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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
156/217

学園会議!

◇◇◇◇◇


説明しよう! 学園会議とは?


4つの学園生徒が集まり、互いの意見を言い合うことで、学園をより良くしようとする会議の事だ。

先ずは第1学園から、最後に第4学園という順に意見を出し合う。


自分達以外の学園の意見を聞くことで、視野を広くし、思いもよらなかった新たな意見が出るというシステム。

その為、第4学園の次に、最後のみんなで話し合うタイムがある。


さあ、そんな学園会議が、今年もまた始まった。


◇◇◇◇◇


学園会議が行われる、ここ、通称〈学園会議室〉。俺たちの他に、他の学園の2年生が集まっている。

……のだが。


「やっほ〜シンラくん」


元生徒会長、ペルセフォネさんがいた。

この会議のまとめ役っぽい人(議長)の横にいながら、こちらに手を振ってくる。

案外距離が近かったため、そこまで大きな声を出さずとも聞こえるのだ。


「……なんでここに?」

「んーなんとなく?」

「なんとなくって……いや、理由はいくつか考えられますが」


多分、元生徒会長だとか、王女だとか、そんなところだろう。


「それにしても久しぶりね。

生徒会、うまくやってる?」

「特に問題はありませんよ。今年はミランダ生徒会長がしっかりしてますから」

「そう……ん? あれ、それじゃあまるで、元会長である私がしっかりしてなかったみたいじゃない!」

「………一ヶ月に、やり遂げた書類は5枚が最高記録でしたっけ」

「6枚! 」


うわっ、流石元会長。

ほとんど、ミランダ会長に任せてたもんな。

第1王女がこんなのでいいのか、と甚だ疑問に思っていた。

実際、カリスマ性はあるので、問題はないと思うが。


「シンラくんは、もうちょっと私に優しくしてもいいと思うんだけど、まあいいわ。

もうすぐ始まるわよ」


◇◇◇◇◇第4学園の番です


コンコンッ


「静粛にぃい!!

これより、第※回会議、フィーアの会議を始める!!」


「議長!」

「はいそこの君ぃい!」

「食堂の料理、もうちょっと値段を安くして欲しいです」

「あれで限界なんだ、無茶言うな」

「だったらせめて、食堂のおばちゃんではなく、食堂のお姉さんにして下さい!!」

「そうは言ってもなぁ、あれは古いならわしで……」


一生徒の迫力に、おもわずたじろぐ議長。

チャンスだと思ったのか、怒涛の意見をつぎ込む生徒。



「それでいいのかアンタは!?

古い決まりに身を縛られ、未来へと一歩を踏み出しきれない! 固まりに固まった固定観念なんて捨てちまえ!

議長ってのはただの臆病者だったのかよ!」

「っ……そう、だな。私が間違っていた。

明日を紡ぐのは我々自身。それを今まで忘れていたよ」


キラリと光るその瞳。込められた想いは、如何(いかが)なものか。



議長は決めた。


「いいだろう。学園のおばちゃんを否定するのはダメだ。

しかし!

学園のお姉さんを取り入れることは肯定だ。

つまり!

第4学園の生徒、この案ーー可決!!」

「「「うぉぉおおお!!」」」


室内が感動に震える。

そんな時、シンラは思った。


(つっこんだら負けだ)


「他に何かないのか!………ない……か。

ならばシンラ・アリエルト、君に決めたぁあ!」

「……特にありません」

「ダメだろ!? それじゃあダメだろ!? 主席入学なんだ、根性見せろよ!!」


議長は(たが)が外れていた。

そしてシンラはーー少しイラついた。


「……ではまず、食堂のおばちゃんをお姉さんにするという意見ですが、ふざけているんですか? ちょっと議長、流れに乗らないでくださいよ。意味不明です。おばちゃんをお姉さんにしてどこがより良い学園に繋がるんですか? はい、繋がりません。よって不可。おばちゃんの未来も考えて言ってください。

次に食堂のメニューですが、あれは育ち盛りの生徒の為……なのかもしれませんが、少々肉類に偏りすぎています。圧倒的に野菜要素が足りません。もうちょっと女性向けの料理を考えてみたらどうでしょうか? ああ、アンケートをとるという方式もいいですね。コストを頭の隅に置かなくてはなりませんが、好みを知るのはいいでしょう。

それと授業についてなんですが、あれはうまく短縮すれば3年間の内容を、余裕持って2年と半年で出来ます。要は自習が多すぎるんです。生徒の集中力をなめてはいけません。最初の10分を頑張れてればいい方ですよ。うまく短縮した残りの半年間は具体的に、詳しく言えば、それぞれの進む道に沿った方針でいくべきでしょう。


最後に、学園長しっかりして下さい。


以上です。これでどうでしょうか?」


「ぅん…可決」


実のところ、この議長最後まで聞いてなかった。しかし、それを言うと、最後の方はシンラも自分が何を言っているのか理解していなかった。適当にそれっぽく言ってみただけなのだ。……学園長の件だけは真面目だったが。


「ああ……うん、ゴホンッ。なんか空気読めない人間を選んでしまったがーー他に何かないか?」

「はい!」

「そこの君」

「食堂の……」

「食堂はもういいだろ」



◇◇◇◇◇



学園会議(笑)は終わった。正直必要性を感じない会議だ。

本当にこれ毎年やってるのか?


……3年は何をやるかは知らないが、今年みたいなのを体験してしまった今、不安にならざるをえない。


明日の自由時間に期待しよう。


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