俺達の前に週末の4騎士が現れました。
東京タワー内部に入ろうとしたLinkerたちだったが、突如その目の前に立ちはだかるものが現れた。
「よく来たな星の子らよ」
「だが、貴様達の旅はここで終わるのだ」
「ククク、さあ絶望するがいい」
「この先へ進めるなどと思うでないぞッ!」
4人の死神が、週末の4騎士がLinker達の行く手を塞いでいる。
「……えっと、そういうロールプレイですか?」
「クカカカ……その方が盛り上がるかなって……」
「スルーされると悲しいから、少しでいいから付き合ってもらおうか……」
「我らと戦うとかそういうのはないんで安心して適当に合わせてほしい……」
「はあ……」
正月は週末ではないのだがその辺は大丈夫なんだろうかと思いつつも、4騎士の言葉に3人は従う事にした。
「クッ、まさかこんな場所でこいつらと出会うだなんて……!」
「我々の戦力で敵う相手ではない……一体どうすれば……ッ」
強敵の登場に絶望する演技をしている2人。そこでLinkerが2人の前に立ち、盾を構える。
「2人には、この俺が手を出させないぞ!」
「威勢のいい事だ。だがしかしお前たちのような貧弱な者がどれだけ我らの攻撃に耐えられるか」
「ククク、互いの力量差に絶望させながら殺してくれようではないか」
「いいや、そんな事はさせない!」
「この声は!」
Linkerが振り向くと、そこには全身に鈴を付けたアバターの男、ベル・ウッドマンが立っていた。
「ここはボクに任せて君たちはバアルの元へ向かうんだ!」
Linkerの前に出たベルは、4騎士と対峙する。
だが、その言葉に素直に従う事は、Linkerにはできなかった。
「そんな……それだとベルさんが!」
「いいんだ。元々この展開で君たちにはバアルのいるマップに行ってもらう予定だったから」
「あ、えっと……じゃあ、わかりました、はい」
素なのかなんなのかよくわからないが突如ロールプレイを中断してそう言うベルに困惑しながら3人は4騎士をすり抜けてタワーへと入って行った。
場にはベルと4騎士だけが残され、このままロールプレイも終了するかと思われたが、3人がいなくなった後もまだ続けられていた。
「ククク、随分と格好付けた真似をするではないか」
「だが我らの力の差はお前自身もよく知っておろう」
「1対1でもまず勝てはしまいに4騎揃った我らを相手にどう立ち回る気かね?」
「ハッハッハッ、確かにベル君1人では無理だろうね」
絶望的な戦力差のベルの横に、笑いながら立ち並ぶ影が現れた。常に笑顔を忘れない、股間にモザイクのかかった彼は、ベルも良く知る人物。
「モロダシおじさんさん……!」
そして、現れたのはモロダシおじさんだけではなかった。続くように2人、ベルに並ぶ。
「俺もいるぜ!」
「あずき蕎麦ちゃんさん!」
「そして俺もだ」
「誰だお前!」
プレイヤーネームである。基本敬称を付けて他プレイヤーを呼ぶベルだが、誰だお前というプレイヤーだけは本人の希望で呼び捨てにしている。
「これで数の上でだけは我らに並んだ、というわけか」
「だが、数だけで我ら週末の4騎士に敵うものかな」
「数だけじゃないさ。ボクらの友情の力で、お前たちをここで倒してやる!」
ベルは現れたランカー3人とパーティを組んで4騎士に決闘を申請した。それが承諾され、4体4の戦いが始まる。
「いくぞ、週末の4騎士!」
「さあ来るがいいベルほか3名!」
こうして、Linkerらの預かり知らぬ所で一つの戦いが幕を開けた。
途中のロールプレイはある程度流れを決めていたが、この決闘だけは完全アドリブ、最終的にどちらが勝つかは決まっていない。
Linkerのバアルへの挑戦を盛り上げようと偶然近くにいた彼らが始めたロールプレイの結末やいかに。……というのは、また別の話。




