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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
161/217

咲く裂くサクラン

◇◇◇◇◇交流会3日目


昨日俺とぶつかった、燃えるようなピンクがかった赤い髪をした女性が、今俺とダンスを踊っている。

……なんでや!


◇◇◇◇◇


事の始まりから話そう。

交流会3日目といえばダンスパーティー。

華やかな服装を着た美少女達が、花に群がる虫のように(なに言ってんだ俺?)男たちの心を鷲掴みにする。


俺はいつもの如く、みんなと移動していた。


「セレナは何でスーツを選んだんだ?」

「あのヒラヒラはちょっと……私にはこれが丁度いいわ」


かっこいい美女は健在だった。

一部の女性から熱烈な視線を受けている。


「ファナはいつも通り可愛いな」

「そ、そんな……照れますよ」


よく漫画などで、卑猥なものを見ると鼻血が出ているが、そんな事あるわけないだろと思っていた。

だけど、こうして天使もといファナを見たら、完全に否定はできない。


なぜにファナはこんなに可愛いのだろうか? これは度々真剣に考えているが、未だ答えは出ない。

ファナだから、というのが今のところ最有力候補だ。


「私なんかよりも、断然お兄様の方が可愛いです」


これは……新手のいじめか?


去年の女子会を思い出し、憂鬱な気分になっていると、どうやらダンスパーティーが始まろうとしているらしい。

前回と同じく、第1魔法学園のギルス学園長が話し出した。

……今思えば、このとき口を塞いでいればよかった。


『今回はみんなより先に踊ってほしい人がいるんだ。

まあ、深く考えずに、1年生のお手本と思ってもらえばいい。

じゃあ第2魔法学園の主席入学の子と第3魔法学園の主席入学の子。

第1魔法学園の主席入学の子と第4魔法学園の主席入学の子ね。

あ、もちろん同学年だよ』


◇◇◇◇◇


それで、こうなった。

目の前には気の強そう、実力も強そうな女性が、しかめっ面で俺と踊っている。

さっきは赤髪と言ったが、角度が違えば黒髪に見えなくもない。赤黒い髪だな。


残念なことに一言も喋っていない。できるだけ俺に触れないようしているのが目に分かる。


……ん? あれはステラとパニスじゃないか。なんだ、パニスは主席入学だったのか。

ステラと仲も良さそうだし、良かった良かった。


ーーー結局、目の前の女性とは、何事もなくお手本的なダンスパーティーは終了した。


〜〜〜〜〜


俺はギルス学園長が1人になったのを見計らい、問い詰めた。


「なんであんな事をしたんですか」

「おや、君かい。あんな事って?」

「とぼけないでください。

俺を……っ、名前も知らない。

第1魔法学園の主席入学の女性と、わざわざ踊らさせたということです」

「ありっバレてたか。

ゴホンッーー彼女の名前はサクラン。ここからずっと東にある村に生まれて育ってきたんだけど、色々あって君にどうにかしてもらおうかと思って」

「……え、またか、また俺なのか?

パニスの時もそうですけど、今回はわけが違う。ご期待には答えられませんよ。

サクランは俺と口もきかないんですよ」

「う〜ん、君ならどうにかなると思うんだけどなぁ」


この人のこの自信はどこから来てるんだろう?


「なんども言ったはずですけど、俺にだって出来ないことくらいあります」

「………実はね、サクラン君は村で一番の実力を持っていたんだ」


あれ、これどうにかするパターンじゃね?


「いや、違うね。それは過小評価だ。

村1番なんてとんでもない。世界でトップレベルの実力だと思っている。

多分冒険者のSランクは確実。分かりやすく言えば、君の妹さんよりは強いと僕は思っているよ。

でも、彼女の実績と言えばーー盗賊千人殺しくらいだけどね」

「盗賊千人殺し?」

「そう!

不幸な事に彼女村はつい最近、悪知恵を働かせた盗賊の集団に襲われてね。ま、返り討ちにあったんだけど。

盗賊はサクランから皆殺しにされたんだよ。

そして間も無く、サクランは僕の学園に来た。今は寮で生活している」

「………」

「僕から言えるのはここまでだ。

サクランをよろしく頼むよ………今度の大会、最後まで勝ち進めば決勝戦で会えるから、ね」


ギルス学園長は最後にボソッとそう言うと、いつもの飄々とした雰囲気に戻り、勝手にどこかへ行ってしまった。


『っ……お前みたいな奴が、私なんか(・・・)の手に触れるな!』



ファナはあの時、サクランの目に恨みがこもってたと言っていた。

でもそれは、俺ではなく自分自身に向けていたのではないか?


俺はファナみたいにサクランの目を見ていなかったが、多分俺がその時サクランの目を見ていたら、あることに気づいただろう。


ーーーまるで、昔の俺と同じ目をしてるって。


◇◇◇◇◇おまけ


快適だ。

他のところと違い、俺は魔法を使い、この帰りの馬車を快適空間に変えた。



「聞きましたかお兄様?

最近フンムラビ王国の近くで、魔族が暴れていたらしいです」

「………」

「それでフンムラビ王国完全に恐慌状態でして、もしかしたら……」

「………」

「お兄様? お兄様?

一体昨日から何を考え込んでいるのですか?」

「………ん、今日の晩御飯とか」

「それで、一体昨日から何を考え込んでいるのですか?」

「いや、だから今日の晩御飯……」

「それで、何を考え込んでいるのですか?」


我が妹は、テレパシーでも使えるのか?


「……はぁ、実はな、今日の土曜日か日曜日出かけるところが出来た」

「どこにですか?」

「ずっと東、かな」

◆後書き◆

自分の昔のお話、第一章らへんを読んでみると、何これすっごく恥ずかしいってなります。こんな駄文載せてて大丈夫なのか? と。

でもまあ、今書いてるお話も、後々見てみれば、何これ、ってなるんでしょうね。

気にせず投稿したいと思います。


それと勇者召喚なんですが、男1人に女2人召喚されることとなります。

それで、男の方の能力が決まらないんです。候補はあるんですけど、納得がいかなくて……誰かアイデアがあればよろしくお願いします。

因みに男は勇者(笑)ではありません。こいつ主人公でいいんじゃないの? みたいなキャラです(作者的に)

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