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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
138/217

生きる化石

◇◇◇◇イリアの場合


ステラの使役魔物は無事に見つかり、今度はイリアの番だということで、俺たちは、去年クーネがいた海に来ていた。


俺は薬を2人に渡してその効果も教えるが、特に驚かず、今は自然と海の中を歩いている。イリアなんか目をキラキラさせて俺の方を見ていた。


「シンラ先輩、もしかしてそれって氷魔法ですか?」

「ああ」

「凄いです!」


……これだもんなぁ。

調子に乗ってクラーケンを2秒で瞬殺したのに、この反応はおかしいだろ。イリアの中で俺はどういった存在なんだ?


「せんぱ〜い、何もいませんよ!

いえ、凶暴そうな魔物はたくさんいるんですけど……」


ステラの言う通り。

去年はたまたま? クーネが見つかったから良かったようなものの、そんなにゴロゴロ、クーネレベルの魔物がいるはずもない。あの小ささであの強さは異常だ。

あれ程となると、水龍とかダイオウなんちゃらという、大きさが巨大すぎる魔物しかいない。だがそうなると、使役魔物としては扱いにくい。そもそも使役されるかどうか怪しいところだ。


つまり、今年もそんな運良く、イリアの見つけたい魔物がいるはずなんかない……


「シンラ先輩! これなんかどうですか!」


と、どうやらイリアが何かを見つけたらしい。俺とステラは小走りでイリアの方に近づき、すると、そこにソレはいた。


「これなんていう魔物でしょうか?」

「……いや、なんだろう。

ペンギン、いやジュゴン……むしろ下はシャチ?

しかも氷の兜を被ってるだと? 手には氷の槍……本当にこれ何なんだ?」


氷魔法を使う魔物なんて、ここら一帯にいるはずがない。少なくとも俺は知らない。

が、目の前に生きる証拠を見せられては強く言えない。

何も俺の知る常識が、世界の事実とは限らないもんな。勉強不足と反省しよう。



「ーーーふむ………ふむ…………よし、決まりね。

シンラ先輩、どうやらこの魔物お腹が減っているみたいです。

何かありますか?」

「オーケー、今創った」


【創造魔法】で創った、〈万能剤〉。

これを一粒食べれば、どんな生物だって元気はつらつ。栄養素とか消化を無視した概念の元に、この万能剤は出来ている。


俺は、イリアに万能剤を渡す。イリアはそれを魔物に渡すとパクリと食べ、一瞬で元気になった。


「シンラ先輩、どうやら使役出来たようです」

「は? そんな急に?」

「はい、実は交渉しまして。

何か食べるものを欲しいとアイコンタクトで懇願され、私はその代わりに使役を頼んだら、悩む事なく許可されました」

「そ、そっか」


まさか既に決着がついていたとは、イリア恐るべし。でも、この魔物本当に何なんだ?


「名前はシン……シャーラです!」


若干俺の女装…ゴホンゴホン、シーラと似ている。が、詮索されたくはないので余計なことは言わないでおこう。


/\/\/\ペンチゴン/\/\/\


名前:はぐれペンチゴン


説明:ここは一体どこだろう? 俺は一体誰だろう?何も知らない分からない。

知ってることはただ一つ。お腹が減って動けない。


説明2:昔々あるところで、勇者の氷魔法をくらって生き残った魔物が、それに適応すべく細胞が変異し、氷を操れるようになった魔物。それがペンチゴンー


説明3:今は絶滅している。それこそペンチゴン!


説明4:じゃあこのシャーラーは?

そう、このシャーラは現代に生きる唯一のペンチゴン。

昔、仲間同士の争いで、氷漬けとなったシャーラーは、つい先日その氷が溶けて復活した。凄いぞペンチゴン!


説明5:陸も海も自由自在。氷魔法はお手の物。

本来群れで最強伝説を作ってきたこのシャーラーは、今はひとりぼっち。そんなシャーラーは、現実を直視して才能が開花する。故に、ひとりぼっちでも最強伝説は作れるさ! 頑張れペンチゴン!


/\/\/\ペンチゴン/\/\/\

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