女神のラファエナ
ん…あれ?…意識がある?生きてるのか?ーーーいや、それはない。心臓が止まるのは確認したし、だとしたらなんで……
「はじめまして、ですかね神羅さん」
ーーー!?誰、いや、なんだこいつは!?気配がまるでなかった。目の前にいる今でも気配を察知できない。
「…ここはどこで、お前は誰なんだ」
とりあえず質問をしてみた。
「私は生命を司る生命神ラファエナ、です。 ここは…私の家のようなものですかね。」
生命神?…神?そして家?
こんな真っ白で何もない所がか?
「それで、俺はなんで神の家とやらにいるんだ?」
「簡単に言うとあなたが死んだ…からですかね」
「ーーーそうか…で?女神とやらは死んだ者一人一人に会うというのか?」
すると女神は少し目を見開き、興味ぶかそうに俺を見つめる
「達観してるんですかね?
話が早くて助かります。
ちなみに全員と会っていますよ。
ただ、最近の人は大抵泣き喚き現実逃避をするか歓喜して興奮し、手がつけられなくなるかですね。」
「現実逃避は分からなくもないが、興奮する奴が多いのか?」 そいつら大丈夫なのか?
「ええ、興奮してる人は
『え?女神?てことはチート?これチート』とか
『これは…そうかついにこの時が、世界の調和が乱れ零のー10分経過ー…私が行かねばなるまい…?何してる早く力をよこせ』とか、正直うんざりしてるんですよ。
チートなんてない、記憶を消去し次の輪廻の輪に組み込まれるだけ。って言ったら
『は?…え?ちょ意味わかんねー。チートは?俺のハーレムは?』
『ふん、お前じゃ話にならんな。私が誰だか知ってて言ってるのか?』…ふぅ、見たいな感じで最近増えてるんですよね」
…それ絶対日本人だろ。なにやってるんだよ
「そ、そうか苦労してるんだな」
「分かります?私だって疲れたりするんですから。」
「ふぅん…ところで俺もりんねのわ、とやらに組み込まれるのか?なんだか嫌な予感がするんだが…」
「そうですね、あなたは記憶を引き継ぎ、なおかつ異世界グランウェールへ転生してもらいます。魔物なんかもいますので、神羅さんにとっては、地球よりはるかに暮らしやすいのでは?」
転生するのかよ!まぁ確かに地球よりは暮らしやすいかもな。だが…
「なんで俺なんだ?」
「それはラ、ランダムですね」
あからさまに、そっぽを向いて口笛を吹かれながら言われても…怪しすぎて、逆に嘘をついてないように見える。
「なんでもいいが早くやってくれ。ここはなんだか疲れる。」
すると女神は顔を青ざめながら、
「ーーー!?
そう…ですか、分かりました。でもその前に、力を一つ授けることになってます。」
「力?」
「はい、あなたの場合は【創造魔法】ですね。まぁなんでも作れます」
「……なんでも?」
「はい、なんでも」
「theチートじゃないか。…俺の場合ってどういうことだ?どうやって選ぶんだ?」
「それはラ、ランダムですね」
だからなんでそんなあからさまに嘘をつくんだよ。
「まぁ便利だからいいが…それで?転生する所は教えてくれるのか?」
「およそ人口千人が住んでるキーマス村、を領地に貰ってる、辺境伯爵の息子ですね」
「そうか、他には……そうだ、【創造魔法】ってどう使うんだ?」
「あなたの【創造魔法】はイメージ力の問題ですね。というか魔法全般はイメージ力が重要です。」
「やっぱり魔法はあるのか……ありがとう、よく分かった。もういつ転生しても構わないぞ」
「分かりました。双子の妹がいるようですが頑張ってください。」
「…………」
「え、どうしました?なんかにやけてませんか?」
「いや、少し…な、妹というものに憧れてたんだ。」
「そうですか、可愛い所もあるんですね。じゃ、気を取り直していってらしゃい」
「あぁ色々ありがとうな、感謝してる。」
そうして俺はまた、意識を失った。
◇◇◇◇◇ー女神sideー
神羅さん……か、色々と不思議でしたね。妙に落ち着いて、私が女神ということを疑っているわけでもないのに、全く動じない。それに……
『なんでもいいが早くやってくれ。ここはなんだか疲れる。』
ーーーあれには驚きました。うっかり神気をもらしたままにしてました。格の違いで、普通なら一瞬で消滅してもおかしくないというのに、それを疲れるだけだなんて。
【 適応する体】彼自身が持つ、生まれもった魂の力とでもいうべき能力。
かつて創造神様が人だったらしい頃と同じ力だそうですね。
「ふふ、あなたは神となるのでしょうか?その時は、先輩面してあげますかね。
ーーそれにしてもやっぱりここは暇ですね。
…そうだ!いつか神羅さんに会いにいってみましょうか?」
ストックはまだまだあるんですが、学生の身分じゃ投稿する時間がとれないけど、頑張りたいと思います。