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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
159/217

何気に広がる水遊び

◇◇◇◇◇


そして私達は川に着いた。

川ってなんかいいよね! あの水の流れを見ていると、なんかこう……

「私生きてるー!」

っていうか、あのサラサラコポコポ流れる川の音を聞いていると、なんかこう……

「きゃー冷たい! 」

っていうか、とにかく凄いよね。


だから私は、

「イリーと一緒に楽しもう! 」

って、思ってたんだけど、そしたらね……誰かいたんだ。


「知ってる人?」

「知らないわ。服からしてアインスの子じゃないかしら?」


イリーも知らない人らしい。

その人は川に入るのかなぁって思ってたけど、どうやら違うみたい。よくよく見てみると、右手に石を持っていた。


「何してるんだろう?」

「分からないわ。……全く」


イリーも分からないらしい。

だから2人でジーっと見ていたの。そして、その人は動いた。

腰を少し下げて、右手に持つ石を横から滑るように投げたかと思うと、その石は川にーー沈むことなく、ピュッピュッってなった!!


「凄い凄いっ!」

「っ……誰!」

「ねーねー! もう1回やってみて!」

「え、だから誰……」

「こうやるのかな? ーーえいっ!」


ポチャン


な、なんて難しいんだろう。


いやダメよステラ。諦めるなんて、そんなの最後までとっとくんだ。


「えいっ!」


ポチャン


「……出来ない。ねえ教えて! さっきのどうやってやったの?」

「だから誰……はぁ……いいわ、教えてあげる。一回だけだからね」

「本当に? やったぁ!

ーーお〜い、イリーも来て来て!」

「まだ誰かいるのね……」


〜〜〜〜〜


「お願いします先生! ほら、イリーも一緒にやろうよ」

「私は別に……」

「そんな事言わないでーーそうだ、これが出来るようになって、先輩に見せれば褒めてくれるかもよ?」

「お願いするわ先生」


段々と扱い方が分かってきたかも……


「じゃあやるわよ。

まずこのくらい平らな石をーーー」


〜〜〜〜〜


ポチャポチャポチャン


「出来た出来た!

見て見てイリー……」


ポチャチャチャチャチャチャ……


「なるほど。

それなりのスピードに回転、石選びもそうだけど角度は結構大事ね」


イリーって実はかなりハイスペックだと、今日思い出した私であった。


「2人共上手いのね…… (私は1日で) (出来なか) (ったのに)

「そんな事ないよ。私まだ3回くらいだし」

「シンラ先輩の為なら、これくらい当然よ」

「え……シンラ?」

「あら、先生は知らないの? シンラ先輩は、言葉では表せないほど凄いのよ。ああシンラ先輩、今すぐにでもお探しに!!」


あ、スイッチ入っちゃった。そして、シンラ先輩を探しに行ってしまった。


「すごいわね。もう見えなくなったわ」

「あ、あはは、イリーは先輩の事になると、少しおかしくなっちゃうから。

先生は本当に先輩の事知らないの?」

「……学園で噂なら聞いたことあるわ……どれも、信じがたい話だけど」

「そっか、でもそれ多分、全部本当の話だよ。先輩すごいんだから」


非常識に非常識を重ね合わせて、非常識で包みこみ、しっかりと非常識を熟成したのが先輩だもの。もちろん隠し味も非常識。


「……顔だけだと思ってたわ」

「え?」

「何でもない。それより、まだ貴女の名前を聞いてなかったわね」

「ステラだよ!」

「ステラ……ステラ、それって確か……」

「あっ私先生の名前を聞いてないよ!」

「ああ、ごめんなさい。私はパニスよ」


パニス? いい名前!


「ーーねえ、ステラ」

「何?」

「その……私と、友達にな、なれ……友達になってくれないかしら?」


顔を赤らめながら、モゴモゴと口を動かす先生……ううん、パニスはとっても可愛かった。


「ちっちっち、それは違うよパニス君。

『友達っていうのなるもんじゃなくて、いやそれも1つの形だけど、友達っていうのはなってるものだ』って先輩は言ってた」

「そう……そう、よね」

「うん、だから私とパニスは、もう友達なんだよ!」

「っ……ごめんなさいステラ。どうやら私は余計な事を言ったみたいね。

ーーそれより、さっきのお友達は追いかけなくていいの?」

「あっそうだね。私もそろそろ先輩を探さないと。じゃあねパニス!」


私はイリーの消えた先に走った。

去り際に、「やっと、1人」って聞こえたのは、一体どういう意味だったんだろうか?

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