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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
158/217

川といえば……あの人

◇◇◇◇◇交流会2日目



ここで大事な発表をします。


私は先輩を探していました。


何故なのかって?


それが私の生き甲斐だからです! 存在理由といっても過言ではありません!


ーーー少し昔の話になりますが、あの時の私は幼かった。(※今もそうである)


最初に死神さんを見たときは、いくら院長先生が連れてきたとはいえ、全身黒い服なんてどこぞの暗殺者かと思ったもんですよ。

言葉遣いがいいとは言えないが、不思議とどこか気品がある。不思議な人。それに何より、魔法が使えた。


ただの魔法じゃない。


人を傷つけるくらいの魔法しか知らなかった私は、普通に驚いた。

ただ光を出すくらいなら、光属性に適性のある者の子は誰でも出来るだろう。

でも、それから闇で絵を作った。これはおかしい。今の私でさえ、あんな複雑に絵なんて作れない。数字を作るのがやっと。

他にも火やらパチパチなるのやら、見事に私の常識を壊してくれていた。


だからだろう。


恋愛感情を抜きにして、その時の私は死神さんに興味が湧いた。 ずっとそばにいて飽きない人だと思い、徐々に惹かれていく。周りに子供たちで囲まれてお姉さんぶっていた私は、年上っぽい死神さんを頼りたかったというのもあるかも。

極め付けは、命を助けてくれた時だ。

魔物に殺されそうになった私を、死神さんは私の事を2回ほどぶった後、優しく抱きしめてくれ……ああ、思い出しただけで顔が熱くなる。


学園の前ではじめて見かけたとき、綺麗な赤い目で先輩を死神さんだと気付き(何故か、雰囲気は違った)、私も学園に入りたいと強く願って、またしても死神さんに助けられていた。


いろんな意味で卑怯なズルい死神さん。優しくて鈍感な先輩。


最近思ってきたことだけど、私が好きなのは先輩で、それ以上に好きなのは死神さんなのだ。

同じだけど違う。

まるで別人だと錯覚するくらいに、死神さんと先輩を知る私は、そう思える。

別人だと言われても、納得する。それくらいに違う。 いやもしかしたら……本当に死神さん(先輩)は、違うのかも……


って、今はそれどころじゃない。私は大事な発表をしていたんだ!


先輩を探すことがじゃなくて(それも大事だけど)、探す途中にーー川を見つけた!!


このアインスの敷地内には、大きな川が流れてた。 私達の学園よりも、自然豊かな所は羨ましい。

それで、川を見つけたら何をする?

泳ぎたい! ……のは自重して、せめてこの感動を伝えたい!


「イリ〜! どこなのイリ〜!

私の友達イリ〜ちゃ〜〜〜ん!!」

「ーーここにいるわよ」

「うわっビックリした!

もう、背後を取らないでよ。思わず縛っちゃうところだった」

「ステラ、あなた……そんな猟奇的な趣味を持ち合わせていたのね。

いえ、私からは何も言わないわ。そういうのは人それぞれよね」

「ち、違うよ! そういうのじゃなくて、これは死神さんの教えで……」

「死神にそんな事したの!?」

「だから違うよ!

これは護衛の為でね、闇魔法で影を針状に実体化させて、相手を突き刺しながら縛り上げるの」


死神さんが私に教えてくれた闇魔法、[影縫い・ツナギミチ]。

盗賊を拘束するときに愛用していたらしい。

死神さん曰く、『盗賊には念入りに返し縫いをしてる』とのこと。


「突き刺す……凶悪ね。ーーそれで、私に何か用があるんじゃないの?」

「そうだよ、私、川を見つけたんだ!

イリーも一緒に行こう?」

「もう少しシンラ先輩を探していたかったんだけど……まあいいわ。そこにいるかもしれないし」

「本当? やったぁ!」



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