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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
146/217

この日した約束を、俺たちは忘れない 前編

◇◇◇◇◇


私はステラ、魔法学園で1年生をやっています。

ところで、夏休みが始まりました。


……えっ! 早すぎない!?

ここまで早いと、もう何かしらの悪意を感じるほどに!!

まだ私、もっともっと学園生活を満喫したいのに!!

でも、面白いものほど時間が早く感じられるっていうし、これはしょうがないのかもしれない。

それに、先輩の家でみんなといるのだって楽しいし、ガッカリって訳じゃない。星夜祭というのも楽しそうだ。あるのは知ってたけど、みんな(※ちびっ子達)もいたし、場所が遠かったりで行ってなかった。

……うん、やっぱりーーー夏休みも悪くない……かな。


◇◇◇◇◇


今日から夏休みだと、俺は一昨日くらいに知った。

因みにこんな感じでーーー


『お兄様、もうすぐ夏休みですね』

『え、早すぎないか?』

『時が経つのは早いですねぇ』

『そういう問題?』


ーーーファナから聞いた。


そうそう、夏休みということは、当然の如くエド達もマイホームにくる。

多分昼過ぎかな。

今は朝で、コタツ改(コタツの涼しいバージョン)でくつろいでいると、横の横ににイリアがきた。


「はぁ〜ここは涼しいです。

ーーーそういえばシンラ先輩、今日からエドモンド先輩それにレミー先輩も来るんでしたよね?」

「ああ、もうこれはお約束だ」

「そうなのですか……でも、そういうのっていけないと思いますよ」

「何がだ?」

「考えてもみてください。

同じ屋根の下で異性がお泊まり。はっきり言って不純です」


そこをハッキリ言ったらダメだろう。そんな事いえば元々アウトだ。


俺はイリアの言葉に苦笑いを浮かべるしかなく……それよりお気づきになられただろうか?


イリアがおかしい。


いや、おかしくなんかない。全然おかしくなんかない。


これが普通!


そう、イリアは普通になれたんだ。俺の前にいても普通になれたんだ。(時々ボロは出るが)

これはなんと嬉しきかな。俺の中でイリアの好感度が上昇している。……元々がゼロに近かったけど。

どうやら、俺が死神だと確証したので、自身の心の整理がついたのかな。

なんにせよ、暴走イリアちゃんという、少し頭の隅に考えていたあだ名は撤回しなければならない。


「ーーーシンラ先輩、シンラ先輩」

「あ、何?」

「私の話、聞いてました?」

「………」

「……分かりました。最初から話しますね。

どうやら、魔王がいたとかなんとか世間では噂になってますよ」

「ふーん……それで?」

「どうも信憑性のない話だそうです。

だから大事になっていないんですが、いかに確率が低かろうと、それ自体の噂が噂なだけに国も無視は出来ない。

そこで、とある国が勇者召喚を行うというーーーま、これも噂らしいですけどね」

「そっか……ま、噂は噂だ。気にする必要はない」

「そうですよね。それに……」

「?」

「魔王なんか現れも、勇者なんか召喚されても、シンラ先輩が最強であり不滅であり不老不死で無敵で翼が生えててオーラとか出てて……!」


暴走イリアちゃん!?

というかなんだよそれ、どこの魔物だよ!


でも、勇者召喚かぁ。


プルプルプル、プルプルプル……

……ガチャ


《はい、こちら神様、こちら神様。危険なし。どうぞ》

(おふざけはいい。至急聞きたい事がある)

《聞きたい事、ですか?

珍しいですね。久しぶりに、ほんっとうに久しぶりに【神話】を使った思ったら、事もあろうに聞きたい事、ですか。

そこはもっと他に何かなかったんですか? 具合はどうか? とか、元気してるか? とか》

(神様に心配もいらないだろ)

《失礼なっ!

退屈で死にそうでしたよ!》

(要は何も心配いらなかったという事だろ。

それより、勇者召喚の事について聞きたい)

《むー………ま、いいですけど。

えーと、勇者召喚ですね。

結論から言えば、噂なんかとんでもない。かなり現実味を帯びた、リアルにリアルな話ですよ》

(へー、詳しく)

《フンムラビ王国なんですけど、実は最近、ダンジョンで勇者召喚魔法陣を手に入れまして、いえ……本来そんな可能性ゼロに近いはずなんですが、ダンジョンで手に入れまして、フンムラビ王国は魔王の危機を確認してから勇者召喚を行うつもりです》

(そっか、ありがとう)


ダンジョンで手に入れた、か。

前例がないわけじゃないし、すごく運が良かったんだな、フンムラビ王国ってやつは。


《……こちら神様、こちら神様、シンラ殿に聞きとうことがあります。どうぞ》

(だからそれはいいって。

で、聞きたいことって?)

《シンラさんは、勇者召喚がなんたるかを理解してますよね?》

(勇者を召喚するんだろ?)

《えーそうです。異世界から勇者を召喚するんです。

だけど、ここで一つ問題があります。

それは、地球から召喚される確率が高いんです》

(……うそ)

《大マジです》

(え……いや、それこそ確率的におかしいだろ!?

異世界がどんだけあると思ってるんだよ。そこから地球の召喚が確率高い? 何でそんなこと……いや待て、もしかして……俺か?)

《何でそんな結論に至ったのか不思議ですが、答えはYesです。

シンラさんを地球から最近グランウェールに転生しましたからね、ちょっとした空間的なアレです。

それに、もっと言えばシンラさんが転移した国の日本、さらにはシンラさんが暮らした町の……といった感じで、もしかしたらシンラさんの親しい関係である者が転移してくる可能性が高くなっています》

(よし、壊してくる)

《落ち着いてください。何も今から召喚されるって訳じゃないんです。

召喚される時はすぐに分かりますし、その時は私が教えますから、そんなに急がなくたって大丈夫です》

(だからといって今壊さない理由もない)

《まあまあ、夏休みなんだしゆっくりしてもいいですって》


……確かに、このコタツ(悪魔)から逃れられるにはかなりの精神力が必要になる。寒すぎず涼しい。我ながら恐ろしい物を創ってしまった。


(本当に教えてくれるんだな)

《いやいや、嘘ついてどうすんですかってんだい。私、まだまだシンラさんに嫌われたくありませんよ》

(ならいいんだ。

ーーー今度またな。近い内に行く)

《えっ、デレ?》


プツンッ


………いや、デレってなんだよ。


◇◇◇◇◇7月7日


「っしゃあぁあー!!

今日は星夜祭だぜ!!」


うん、早すぎない?

ストップストップ。今記憶を掘り返す。


えーと、母さんの所に一回戻ったよな。それでステラとイリアは散々母さんに愛でられていた。


めでたいことに新しい命は順調だった。

ファナ達にはギリギリばれなかったが、完全に隠し通すつもりなのだろうか? もうすぐって時に発表?

だったら申し訳ない。もう知ってしまっている。


「エド先輩……元気、ですね」


ステラは、エドのバカみたいに暴走した姿を見てちょっと引いている。


「エドは去年もこうだった」

「そうなんですか。

そういえば、星夜祭って何をするんでしたっけ?」

「星を見るんだ」

「でもそれって家からでもいいですよね?」

「人ってのは何かと祭りたいものなんだよ」

「へ〜、でもやっぱり祭ってワクワクします」

「ま、その気持ちも分からなくはないかな。

ーーーそうだ、ステラとイリアの分も着物を用意したから、後で是非着てくれ」


ステラは俺に礼を言った後、イリアと一緒にものの数分で着替えてこられましたとさ。

◆◆後書き◆◆

このまま行くと、今回みたいにイベントへとんとん拍子で話が進んでいきますが、それがいいか、もしくは時間をかけてでももっと話を増やすか、ご希望があれば言ってください。


それと、地球から勇者が召喚されるかされないかは、多数決? で決めたいと思っています。

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