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悪夢で回避

作者: 居睡秘芽

とりあえずさらっと読んでください。

微笑ましい感じの内容で、ストーリーの山場はないです。


「いや~~そんなの~~~どうして。。」


隣で寝ていた最愛の妻が突然悲痛な声をあげて泣いているのに目が覚めた。


「いったいどうしたんだい?

大丈夫だよ、僕が付いているじゃないか?

何か怖い夢でも見たのかい?

悪夢は口にするとスッキリするよ。

話してごらん。」


ちなみに僕はサンムーニ帝国の皇太子で名前はアーサー・ソル・サンムーニという。

そして先ほどから隣で泣いているのが僕の最愛の妻で皇太子妃のサンフラウ・ルーン・サンムーニ、現在臨月を迎えている。


母親のお腹の中が居心地が良すぎて予定日を越えているため、常に治療師、助産師は待機させている。

先ほどの声に反応して待機していた侍女がドアをノックして中の様子を伺うように姿を現したので問題ないことは伝えたがびっしょりと汗をかいているため着替えと湯汲を指示した。


すぐに彼女は隣の部屋に移りさっぱりと汗を流し新しい寝間着に着替えさせられ僕の待つ寝室に戻ってきた。


まだ外は暗く、朝には程遠い。

寝る前に先ほどのことを彼女に聞くとまた思い出したように大粒の涙を浮かべて話し出した。


「お腹の子は男の子で、その子が大きくになるにつれて馬鹿王子になるのです。

成績も下から数えるくらいに、でもそれを誤魔化すためにいろいろ手を回したりして私たちの前ではまだいい子を演じようとするのですが、それでもボロが出てしまっていて、

このままではまずいということで優秀な婚約者を付けることで立ち直らせようとするのですが、

いつの間にか貴族成り上がりの娘に心を奪われて婚約者に冤罪にも拘わらず婚約破棄したあと修道院行をきめて、その日のうちに送ってしまうのです。

それも私たちが国から離れているときにです。

戻ってきてそれがわかり貴方がお怒りになり廃籍にしたのち地下牢に入れてしまうのです。」


そのあとはどうも夢の中でも気絶してしまって目が覚めたということらしいのだが、彼女曰くとても現実味があって心配でたまらないという。


「まずはそうだな。。

夢の中の息子の名前は何だったんだい?

違う名前を付けることから始めよう。ね」


すると彼女は首を傾げて考えるのだがどうも名前は覚えてないようだ。

体のことも考えてとりあえず休むことにしたのだがそれから数時間すると陣痛が始まったのだけれど、どうも出てきたくないようで結局産まれたのは日付が変わってからしばらくしたころにようやく産声を上げてくれた。


とても可愛い男の子で、私のプラチナブロンドと彼女のアメジストの瞳を受け継いだ色白の子だ。

彼女は母乳をあげるとすぐに疲れて眠ってしまい、乳母たちに子供をたくした。


僕は朝になるとすぐに元の日常に戻り仕事をしていた。

対面した息子に指を握られたことは愛おしいと思うのだがやはり彼女の夢の方が気になり、私なりに教育というものを考えようと思う。


王家はほぼ他人の手により育てられるが、僕の母は子育てに積極的だったため道を外さなかったのかもしれない。

そのことを踏まえて、夫婦でしっかり教育をしていくべきなのではと考えそれを実行することにした。


そしてまた2年がたって第2子をお腹に宿し臨月を迎えたころに前回と同じように悲痛な声をあげて泣いている彼女で目が覚めた。


前回同様スッキリさせてから話を聞くと同じような悪夢だった。


「ジルニスはとっても優秀な男の子になっていてね、次男がいつも兄と比べられることで劣等感を抱いてすごい仲が悪くなるの。

双子の妹はどちらも大好きだから心の病になってしまって弱弱しい女の子になってしまうの。

ジルニスは妹がかわいそうで常にかばってしまうから余計に男の子たちは溝ができて孤立した次男は甘い言葉に惑わされて前に見た子に心を奪われてしまうの。

それでその子にそそのかされてジルニスを殺そうとするのよ。

止めようとしたんだけれど止められないで、、、うううううう」


「え?ちょっとまって、双子なの??

じゃあ、夢と違うじゃないかな??双子なら検査の時に分かったはずでしょ?

大丈夫だよ。

うん、まあもし双子でも前回同様手を打てば変わるってことだから、僕に任せれば大丈夫。

夢だって変わってるんだからね、安心して、今は休もうね。」


その後一日は何も起こらず日付が変わるころ陣痛が始まり明け方に男の子と女の子が誕生した。


僕は彼女の不安を取り除くため教育には直接夫婦で積極的にかかわるだけでなく、3人を絶対に比べないように心掛けた。


長男のジルニスは本を読むのが大好きな子で、5歳の時には学者が読むような専門書にも手を出していた。

次男のハリュウスはプラチナブロンドでアメジストとブルーのオッドアイであり、芸術にたけていて絵画はもちろん、音楽にも才能を発揮した。

どちらも剣術など護身術はそつなくこなして運動神経もよい。

そしてどちらも支えあってとても仲のいい兄弟になっているのだが問題としては極度のシスコンなのだ。

長女のシャロンは母のゴールドの髪を持ち、僕の空色の瞳を持つとっても美少女に育っている。

とてもしっかり者で、一番の努力家なのが彼女だ。

特に何がずば抜けて能力があるというわけではないのがすべてにおいて努力のたまものである。


そして兄妹そろって美男美女なのだ。

まあ僕と愛する妻の子供たちだから当たり前だとは思うけれどね。

社交界デビューの時はずば抜けているように見えたのは親のひいき目だけではないとおもう。


10歳でデビューを果たして以来婚約者候補として多方面から話が出ているのだが政略結婚は考える必要がないと判断したので子供たちに任せることしている。


ただし、息子たちには女の恐ろしい面をしっかりと教育をしている。

娘に関しては嫁に行かなくてもいいよと言っているし、息子たちも簡単に結婚など許すようには見えない。


学園に入るころには愚息の要素は薄くなってきているので妻は少し安心したようだが何があるかわからないため常に子供たちは監視をさせている。


それだけではなく。。。。。



「学園に入学するからには学園の規律を乱すことをしないように、しっかり監視していることを伝えておく。

それともし不当な扱いなどがあった場合は生徒たちに頼らず必ず教師に相談すること。

生徒同士のもめごとを起こすことで貴族社会では評価を下げることにつながる。


また生徒同士で解決させようと誘導した者は規律違反となり処罰対象になるため気を付ける事、よろしいですね。」


必ず学園に入るときに注意事項として念を押されるようになっている。

これは編入者にも当てはまること。

特に国からの指示として編入者には規律に関して厳しくするように告げている。



「ハリュウス様~私、、仲良くしてくれる方が居なくて、、、そばに居てもよろしいですか??」


編入してきた男爵令嬢が第二王子を見つけるなり駆け寄って話しかけた。


「君は仮にも男爵家だろう?貴族のマナーが守れないものを殿下のそばに近づけるわけ行かないに決まってるだろう!

下がりなさい!」


「それはおかしいですよ、学園は身分に関わらず平等に学ぶところだと伺ってるんですよ~

それなのにダリウス様の発言はおかしいと思います。

皆さんもそう思うでしょ?」


「君、今日初めて僕たちにあったはずなのに、なんで殿下やダリウスのことを名前で呼んでるの?

そもそもそれがマナー違反だって言ってるんだよ。

この編入時に言われなかった?規律を守れって?

そういうことも含まれているんだよ。

悪いけれどあまりにひどいから僕から学園側に報告させてもらう。」


「ネルソン様までなんでそんな冷たいことを言うんですか?

皆さんおかしいです、、どうして、、そんなに冷たいんですか??

ただ皆さんとお友達になりたかっただけなのに、、、ひどい。。」


涙を浮かべて訴える男爵令嬢だが誰一人彼女の味方をしようとしない。


「先生、こちらです。王子に絡んできているのが彼女なんですけれど、名前で呼ぶことも許してないのに馴れ馴れしく話しかけるだけでなく身分関係ないわけだから友達になれとしまいにはこちらを悪者にして涙まで流して同情を買おうとしてるんですよ。

女性だから拘束もできないし、あとはお願いします。」


「ありがとうございます。ダリル殿。殿下やその他側近の方々ご迷惑をおかけしました、あとは学園で対応を致しますので、教室の方にお戻りください。


マチルダ嬢、先ほどあれだけ説明してこれですか?

しっかりお話をいたしましょう!」


「え、なんで??ちょっと、、こんなに知らない!!

ハリュウス様助けて~ねえ、だれか~~」


「また名前で!黙りなさい! 他の方に迷惑です!いらっしゃい!!」



編入一日目にして問題を起こし3日間の特別カリキュラムを受けることになった。

その間に、私はヒロインなのよ!こんなイベントなかったわよ

とわめいていたので心の病か洗脳が疑われたため、そのまま退学となり修道院管轄の病棟に永久入院となったようだ。


その後何事もなく王子や側近たちも卒業し立派に国の重要ポストを任される者たちになった。


ただし、末娘が好きな人ができて結婚の許しを求めて家族に紹介したときは悪夢を見ているようで、何度も自分の顔を殴って目を覚まそうとしてしまった。


息子たちは絶対に許さない、私たちを倒してからにしろと今にも切りかかろうとしていたのだが、


「彼のことを知りもしないでひどいです!兄上たちなんて大嫌いです!兄妹の縁を切ります!!!」


と言われて灰のようになった。

すでに彼のことは調べていて何も人間性にも家庭的にも問題がなくあえて言うならこの国の者ではないということだけだった。


この国より大国の皇太子で、側室など作らず一人だけを愛するとまで契約書まで持ってきたほどだったので、娘のおかげで同盟を結べたのは男家族の涙のたまものであるのはまた別のお話である。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 最後のオチ?で今まで奥さんの悪夢にしっかり対策してきた陛下が自分の頭殴りながら愛娘の結婚から現実逃避してるのがめっちゃおもしr…いえ、すごくたのs…いえ、その、とってもお気の毒でした。ええ…
[良い点] 素晴らしい! 奥さんの夢の話を聞いてちゃんと対策をするなんて普通ならやらないですよね^_^ [一言] 転生ヒロイン、活躍する事も無く病院送りですかΣ(゜д゜lll) まぁ、まともな貴族な…
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