《キャロ》3
特殊アバター。
ver5.0.0配信により実装されたシステムのひとつだ。
レベルの上限を解放したレアリティ5以上の火器に魂が宿り、もうひとつの肉体を伴い具現化した姿という設定になっている。
要は、銃が擬人化するということだ。
鉄砲までもオカズにしてしまうとは、闇の深い国ニッポンである。
特殊アバターは通常のプレイヤーよりも強力なステータスや技術を備えた者が多く、同時に生きた人間のような意思や思考力を持っていて、うまいこと飼い慣らせれば強力な戦力となる。
つまり、レアリティ5以上の火器のレベル上限解放は、プレイヤーにとってどんな武器を手にすることよりも大きなアドバンテージとなるのだ。
特殊アバターを生み出す手順は、アイテムの『レベル上限解放』そのものがバージョンアップ以前の世界にも存在したので、広く知られている。
まず必要になるのは、上限解放を行うレベルマックス(50)のレアリティ5以上の火器アイテム。
そして、一部の特殊エリアかたまにプレイヤーの商店等でも入手できる解放専用アイテム『解放の結晶』三つ。
最後に必要になるのが、解放を行う火器アイテムともう一丁『同じ名前のアイテム』だ。
この三つを用意することで火器のレベル上限が50から99まで解放され、同時に特殊アバターが生まれる。
キャロはどうやら愛用のレアリティ6のXM8の上限を解放し、特殊アバターとしての体を与えたいらしい。
彼女曰く既に火器のレベリングと結晶集めは済んでいて、あとは『同じ名前の火器アイテム』を揃えるだけだという。
「どんな子なんだろう……男の子かな?女の子かな?あ……でも特殊アバターはみんな女の子って言うし……。おしゃべりかな、それともおとなしい子なのかな?どっちでも仲良くできたらいいな……。生まれてきたら、まずは『今までありがとう』って言って、それから『これからもよろしくね』って言うんです!
はあ……たのしみだなぁ……」
「ああ、楽しみだこりゃ……じゅるっ」
一人で目をきらきらさせているキャロの横で、私は口許をぬぐった。
もしこの鉄砲が可愛い娘に生まれ変わるとしたら、キャロと揃えて私にとっては夢の親子丼である。
これでよだれが溢れない訳がなかろう。
「……でもさ。べつに、解放だけなら無理してこのXM8と全く同じにしなくてもいいんじゃない?ほら、アイテムとしての名前さえ同じなら問題ないわけだし。」
キャロの持っているそれはゲーム内オリジナルのパーツなども含むレア物で、そんじゃそこらのXM8とは訳が違う。
全く同じものを仕入れるにはパーツ毎に地道に集めていくしかないだろう。
だが、そもそも『XM8』という火器そのものは別に入手に困る品ではない。
面倒ならステータスのいい個体を適当に選んで、それにしてしまった方が早く済むと思うのだが。
しかし私の提案に、キャロは頑なに首を振った。
「ダメです!同じじゃないとダメなんです!これだけは譲れません。」
「お、おう……」
ちいさな拳をぐっと握るキャロに、私は半歩身を引く。
ふわふわした娘だと思っていたが、何やら妙なところで強い拘りを持っているようだ。
「一応……理由とか聞いていい?……いや、別に文句とかじゃないけどさ。」
「噂で聞いたんですけど、特殊アバターにとって素材になる火器っていうのはとても重要なものらしいんです!
だから、なるべく受け入れやすいものがいいと思うんです!」
「だから全く同じもの……なの?」
「なんです!確かに、効果のほどは実証されてませんけど、それでもできるだけいい条件で揃えたいじゃないですか!
一生の相棒なんですよ!」
「そうだね……うん、うん。」
私は何となくレミィとキュウの解放の時を思い出してみる。
あの頃はまだバージョンアップ前で、まさかこの鉄砲どもがオトモとして自分の横に並ぶなんて思ってもいなかった。
大した熟慮もなく、適当に手持ちで一番いい奴を選んでくべた気がするのだが……
そう考えると彼女らには悪い気がしなくもない。
まあ今更どうしようもないのですぐに忘れると思うのだが。
「この子のためにも、絶対に手にいれます!」
「愛情だねぇ……」
私は一人燃えている彼女の横で肩を竦めた。
できることなら私もそんな風に愛情いっぱいにご奉仕してもらいたいものだが。
まあ、親子丼までは我慢である。今踏ん張ればきっと美味い物にありつけるに違いないと自分を律した。
「で、私はこれからエリア潜るけど、キャロは?」
「私ももう少し頑張ろうと思います。」
キャロはマグポーチの中身をぽんぽん叩いて確認していたが、突然ひらめいたような顔で私の方を見上げた。
「あ、ミケゾウさん、良かったら一緒に入りましょうよ!スクワッド組んだら同じマップが選択されますから。」
「それはこっちとしても万々歳なんだけど……なんかなぁ……」
スクワッド申請の表示を触りながら、私は斜め上を見上げて苦笑いを誤魔化した。
さっきのさっきで、本当に警戒心というか緊張感のない娘である。
つい、そんな思いが言葉として口をついた。
「あのさ、たまには人を疑ってみるもんだよ?」
「え?」
さっぱりわからないという顔で首を傾げるキャロに、再び苦笑いを隠す。
予想していた反応がそっくりそのまま返ってきたのだ。笑いくらい出る。
本当に、汚れというものを受け付けないというか、てんで理解していないような奴だ。
たぶんこれが幼いということなのだろう。
いつかドブに足を突っ込んでしまうその日まで、世界が汚いものだらけだなんてことには絶対に気が付かない。
まあ、その例えで行くと最も近場のドブは私だろうが。
……と、悟ったような文句でしめたところで、結局最後は美味しくいただく予定の私なのだが。
「さて、じゃあさっさと……」
私は握った左のこぶしを右手でバキバキ言わせる。
出る人入る人でごった返すエリア入り口を眺めながら踏み出そうとしたその時だった。
「嬢!」
私の背中のすぐ後ろで雷が轟いた。
感電したかのように背筋を跳ねさせつつ、私は恐る恐る振り向いてみる。
ああ、忘れていた。
人混みが割れたその先で、目を三角にしたレミィが顔をかちこちにしたキュウを後ろに従えて立っていた。
……どうやら少なからずキュウにも被害が及んでいた様子だ。
いや、今は他所を気にしている場合ではない。
「れ、レミィ……落ち着け……!これには深い事情が……」
「事情も何もありません、言い訳無用!」
「ひどいっ!」
地面を踏ん付けながら迫ってくるレミィと、じわじわ後ずさる私の距離がみるみる縮む。
「こんな場所で断りもなくいなくなるなんて、どういうことですか!」
「断りもなくって、キューちゃんに言ったじゃん!ね、キューちゃん!?」
私が振ると、視線を受けたキュウは飛び火を怖れたのかついっと目を逸らす。
「きゅ、キュウ何もしらない……」
「キューちゃんおまえええ!!」
「とにかく!」
また落ちてきた雷に私は串を通されたかのような直立姿勢をとる。
「今日の予定は中止です!部屋で反省!」
「お、おい、それはないってば!」
私が慌てて言うが、レミィはさっぱり聞く耳を持たずに私の襟を引っ張る。
「うわぁぁぁ!聞けよ、聞いてレミィ~!」
ズルズルと引きずられるながら懇願するが、レミィはやはり顔を逸らす。
「昨日の今日、私も堪忍袋の緒が切れました。今日こそ反省するまで外出は禁止です!ママさんには私から話をします。」
「あ、あのっ!」
私の踵がちょうど五メートルくらい地面を削ったその時だった。
「え?」
「ま、ま待ってください!ミケゾウさんは……悪くないです!」
その場を立ち去ろうとするレミィを呼び止めたのは、レミィの雷に震え上がっていたキャロだった。
「……?」
突然声をかけてきた女性プレイヤーという図に戸惑ったようなレミィだったが、直ぐに私を離した。
「あの、貴女は?」
「きゃ、キャロです。さっきミケゾウさんに助けられて……」
「と、言うことは……」
キャロからことの顛末を聞いたレミィは目をいっぱいいっぱいに開いて驚いた。
「はい!とってもすごかったです!あの怖い顔した男の人たちを、こうやってどーんって、瞬きする間に!」
「……ということ。ね?」
私の勇姿を身ぶり手ぶり熱心に語るキャロの肩に手を置いて、私はにやりと笑った。
と言っても、キャロの目には私の姿が事実以上の物に見えたらしく、正直聞いていてこっちが背中のむずむずするような内容だったのだが。
お陰で、缶詰の刑の執行は免れた。
が
「キュウ!」
「あいあいさ!」
「え?」
レミィの鋭い合図で、いつの間にか背後に回り込んでいたキュウが私をがっちりと羽交い締めにした。
「え、ちょ、何やって……」
驚いて身をよじるが、キュウは更に強く私の体を押さえる。
その隙に目の前からレミィが手を伸ばしてくる。
どこで身に付けたんだか、素晴らしい連携である。
「嬢、失礼します。」
キュウにホールドされて足が地につかない私の体を、レミィがぺたぺたと触りまくる。
「やめっ、くすぐったいって……!」
「ミケ、がまん!がまん!」
「嬢、まずは落ち着いてください、大丈夫です、何の心配もありません。
ご自分の名前は言えますか?誕生日は?ご両親の名前は?」
私の首に手指を押し当てながら、レミィの怖い顔が迫ってくる。
思わず私は声を上ずらせる。
「おまえら何言って……」
「脈も正常、反射も良好……これは新種の奇病でしょうか?」
「お熱もないよ、レミィ!」
「やめっろ!触んな触んな!」
私が本気で暴れて、コンクリートの路面をめためたにしたところでやっと解放された。
「まさか……嬢が進んで人の為になることを……?これは何かとてつもない病の前兆なのでは……!?」
「レミィ、レミィ、早くお医者さん呼ばなきゃ!ミケが死んじゃう!」
「死ぬかあ!」
顔を青くしている二人に怒鳴りながら、私は地団駄を踏む。
畜生、こいつらは人のことを何だと思っているんだ。
「おまえら!私が女の子助けたのがそんなに悪いか!?」
「そう言うわけでは……。その、普段の貴女なら、そういう場面に出くわしても……」
言い淀むレミィを前に、キュウはさっぱりとした顔で続きを言う。
「『オカズオカズ』って言って物陰からじっと覗く!」
「当てるなし!」
とそこで、はっとする。
まずい、そういえば直ぐ後ろにキャロご本人様が……
「きゃっ、キャロ!違う、これは……その……」
慌てて顔を伺うが、キャロはぽかんとした顔で私たちの方を見ていた。
「ふぇ?」
「……あ、え?」
やっと気付いたように瞬きをするキャロ。
私の戸惑ったような顔を見ると、あたふたと視線をさ迷わせた。
「あ、いえ……その、ごめんなさい、何の話でしたっけ?」
「……。」
運良くというか、どうやら上の空だったらしい。
「何でもないや。」
「ならいいですけど……」
それだけ言うと、また直ぐにぼんやりとした顔になった。
「……お。」
その視線の先にあるのは、私の行動に関してああだこうだと、成り立っているようで全然なっていない議論を重ねる愛銃二人。
「……。」
「なるほど。」
やはり、特殊アバターというものに興味があるらしい。
「気になる?」
「へ?」
「うちの鉄砲よ」
「……その、はい。楽しそうだな……って。
わたしも、こんな風に仲良くできるかな……。」
『仲良く』か。
果たして、彼女の目に今のが何に見えたのかは謎だが、不都合が無かったようで安心である。
「ていうか……もう行こ。なんか腹立ってきた。」
「あはは……」
心配してるんだか何だか、まだ何やら言い合っているオトモ二人を置いて私たちは人混みを掻き分け始めた。
二人が追い付いてきたのは、マップに突入する寸前の事だった。
「右に二体です!」
「あいよっ……て!?」
たんっ、たんっ、
私の構えたレミントンM11-87の照準が定まる前に、曲がり角から飛び出てきた豚みたいな頭ふたつを二本の射線が貫いた。
寸分の狂いもない、瞬殺のヘッドショットクリティカルだ。
「マジかよ……」
「ミケゾウさん、まだ来ますよ!」
「お……っと……!?」
特殊エリア『南部廃工場群』。
触れればじわじわとLPを削られる毒々しい緑の廃液の水溜まりや、毒ガスやスモッグの充満する場所、間違えて傷つけると高温ガスや猛毒の液体が迸る配管が張り巡らされるなど、とにかく厭らしいエリアである。
他にも、機動力を削る狭い通路と進入禁止の金網やら鉄条網が乱立し、難度が高い。
出没するエネミーキャラは『ボアヘッド』。
名前通り、筋肉マッチョな人間の胴体に太い牙のついた豚の頭がついている。
仲間を集める無線機持ちはいないし総合的におつむの方は空だが、個々の耐久力や筋力が高く、新参の頃はそのタフさによく泣かされたのを覚えている。
重装備で固めている者が多く、軽機関銃や分隊支援火器なんかのマシンガン系の火器を備えた奴や、グレネードやRPGをぶっ放つ奴などが頻繁に出現するのも初心者にはキツい。
目ためも醜悪で、雄叫びが煩かったり撒き散らすよだれが気持ち悪かったりと、私はこいつらが嫌いだ。
そんなわけで、この辺りのエリアは意図的に避けていたのだが今回は違った。
たんっ、たんっ、たんっ、
背後から次々上がる銃声。
同時に伸びる射線はまるで吸い込まれるかのように豚の眉間に穴を穿っていく。
『ボアヘッド』は図体がでかく、動きも若干鈍いので狙いにくい敵ではない。
が、だからといってこうも次々クリティカルショットキルを稼げるということはまずあり得ない。
「これ、私がいる意味……」
私はさっきから散弾銃を抱えたまま棒立ちである。
キャロはXM8に登載された低倍率スコープから目を離しながら私の横を追い抜いていく。
「さあ、どんどんいきますよ!」
「元気いいなぁ……」
今回は前回の失敗も踏まえ二人ずつでバディを組むという形での展開となった。
レミィとキュウ、私とキャロ。
特に話し合いをしたという訳ではないが、流れでこんな形になった。
「XM8……見慣れないカスタマイズですが、こちらはシャープシューターモデルの様ですね。使用弾は6.8×43mmSPC。標準の5.56ミリ弾よりも若干嵩張りますが高い威力が期待できます。」
レミィはそんなことを言っていた。
『シャープシューター』
射撃の精密さを増す為銃身が10.5インチ延長された20インチで、簡易狙撃用のモデルらしい。
なるほど、長く見えたのは気のせいではなかったようだ。
正規品のスコープは取り外され、代わりに近距離でも運用可能な1-4倍の可変式スコープが乗っている。
そんなものを構えているので、結構後ろから狙撃で援護してくれるのかと思ったが実際には私のイメージとは違った。
狭いフィールドを縦横無尽に駆け回り、敵を視界に収めるなり4倍のスコープを覗いて、ほとんど間を置かずに撃つ。
端からは出鱈目に見える射撃だが、それが嘘のようにクリティカルを連発していくのである。
確認させて貰ったところ、彼女には『エイム補助LV8』というスキルが働いていた。
具体的には目標を狙いやすくする他、手ブレ等を軽減するのだとか。
それがあるにしても、多数の敵を直ぐ様認識して急所だけを的確に射抜いていくというのはかなりの腕前である。
「キャロってさ、SOGOやって長いの?」
今のところゼロだが、彼女の撃ち漏らしを拾うためキャロの横から出ながら聞いてみる。
「はい、ええと……小学生のころからやってるから……もう三年です。」
キャロは新たな敵三体を瞬く間に葬りながら答えた。
「何気に初期勢かよ……」
私も実はそうなのだが。
ということは、かなりやり込んでいるということになる。
「それにしても、小学校のころからってことは……」
どう計算してもまだ中学生かそれくらいということになる。
「一応R15なんだけど……親御さんよくオッケーくれたね?」
『ネグレクトか?』と言いそうになって、私はすんでのところで黙った。
本当だったら正直洒落で済まされない。
するとキャロは少しだけ寂しそうな顔をした。
「お父さんもお母さんも……お仕事で家を空けてることが多かったので。
……あ、でも!いつもご飯を用意してくれたり、どれだけ忙しくても書き置きとお小遣いだけは毎日きちんと置いていってくれました。お休みが取れたら、どれだけ短くてもずっとそばにいてくれましたし……だから……寂しいなんて言っちゃダメですよ。」
「ふーん……」
今時流行りの『共働き』って奴である。
私の家もそんなもんだったが、こっちの場合は手のかかる五歳かそこらの時は保育園に落ちたとかで田舎のお祖母ちゃんの所で世話になっていた。
故に父母との思い出というものは少ない。
無くもないが、最も印象に残ったものをピックアップするとしたら『家族で行った市営プールで親父がスッ転んで額を割った』くらいの事だろうか。
我ながらろくでもない一家である。私という生き物の誕生にも納得のいく環境だ。
「友達とかはいなかったの?あ、キャロも私と同じか、はは。」
「いえ……友達はいたんですけど……」
「そ……そうか。」
何だ、これでは私が一人で残念なカミングアウトをしただけではないか。
「でも、やっぱりお家に帰ったらどうしても一人ぼっちで……」
「で、これにはまったと。」
「はい。お父さんもお母さんも、わたしが欲しがるものはなんでもくれたので。」
「いい親だ。」
私のときなんか「ほしい」と言ってハードを買ってくれたまではいいが、「めんどいから来週」とソフトの方を買ってくれないまま半年を過ごしたということがあった。
さすが、私の親である。
そんな話をしていると、やはりキャロの顔が沈んできた。
やはり、いくら気丈に振る舞ってはいるがかなり堪えていたのだろう。
話題の選択を間違えただろうか。
自分で言うのもなんだが、こんな世界に閉じ込められたという現実をこうもさっぱりと受け入れられる薄情者というのはそうそういない。
こんな少女なら尚更だろう。
「寂しい?」
私が聞くと、暫く黙っていたキャロが小さく頷いた。
「たまに、両親の顔が夢に出てきて……泣きながら目を覚ますんです。……もう、この世界にも慣れなきゃいけないのに……」
「そうかね。」
私はその小さな肩に手をやると、小さく揺すった。
「帰りたい世界があるって、なんかいいと思うけど?私としては羨ましいもんだね。」
「ミケゾウさん……」
その大きな目にみるみると涙がたまっていく。
「どーどー」
頬を染めてしゃくりあげ始めたキャロの頭を掻き回すと、私は歩みを進めた。
「先ずは親子どn……違う。相棒に体あげるんでしょ?こっち側の家族も大事にしないと。」
「こっち側の……家族?」
「そ。」
私の言葉にキャロは目元をぐしぐし拭うと大きく頷いた。
「はい、がんばります!」
「うっし、行くか。」
その背中を押してやるふりをして、ふんわりキュートなお尻を手のひらで然り気無くと堪能。
元気よく走っていったのを確認し、私は人知れずガッツポーズをした。
「入ったぞ……今の確実に入った……!」
好感度アップ間違いなしだ。
前の世界でギャルゲーをたしなんでいて正解だった。
こうして、私は『キャロちゃん嫁(スケベ担当)化計画』を進めるのだった。
イケメンだと思った?残念、ミケゾウでした!
キャロのライフル、XM8は狙撃仕様のシャープシューターモデル。機動力と精密さを併せ持つ、FPSで言うところの凸砂、マークスマンのようなものです。
人が撃てないキャロも、エネミーキャラなら容赦なくヘッドショットを連発します。
ご意見ご感想、お待ちしています。
次回もお付き合いください!




