俺は週末の4騎士と戦いました。
週末の4騎士の面々は、Linkerらの前までやってくると止まった。
そして、場にいる全員の姿を確認し終えると、高らかに名乗りを上げる。
「我は40度を超える高熱でも会社を休ませてもらえなかった、顔面レッドライダー!」
「我は1週間の平均睡眠時間が1時間30分の、目の下のクマブラックライダー!」
「我は忙しくなってくる期に一斉に社員が会社を辞めてしまい、顔色ペイルライダー!」
「我は職歴ホワイトライダー!」
「「「「4人揃って、我ら社会人専用ギルド週末の4騎士!!!!」」」」
「待て! 最後の奴はホントに社会人か!?」
勝手にまともな仕事してないだろうと思っていた彼ら週末の4騎士は、なんと全員社会人だった。
まあ、確かに会社勤めともなれば週に一度しかログインできないのも仕方ないのだろう。
というか、ある意味4人全員ブラックライダーなんじゃないだろうか。ゲームで遊んでないでゆっくり体を休めた方がいいんでないか、とLinkerは思う。
「気にするな! 我ら4人はあくまでそういう設定のロールプレイ! だからリアル生活は心配しないでくれて大丈夫! どちらかと言えば割とホワイトだ!」
「あ、ああ……そうなんですか」
それを聞いて安心した。真偽のほどまではわからないが、本人が大丈夫というからには大丈夫なのだろう。
いかつい見た目をしていたので恐ろしい人なのかと思っていたLinkerだったが、彼らのノリを見てやっぱり悪役ロールをしてる人ほど良い人というのは本当なのか、と思った。
「まあそれはともかくとしてここで出会ってしまったのが運の尽き、お前達には我らの糧となってもらおう!」
「慈悲も容赦も無く、その首跳ね飛ばしてくれるわぁ!」
「労働環境は良好でストレスなど貯まりようもないが日頃のストレス解消のためにズタズタにしてやろう!」
レッドライダーの言葉に続き、4人の騎士はお揃いの大鎌を手に取る。善悪は別として見逃してはくれなさそうだ。
いまにも襲いかかろうとする週末の4騎士の前に、進化カードが進み出る。
「戦う前に一つだけ聞かせてほしい」
「命乞いならば聞かんぞ、だって我らも星の因子欲しいし。週1でしか遊べないのもホントだし」
「いや、そうではなく……何故お前たちは名にライダーと付きながら馬に乗っていないのだ?」
進化カードの言葉に、Linkerは気が付く。言われてみれば、彼らは騎士なのに馬に乗っていないのだ。
「なるほど、つまりこれはこういう事だね。私たちを殺すのに馬に乗る必要は、本気を出して戦う必要がないと、そういう意思表示なのだね?」
MLGの推論を聞いて納得した。4人の内3人はレベル2桁なのだ。そう言った考えに至ってもおかしくない。
しかし、彼らは一つの見落としをしていると考え、Linkerはフッと笑う。
「だが、そんな余裕でいられるのも今の内だけだぜ! なにせこっちには個人ランキング現在23位のベル・ウッドマンさんがいるんだ! 果たして本気を出さないでいられるかなぁ!?」
「馬に乗ってないのはモンスター騎乗系のシステムを実装していない運営のせいなので……実装されたらすぐ取りにいくんであんまり触れないでいてだけないか」
「あ……ごめんなさい」
相手の事情も知らずに偉ぶってしまった。Linkerはすぐに謝った。
「あと我らは全員ランキング10~13位に入っている」
「ちなみにタイマンだったとしてもボクがガン不利だよ」
「す……すみませんでしたァーッ!!」
オンラインゲームで調子に乗って増長するのはよくある事。悪気がないのもなんとなくわかってくれた4騎士は、素直に謝ったLinkerを責めたりはせず、許してくれた。
彼らの人の良さと悪いと思ったらすぐに謝る事は、やはり大事なのだなあとLinkerは実感したのであった。
まあ、その話とは別に4人はロールプレイの一環として殺されたのだが。




