは覚悟していたが、そんな反応をされるとは思っていなかった。単に怒りを抑えているのか……彼の意見を飲み込めるという事は、魔法が持つ「裏」の側面をシルヴィは少なからず把握しているからなのか。どちらにせよ、これ以上の不用意な発言は憚られた。


 その後、階段を幾つか登って二人は最上階へとやって来た。この職員棟は、通常の四角形的な建物の上にそれの半円形の建物が乗っかっている形となっていた。二人が居るのはその円形部分で、威厳に溢れた大扉が一つ目の前にそびえ立っていた。


「此処が学院長室になります。少しお待ちください」


 アクトはその場で一歩下がり、前に出たシルヴィが大扉を大きくノックする。


「エレオノーラ学院長、御客人をお連れしました」

 僅かな間の後、扉の向こうから「入れ」とトーン高めの女性の声が聞こえた。それを確認したのと同時に、二人は中へと入っていく。

「……ッ」


 そこはまるで、別世界だった。内装がどうのこうのでは無い。根本的な「雰囲気」が外の世界とまるで違っていたのだ。現代的な建築的美術が施された造りのそこそこ広い室内には様々な格調高い調度品が置かれ、床には豪華そうな絨毯が敷かれている。


 他にも小難しそうな分厚い本が入った大量に本棚がいたる所に設置されている。天井には豪華なシャンデリアが怪しく光り、締め切られたカーテンによる暗さも相まって、部屋全体が独特の妖しさと絢爛さを醸し出していた。


 だが、そんな空間でさえ、この部屋の「主」を引き立てるにはあらゆる物が欠落していた。


「――来たか」


 奥に設けられた執務机に座り、何か書き物をしていたらしい女性――彼女の美貌を表現するならば、「妖艶」の二文字が相応しい。波打つプラチナブランドの長髪に、妖しさを灯した血の様な赤黒の瞳、女性として完全に完成された蠱惑的な肢体を少し露出度が高めのスーツで包んでいる


 二人を流し目で見つめる女性こそ、このガラード帝国魔法科学院学院長であった。


 そんな人物に見つめられたアクトの額には、何時の間にか大量の冷や汗が浮かんでいた。それは何故か? 答えは、隠そうとしても隠しきれていない圧倒的な存在感と魔力を目の前の人物は放っていたからだ。この女性の気迫の前では、自分など足元にも及ばない只の塵芥だと錯覚してしまう程に。


(はは、マジかよ。三年も経ったお陰ですっかり忘れてたぜ。コイツは掛け値無しに正真正銘の「怪物」だって事をよ……!)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ