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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
139/217

確かな異変 迫る非日常

◇◇◇◇◇


2年生。

そろそろ学園に飽き…ゴホンゴホン、今年も1年頑張ろうと思う。


だが、なんというか……少しクラスメイトに申し訳ない。ファナと友達になろうと近寄る男がたまにいるのだが、条件反射でそれを撃退してしまう。

くそ、静まれ俺の右腕(※魔糸で男を縛り上げた右手)。


……と、冗談はここまでにして、俺たちは昼ご飯を食べていた。



「シンラ先輩、今日は栄養目ばっちり美味しい自信アリの弁当を作ってきました。

食べてくれますか?」

「いや、ファナが作ってくれてるのがあるんだけど」


俺は、イリアの弁当をチラッと見て、アイコンタクトで横にいるファナに助けを求める。


「……ふぅ、ねえイリア。

なんの事前もなしに、それは失礼にあたると思うわよ。今日はしょうがないけど、今度から気をつけなさい」

「はい、お義姉さま」


プチン


あっ


「……ねえお兄様、やっぱりコレが家にいるのは我慢がなりません」


お、結構抑えている。ここが学園だからだろうか?

マイホーム内じゃ怒声一歩手前というところだからな。

度重なるイリアの不躾な言葉に、この頃ファナはストレスが溜まっていくようだった。本当にイリアは何がしたいんだろう?


「でもなファナ、イリアは……」

「私、今親子の縁を切っています」

「これだもんなぁ」


イリアがマイホームに来たあの日、実は、イリアの父が猛反対したらしく(当然だ)、急いでいたこともあって、イリアは親子の縁を切り家出状態という事だ。

俺から何か親御さんに一言言わなければならないと思うんだが、ちょっと怖そうだから後伸ばしにしている。

母親の方にはイリアの無事を報告しているので、大事にはなっていない。父親の方は意固地になり、イリアなんかもう知らん! みたいな感じらしい。



「というか、ファナ。イリアの事は認めていないのに、ステラはいいのか?」

「ステラは良い子です。何かと手伝ってくれてますし、気配り上手な女の子です。ステラは大丈夫だと思っています」


なんじそりゃ


「でも、イリアだって色々と手伝ってるようだが?」

「下心丸見えです」


そういうもんか。

どうやらイリアとファナは仲良くなれそうにないらしい。


「それに、イリアは大丈夫じゃないんですよ。

私が止めなければ、夜に10回はお兄様の部屋へ侵入しています」


ファナのカミングアウトに、イリアは「あら?」といった感じで、付け加える。


「それはティファナ先輩だって同じじゃないですか。私が止めなければ、10回はシンラ先輩の部屋に忍び込もうとしていましたし」


どっちもどっちという事か。

というか、前ファナに一週間禁止をしたのに、これじゃあなんの意味もなっていない。



「そもそも何で夜に忍び込もうとするんだよ、訳分からん。

レティスなんか、堂々と最初からいるぞ」

「「……レティス(先輩)?」」


「……ん」


「そんなっ、ティファナ先輩が抜け駆け!」「レティス貴女………そう、コレが……寝取られ」


なんのこっちゃ。


ファナとイリアがショックを受けていると、俺は後ろに知った気配を感じた。


「ーーーシンラさん」

「ミランダ副…ミランダ会長、一体どうしたんですか?」

「ちょっとこちらへ」


手招きで誘われて、俺はミランダ会長についていった。

場所は、生徒会室だった。


◇◇◇◇◇


「それで、何か用ですか?」

「はい。私達の将来についてで、重要な話があります」


「……」

「……」


「……ペルセフォネ元会長の真似ですか? 失礼ながら、少し笑いそうです」

「それは良かったです。では本題に移ります。

今度の遠征ですが、魔物……ラットアットが大量発生しているようなのです」

「大量発生? 原因は何か分かっているのですか?」

「それが、よく分かっていないらしく、一部ではクラッシュバガーの狩りすぎにより、ラットアットが捕食されずに、増え続けてしまったという結論に至っています」


ラットアット……ドブネズミみたいな見た目の魔物か。


「それで、中止という事ですか?」

「普通はそうなっていたのですが、学園長が『ああ、シンラ・アリエルトにでも任せときな』……と仰っていました」


何言ってんの学園長?

何があっても責任取れるのかよ。


「昨年の遠征した場所が、1番ラットアットが少ないようです」

「……それを、俺が殲滅すればいいんですか?」

「いえ、学園長が『1年生に経験を積ませる。シンラ・アリエルトには、1年生が怪我しない程度に頑張ってくれ』……と、仰っていました」


本当に学園長なんなの? 注文多すぎない?


「シンラさんを筆頭に、私達生徒会が1年生を怪我なく対処します。

ですので、これはティファナさんとレティスさんにも伝えといてください」

「分かりました……ん? ファナとレティスならさっきいましたけど、なんで一緒にここへ呼ばなかったんですか?」

「あまり関わりたくない雰囲気を出していたので」


……なるほど、納得。

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