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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
155/217

夏休みの終わり そして交流会の始まり

◇◇◇◇◇8月16日


夏休みは終わった(眠たい)。俺から言えるのは、ただそれだけだ。


いや待てよ。去年と違うことがある。


「あーあ、夏休みって終わるの早いよな〜。なんでこう面白いもんは時間が早く進むんだ? 世界の神秘か?

そうだシンラ、夏休みをあとちょこっと伸ばしてくんね?」


それは……


「やめた方がいい。そのちょこっと伸ばした先には、また同じセリフが自分の口から飛び出すぞ。

それに、気は楽なんじゃないか? 今回はみっちり宿題を終えたろ。良かったな、後ろめたい気分ゼロだ」


そう、エドの宿題は、マイホーム一同(ほとんど俺だったが)のみんなの手伝いにより完璧に終わらせた。

勲章ものである。


〈宿題を手伝えし者〉なんていう、ありがた〜い称号を貰った。

なんとなくムカついたのは秘密だ。


「それについては感謝してるぜ。

なんせ1問目からさっぱりだったからなぁ。今回はやばかった。やっぱ授業くらいちゃんと聞かなきゃダメだなこりゃ。

……そういえばシンラ、今年の夏休みは勉強ばっかなんじゃねえの?」

「ん、確かにそうだな。エドとステラとイリアの分を手伝ったからな」


ステラは不安だからという理由。でもイリアは……察してくれ。


「んー夏休みが終わりってことは、今度は交流会だな。

今更なんだが、俺たちの班はシンラに、ティファナさんに、レティスさんに、セレナさんに、アティさんに、シェリーさんに、エステルさんに、レミーと俺。

全員で4人以上いるよな? これいいのか? 普通4人だろ?」

「本当に今更……というか、やっぱり聞いてなかったのか。実はな、こんなやり取りがあったんだ」


ーーーーー


『ダメですか学園長?』

『おやおや、噂に名高き優等生、ティファナ・アリエルトという者が、まさか決まり事を破るつもりなのかい?

そうさね、認められないよ』


ーーーーー


「やっぱダメだったのか。でも、ならどうやって俺たちの班は、人数以上な異常になったんだ?」

「落ち着け、落ち着け。

ここからが大事だ」


ーーーーー


『本当にダメなんですね』

『当たり前さ。

今度の交流会で泊まる部屋を、兄と2人っきりがいいなんて認められない』


ーーーーー


「なんの話してんだよ! 今は班だろ!?」

「可愛くね?」

「知らねーよ! いいから班! 班はどうなったかを教えてくれ!」

「分かった、分かった。

えーっと、確か……」


ーーーーー


『ふーん、確かにアンタの言う通りだね。

流石優等生。やることが違う』

『ならいいんですね?』

『当たり前さ。もちろん許可する』


ーーーーー


「へぇ〜〜〜……じゃなくて、俺はこの前が知りたいんだ」

「この前? 確かーー」


ーーーーー


『当たり前さ。

今度の交流会で泊まる部屋を、兄と2人っきりがいいなんて認められない』

『ダメですか……ならば学園長、今ここで選んでください。

凍死したいか、溺死したいか、認めるか』

『……私に刃向かうつもりかい?』

『私は選んでいただきたいだけです。

何も、刃向かうなどという意思を、私は1度たりとも見せていません。

これは選択だと言ったはずです。

賢い学園長なら、3つのどれを選ぶかは、もうお分かりですよね?』

『ふーん、確かにアンタの言う通りだね。

流石優等生。やることが違う』


ーーーーー


「と、繋がるわけだ。冗談が自然と言える、可愛い妹さ」

「まだその話だったのか!? っていうかティファナさん怖っ!!」

「見事、力にひれ伏した学園長だったというわけだが、こればっかりは俺が止めておいた」

「そうじゃなくてだなぁ! 俺は班の話が聞きたかったんだけど!?」

「おお、そうだった。

今度のこそ班の話だ」


ーーーーー


『学園長、班の人数なんですけど、私の所は多くても構いませんよね?』

『アンタねえ、私だって立場……』

『溺死』

『いや……だからねぇ』

『凍死』

『もちろん、許可するよ』


ーーーーー


「以上」

「いやいやいやいや、え?

学園長、未だ力にひれ伏してるじゃん! シンラ何も止められてないよ!?」

「バカ言うな。止めた止めた。でも、学園長は認めてくれたんだ。

何かあったら学園長に言えばいい」



ーーー大抵の事は認めてくれるから。



◇◇◇◇◇ー交流会ー


「……で、なんでアインスに向かう俺たちの馬車に、1年生であるステラとイリアがいるんだ?」

「学園長に言いました!」



大抵の事は認められてしまった!! 仕返しか!? 仕返しのつもりなのかアイツ!


俺が学園の適当さに憤りを覚えていると、イリアが話しかけてきた。


「シンラ先輩、私、交流会って初めてで、まだよく分からないところがあるんです。

なので、じっっっくりと教えてくれませんか?」

「あれ? イリー昨日すっごく調べてたじゃない。ちゃんと印もつけてたし。

確か、2年男子の入浴時間でしょ? 後は2年男子の就寝時間でしょ? それに……」

「黙っててステラ」

「えぇ!?」


いや黙らないでくれステラ! それ聞かないといけないやつだと俺は思う!


俺が本能的に危険を察知していると、今度はエドが話しかけてきた。


「シンラ、俺たちって今日も見学すんのか? あれ半分は面倒くさかったな」


絶句。


「エド……お前、何も変わってないな。教師の話は聞いておけよ。

いいか? 見学なんて1年生でやったんだ。2回もやる必要性はない。

俺たち2年生が初日でやるのは、そうーー〈学園会議〉だ」

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