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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
148/217

この日した約束を、俺たちは忘れない 後編

◇◇◇◇◇


丘に行くと、案の定みんなはそこにいた。

適当に話をした後、何となく草の絨毯に転がり、空を見上げた。


この日はただでさえ星が綺麗なのに、ここに来るとそれが余計感じられる。

強すぎず、だけどそれぞれが輝き合う。互いに干渉せず、だけど1つ1つが主張しあっている。


星なんていつでも観れるけど、いつも感じ方は違ってくる。

あの神秘的な光景は、絶えずその姿を変わり続けているのだ。


〜〜〜〜〜


俺がなんちゃって星座を探していると、横にイリアとファナが来た。


「見てくださいシンラ先輩。

あの星、とってもかっこいいです。でも、シンラ先輩の方がかっこいいですけどね」


かっこいいって、星がかっこいいって無理やりすぎるだろ。


「見てくださいお兄様。

あの月、とっても綺麗です。でも、お兄様の方が綺麗ですけどね」


無理やりじゃない、無理やりじゃないけど綺麗って、それ褒め言葉か?

やっぱり無理やりだ。


「ーーー覚えていますか、お兄様。去年のこの日を」

「……覚えているよ」


どこか遠く、なんて話をしたっけ。

でも結局、今年もこうやってみんなと星を見ている。


だったらーーー


「来年もきっと、この星を見よう。

ここで……みんなと……絶対に……」


ーーー気づけば、みんなが周りにいた。

口々に当たり前だ、とか、絶対だ、とか言っている。


「じゃあこれは約束だな、うん。指切りげんまんだ!」


ステラ以外指切りげんまんを知らないので、軽く教えてやると……怖がられた。

「拳万」に「指切り」に「針千本」、確かに凶悪だ。


「やりましょう、お兄様」

「だよな、破らなければいいだけだ」


俺たちは輪になった。そして隣の人と小指を結ぶ。


そしてーー俺たちは約束したんだ。来年もみんなでここに来る。そして星を見るって。


「……叶いますよね、お兄様」

「どうだろう、運命なんてそんな簡単なものではなく、奇跡なんてそうは起こらない。

だったら、自分たちでどうにかするしかないさ」


でも、今日は7月7日。七夕だ。

だったらついでに願っておこう。

願わくば、人生ハッピーエンドを迎えたいもんだ。

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