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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
179/217

お引越し

◇◇◇◇◇


「ここを出る?」


その意図がよく分からない。思わずクロイヌを訝しんでしまう王様。

そんな王様を見て、クロイヌは怪しまれないよう丁寧に説明する。


「ご安心ください王様。何も逃げ出すという意味ではありません。自分よりも年下の子すら頑張っているのです。そんな事は出来ません。己の身を鍛えるのは怠りませんよ。

ただ、何分城の生活は私に合わなかったらしく、少々息苦しいのです。

よければこの王国にある普通の家に暮らしたいと思いまして」


これは、ユニークスキルを使いたいという言い訳でもあったが、確かに城の生活が嫌だったのもまた事実。

クロイヌは厨房だけ立派な、そこその家を王様に望んだのだ。


「そうかそうか、そういう事ならば直ぐに用意させよう。

他に、その家で暮らすに当たって何か要望はあるか?」


王様としては勇者の為ならばという発言だったが、側近からしたら、これは少しばかり無茶な要求。


ーー仕事が増えるな。


「そうですね……度々家をあける時があるかもしれないので、家の管理などを任せられる優秀な人材くらい……です」

「あいわかった」


◇◇◇◇◇


それからしばらく経ち、クロイヌはすぐに新しい家に住むこととなったのだが……


「ーーそれで、何でメイドさんがここにいるのですか?」

「私が優秀だからでしょう」


思わず頭を抱えてしまったクロイヌ。

王様から渡された家はとても気に入り、しばらく堪能しているとーー自然に、ごく自然にメイドさんが掃除や皿洗いなどをしていたのだ。


「帰ってくれませんかね?」

「それは百害あって一利なし、です」



ーー何故そんなに自信満々なんだ?


「俺はもう少し普通の家政婦さんを望んだはずなんだけど」

「私ではご不満ですか?」

「ん……いや、それは」


そんな事言われても、クロイヌは何も言えない。

確かにメイドさんは美貌の持ち主で、力もあり、家事全般をそつなくこなせる完璧。

人でないというところもあるが、見た目変わらないので嫌悪感なども感じない。

断る理由が見当たらないのだ。



「はぁ、この際メイドさんがいるのは仕方ない。ただ食事は絶対に自分が作りますから。これ、絶対」

「……分かりました。

そういえばクロイヌ様、王様から小金を預かっております」


その時ふーんと頷いたクロイヌだったが、中身を見て絶句する事になったのは、もう少し先のこと。

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