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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
197/217

「魔王様とあんな近く、羨ましい! 」魔王の側近、ガイムは一人外にいた。

◇◇◇◇◇


何故、人の家の前でこんなにも躊躇しないといけないのか。こんなにも緊張しないといけないのか。


ーーーしっかりしろ。サクランに笑われるぞ。


「……という訳で、まずはファルシーから入ってくれ」

「阿呆。よく分からんがそこは自分から行くべき……ん? おい、今お前何と言った?」

「だから先に入ってくれって」

「そこの前だ!」

「ん? ああ、ファルシーって……あ、すまなかった。名前で呼ばれるのは嫌だったか?

ステータス確認ってので知ってたけど、そういえば魔王魔王呼ばれて、お前本人の名前を呼ばれるのは見たことないな」

「なっ……お、おまっ! それ、結構重要な事で…………私、ファルシー? そういえば……確かにそんな気が……」


ーーーあれ、どうやら自分の名前を忘れてたっぽい?


魔王の名前、それがいかに大事な事かシンラは分からなかった。


「はぁ……やはりお前はとんでもないな」

「なんか悪いな魔王さん」

「ふんっ、ファルシーでよい。いや、ファルシーと呼んでくれ。

そう呼ばれたい……大事な名前なのだ。もう2度と忘れぬ。

ーーそれより、早く入るぞ! 私の胃が鳴いておる」

「っと、そうだな。

よし覚悟を決めた!」


今ならシンラは自信を持って言えた。

地球で最初にして最後の友は、梅宮 舞だ。


◇◇◇◇◇


メイドに出迎えられ、


シンラは初めにマイと目が合った。マイも初めにシンラと目が合った。

一方は完全に別人。一方は何も変わらない姿。

一方は何十年ぶりで、一方は何週間ぶり。


だけどマイは確信した。魂が叫んでいた。

この人がシンラ・アリエルトで、五十嵐 神羅なのだと。

そう認識して口を開けるもーー声が出ない。

さっきまでずっと何を喋るか考えていた。

しかし、その全てがせき止められたダムのように、胸の中へ溜まるばかり。

何とか喋ろうとシンラを見てーーいつもの不安にかられる。


見限られたんじゃないか?

失望したんじゃないか?

……許してくれないんじゃないか?


そんなのは唯の言い訳だとわかっていても、考えずにはいられない。


ーーー怯えた目……


昔の神羅なら、空気を読まなきゃと勘違いしてこの場を去っただろう……昔なら。

だがそれはサクランと出会い、間違いだと気づいた。岡目八目とはよく言ったものだ。


なら今はどうする?

こんな目をしているマイに、自分は何ていう?

考えた末、シンラは一言だけ喋る。


「よっ久しぶり、マイ」


たったそれだけ。文字にして10文字も満たない言葉。だけど色々な想いが詰まったその言葉。

それがどれだけマイの救いだったのか、最初はポカンとしてーーダ ム 崩 壊。


「う…うわぁああん! しんらぁ…しんらぁぁあ……!」


もれるもれる言葉や涙。

そこからはマシンガントーク。やれ私が悪かっただの、やれ罵ってくれだの、途中からシンラでさえ理解不能な言語を発したのだった。



そして、パーティは盛り上がる。

種族と世界を越えたつながりが、そこには確かにあった。


◇◇◇◇◇オマケ

称号が変化しました


【仲直りのチャンス】

【深まる友情】


◇◇◇◇◇


「なっ……これは!」

「どうだ、美味いだろ?」

「はい……まさか、俺と同じくらい(・・・・・・・)だとはびっくりしました」


ピキッッ


「あん? 寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ」「パパ怖っ……」

「事実を言ったまでです」

「おーけ、ちょっと表出ろや(キッチン)」


〜〜〜〜〜30分後


「いやいやシンラ、ここはもっと……」

「そこは、敢えてチュパカブラの酸味を生かしてですね……」

「なるほど、いけるなそれ」


〜〜〜〜〜さらに30分後


「シンラ……お前話の分かる奴だな!」

「いえ、俺も有意義な時間を過ごせました」


◇◇◇◇◇オマケ2


称号をゲットしました。


【男の友情】


◇◇◇◇◇


「むっ…何か用かメイド?」

「……クロイヌ様の作る料理はどうかと思いまして」

「美味。決まっておるだろう?」

「それは、前回もですか?」

「だから決まっておるだろう。お主、さっきから何が言いたい?」

「…………自白剤…プッ」

「っ!? な、なんだメイド! メイドらしからぬ今の行動はどういう事だ!?」

「哀れ魔王」

「〜〜〜っ! なんで、なんでそんな目で人を見てくるんだ! 教えろ! 教えないと許さないぞ!

絶対に許さないんだからな!」


◇◇◇◇◇オマケ3


称号をゲットしました。


【哀れ魔王】

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