表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

泣き声

 それからというもの、僕は森の中を彷徨っていた。

 出口を探すためだ。

 しかし、一向に出口は見付からない。


 一週間彷徨ったが、出口は見付からない。

 

 「はあ、どうなってんるんだ。この森。」


 まあ、文句を言ってもしょうがない。

 体力ももう持たないところまで歩き回った。出口を探している間、モンスターに見付かり何度逃げ回ったことか・・・。


 「仕方ない。ここに小屋でも作って暮らすか。川もあるし、しばらくならここで暮らすこともできるだろう。」


 そう自分に言い聞かせ、周りに落ちている木を集め、小屋を建てた。

 川で魚を釣り、焚火で焼いて食べた。



 そんな生活がしばらく続いたある日の夜。


 「ああ、今日も星がよく見える。気持ちのいい夜だ。」


 いつものように、夕食を食べた後寝転がり星を眺めていた。

 その時、遠くの方から声が聞こえた。


 『・・て!誰か!!』


 今助けてって聞こえなかったか。

 

 『殺され・・、誰か!!助けて!!』


 やっぱり聞こえた!!

 北の方か、森が深い方だな。

 誰なのかは分からないけど、見に行くか・・。



 声が聞こえてきた方向へ行ってみると、一匹の小さな狼みたいな姿をしたものが大きな熊のようなものに囲まれていた。


 うわあ、何だあの大きな熊は・・・・見たことないな

 まあ、いいか。

 かわいそうだけど、この世は弱肉強食だし・・・


 そう思ってこの場を去ろうとすると、その小さな狼みたいなやつが僕に気付いたようでこちらを見つめてきた。


 おい、何だその目は・・・

 やめてくれ、そんな目で見られたら助けたくなるじゃないか。

 武器も何も持ってないんだぞ。


 それでも、その子は泣きそうな目で見つめてくる。


 はあ、しょうがない。

 あんな表情で見つめられたら、断れないじゃないか。

 やってやろうじゃないか、この熊もどき共!



 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ