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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
145/217

助けなきゃ!

◇◇◇◇◇学園内 廊下にて




「ふんふふ〜ん」


意味なく鼻歌、なんとなくスキップ!


「ふ〜ん……ん? あれって……」


私の目に留まったのは、可愛らしい女の子と厳つい男2人。

やや、もしかしてあれは……


『おいおい、お前なめてんのか〜?』

『そんなの嫌ですよ気持ち悪い』

『かあっ! やっぱこいつなめてんなぁ。弟よ』

『全くでさぁ!』


……なんか濃い人だ。


って、そんなことしてる場合じゃない、女の子を助けないと……あれ、先輩!


『なんなんだ騒がしい』

『っ、いえ、何でもねえんですよ何でも。

なあ弟?』

『全くでさぁ!』

『……そのキャラは何だよ』


心なしか、先輩が引いてる気がする。


『というより、何でもないわけないだろ。俺も生徒会なんだ、ここで見逃すわけにはいかない。

で、どっちが何をやったんだ?』

『そんなのこの女が悪いに決まってますって! こいつ、俺の肩にぶつかり足を踏みつぶした後、罵詈雑言をあびさせられたと思ったら、極め付けにはガン飛ばしてきやがったんだ。

なあ弟よ?』

『全くでさぁ!』


おやおや、状況が怪しくなってきた。

私てっきり男の方が悪いと思ってたけど、女の子が悪いんだね。

これは反省しないと。


『マジか……そっちの君、こいつが言っていることは本当なのか?』

『全てデタラメです』

『おっと、俺に嘘は通用しないぞ。因みに今のは嘘だった』

『っ……証拠も何もないのに決めつけるなんて、貴方何様ですか?』

『元神様だったりしてな。

ーーー言い訳はいい、こういう時は生徒指導室に連れて行かないといけないんだった。ちょっと来てもらうぞ』


瞬く間に先輩が事件を解決しちゃった。やっぱり凄いや。学ばないと!


◇◇◇◇◇学園内 渡り廊下にて


「ふ〜ん……んん?」


意味なく鼻歌、なんとなくスキップをしていると、すらっとした男の人が、背の低い男の子を睨みつけていた。


『君みたいな平民が、何でこんな所にいるんだ? ん?

ここは私みたいな誇りある貴族だけがいるべきだぞ』

『そ、それは……』


……これってアレだよね。ダメなやつだよね。あの子を助けないと……あれ、さっきの兄弟君だ。


『やいやいやい、テメエそんなとこでなーにしてやがんだ、ああん?

平民とか貴族とかなんだか聞こえたがぁ、ここじゃあそんなの関係ねえって、お天道様から教わらなかったのかぁ!?

なあ弟よ』

『全くでさぁ!』


すごい、兄弟君は優しい人だった。

それなのに私ときたら……恥ずかしい。


『なんだね、貴族であるこの私に君みたいな野蛮人が何かようなのか? ん?

用がないなら消えたまえ、出来るだけ急いでな』

『てんめぇあんまり調子に乗ってと、怒るぞ!!』

『全くでさぁぁぁ!』


これはちょっと熱くなりすぎかもと、間に入ろうとしたら……あれは学園長?


『おやおや、一体何の騒ぎさね』

『学園長! 聞いてくだせえ、こいつときたら 貴族だからっていちゃもんつけてんですよ、頭くらぁ』

『ふーん……で、本当かい坊主?』

『坊主っ!? 誇りある貴族である私に、よりにもよって坊主呼ばわりだと!?

貴様学園長だからといって調子に乗ってるんじゃなかろうなぁ?』

『バカ言いなさんな。私は乗りこなしてんだよ。

それと、ここでは貴族とか平民とか関係ないと知っているんだろう?

これ以上ギャアギャア言うと、死神を連れてくるよ』

『なっ、Sランク冒険者死神の事か!?』

『あいつと私は親友でね〜。私が一声かければ何でもやってくれるんだよ』


サラリとウソを言った!


『くっ……覚えてろよ!』

『次はないからね、こっちもよーく覚えておくよ』


瞬く間に学園長が助けてくれた。

普段何をしてるか分かんなかったけど、やる時はやるんだね。私も学ばないと。


◇◇◇◇◇マイホームにて


……今日は何だったんだろう。

助けようとしても裏目に出る。助けなくても裏目に出る、かもしれない。難しいなぁ。


あっ、先輩が前に言ってたっけ。助けるなんておこがましい、って。


私はまだまだ未熟者なんだし、ちょっと早過ぎたのかもしれない。学ばないと。


「お、落ち着けファナ! 別に俺はやましい事なんて……」

「ならば、何故今日の朝にレティスが裸でお兄様の部屋にいたのですか?」

「だから本当に知らないんだよ。気付いたら良くあることだろう?」

「そんなのよくあったらたまりません。少し反省してください」

「い、いや………っ、助けてくれステラ!」



え、私? 私は……


「……私じゃおこがましいです(怖いです)

「心の声が聞こえたぞ!」



ーーー私は少し、成長した(かも)



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