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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
184/217

クロイヌの1日

◇◇◇◇◇


光を誤魔化し、闇に溶け込む。プラスユニークスキルで音を消す。


隠密用の魔法の効果をクロイヌは確かめようとして、結果、やけに警戒の厳しい城くらいなら楽々と侵入できることが分かった。見回り兵の前でタップダンスを踊っても気づかれないとは、自身が一番驚いた。



途中、やたらとテンションの高いマイと師匠さんをしばらく眺め、このまま帰るのももったいないと城の中を観光することにした。


今のクロイヌを視認することはできない。光魔法のお陰だ。今のクロイヌは気配を感じさせない。闇魔法の賜物だ。今のクロイヌから音は出ない。音無草を使った料理を食べた時にできたスキルのせいだ。


しかるに、今のクロイヌは気分的に……


ーーー忍者、なんてな。……ん? この声は……やはり。


クロイヌの身体能力やら五感やらは格段に上がっている。

集中次第では、閉まりきった部屋の中から話し声が聞こえるくらいには。

クロイヌは好奇心に負けて耳をすます。自分の知ってる声ーー王様のする話に興味が湧いてしまったのだ。


『ーーですが王様、少々勇者様達を甘やかしすぎではないでしょうか?』

『そう言うでない。今はこれで良いのだ。

魔王をどうにかしてくれる可能性があるというのなら、それはとても幸運。

事実を述べれば、勇者様達の人生を台無しにしてしまったというではないか。

何をされても文句は言えん』

『それはそうです……けど! 勇者クロイヌ様を城の外に出したのは明らかに早計です!

もしも魔王の配下、いいえ万が一魔王自身が現れた時対処のしようがありませんよ』

『あ……うん、それわしも思った。

ただ、フランチェスカがいるなら安心だ。わしはあやつを信用しておる』


ここまで聞いたクロイヌは、そっとその場を離れた。

どうやら、自分の行動はかなり迷惑をかけていたことに気づいたらしい。


ーーいや、それより……初めてメイドさんの名前を知った!


「……帰るか」


◇◇◇◇◇おまけ


本来クロイヌのユニークスキルは強力ではない。確かにチートな能力ではあるが、せいぜい勇者もどきの力。万能なくらいしか取り柄のなかったはず。


……ただ、彼の協力者がまずかった。


フランチェスカはクロイヌから珍しい食材や、強い魔物の食材を頼まれた時、瞬時に最善の方法を考え、なんとシンラ・アリエルト。Sランク冒険者の死神を頼りだしたのだ。


最初こそ頼まれた食材を自力で手に入れていシンラだったが、だんだんとフランチェスカからの依頼も大雑把になってき、シンラも創造魔法で創り出したのを届けた。

そして、やはりそれはぶっ壊れ性能の食材。まさか料理を作って能力にするというユニークスキルとは思わず、遠慮なくシンラは食材を創り続ける。


そしてクロイヌは、徐々に人外の道へと歩みだしたのだった。

同じ勇者もどきの2人と比べたらその異常っぷりが分かる。


「難攻不落の聖結界」。これは攻撃用ではなく防御専門。その破格の防御力は確かに凄いが、今のクロイヌなら壊せる。


「希望の演奏者」。これもクロイヌに次ぐ万能型。周りの支援なども出来るので、戦場では大いに役立つ事間違いなし。……ただ、その支援すらクロイヌも出来るのだ。

「神の砂糖」「幸多き牛乳」「理想郷の卵」等を使って作るスイーツ類は、一口食べるだけで失った腕を再生するなどという、馬鹿げた能力。舐めるだけで力が増幅するというとんでもない能力。

シライシ自身戦闘曲はあるが、クロイヌの元の力の方が強くなっているという、これでどれだけ異常なのか分かる。


ーーどれだけ足掻こうと、魔王を倒せる存在ではない役者の勇者もどき3人の中で、唯一クロイヌだけはそこにまで至った。


「シンラ・アリエルト」


彼の最強っぷりは、他人にまで影響を及ぼしたのだった。



「またこの依頼か!

もういいや、適当に創ろう」

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