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俺はVRMMOで男と結婚する事になりました。  作者: カイロ


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俺はマスコットキャラの正体を知りました?

「リン、見ろよこれ」


 学校について早々に凛花はスマホの画面を突き付けられた。

 やけに興奮気味の進太郎に言われるがまま見てみると、そこにはSNSにアップロードされた1枚の写真が映っていた。

 が、特に面白味があるわけでもない。ごく普通のお菓子の写真だ。


「このドーナツがどうかしたのか?」

「どうって、ほらコメントとこれを投稿したアカウント! よく見てみろよ」


 そんなにすごい事でもあるのか? と首を傾げながら写真に付け加えられたコメントを読むと、それは凛花もよく知る店の商品であった。


「うわ、これみそドーナツか」


 そう、あのシュガーフェストのドーナツ。食べられなくはないが、味噌の風味が非常に強かったのが凛花の舌にも想い出としてこびりついている。

 凛花の印象はともかく、写真をアップした人物には好評なようだ。そして、このアカウントも一度だけ見た事がある。


「しかも、これを呟いたのはあのミリスちゃんだ!」


 ミリオンスターワールドの公式マスコット、ミリスちゃん。

 自社のゲームよりケーキの宣伝の方が多いアカウントだったので凛花はスルーしていたが、まさかあんな店にも現れるとは。

 ケーキ以外も食べてるんだな、と凛花は感心した。いや、当たり前ではあるが。


「まあ近所に俺らのやってるゲーム関係の人が来たらちょっとはテンション上がるだろうけど、そこまでじゃないだろ」


 今だ興奮冷めやらぬ様子であった進太郎を落ち着かせようとするが、更に続いた言葉に凛花も驚く。


「いやいや、この写真がアップされたのはリンがドーナツ買って帰ってきた間の時間なんだよ! リン、もしかして店で会ってるんじゃないか!?」


 投稿された時間を見ると、確かに先日凛花がシュガーフェストへ行った時間であった。

 進太郎はどんな人だったか、と聞いてくるが、あの時間に店の中にいた女性は店員くらいだ。

 となるとあの店員がミリスちゃんなのだろうか? いやいやあのアカウントは凛花が見た限りではケーキばかりでドーナツなんてなかったはずだ。たまにしか自分の店の商品を宣伝しないなんておかしいだろう。

 いや、しかしあの店の店員ならおかしくはないかもしれない。普通に他店の宣伝とかしそうだ。

 まあ、そもそもドーナツ屋兼会社員という事もないだろうし、彼女ではないだろう。


「いや……」


 いや見てないよ、と言おうとして、もう一人凛花以外に客がいた事を思い出した。

 しかも、購入していた商品も一致する。


「見たのか?」

「いや……知らない方がいい」

「そう言われると余計に気なるんだが!」


 そう、みそドーナツを買って行ったあの中年のおじさんが。

 という事は、つまり、これはそういう事なのだろう。

 インターネットにおいて珍しい事ではない。凛花も、まあ、過去に苦い経験があったりもする。

 しかし現実でどんな姿なのか見た事はなかったので、今回の衝撃はより強烈なものであった。

 真実を教えるべきか、とも凛花は悩むが、親友は多分女性だと思っている事だろう。その夢を壊したくはないので凛花は言わないでおいた。

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