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神羅転生物語  作者: watausagi
最終章 降臨
133/217

実技試験

◇◇◇◇◇


『10時から……ーーー……ですね』


って、受付の人が言っていたことまでは覚えている。

今は10時。……ん? 10時だよね?

え、ここであってるよね? 逆にここじゃなかったらどこだって話だし……


「次は誰だ!!」

「あっ、はい私です!

私、です……………私ですよね?」

「いや知らんが、とりあえず名前を言ってくれれば分かる」


『ぷふっ、何あれ?』

『緊張しすぎだろ!』

『お前らバカか?そんな事どうでもいい。

今はあの可愛いさが異常な件について議論しろ』


うぅ……なんか目立ってる。アホの子と思われちゃったかな?

先輩は堂々としてればいいなんて言ってたけど、無茶だよぉ〜。


「ス、ステラ、です」

「ステラ…ステラ……ん、安心しろ。ここで合ってるぞ。

それに、筆記の結果は素晴らしいなぁ。期待しているぞ」

「は、はい!」


恥ずかしい。とっても恥ずかしいけど、筆記は大丈夫だったらしい。

よし! 実技も頑張ろう!

……でも、何をアピール? みたいなのをすればいいんだろうか。


「どうした、何かやって見せてくれ」

「えーっと……」


「ーーー的を壊せばいいさ」

「学園長!」


後ろから誰かに声をかけられ、え? 学園長?


「あのー、的を壊すだけでいいんですか?」

「ふふふ、簡単に言ってくれないでおくれよ。

前回はボコボコ壊されてたせいで、今回は一層硬くなってるんだ。そうやすやすと壊せるもんじゃない。

このことを分かった上で、それでもまだそんな減らず口を叩けるのなら、いいさ、それを現実にしちまいな」

「わ、分かりました」


大きく深呼吸……すぅぅはぁぁぁ。すぅぅぅはぁぁぁ……

大丈夫!

先輩が言ってたことを思い出すんだ!


『ステラの場合、空間魔法と闇魔法に適性があるんだけど、空間魔法は知られない方がいい。面倒なことになるから』

『えーと、じゃあ、私は闇魔法だけって事ですか?』

『いや、空間魔法も使っていい』

『ほへ?』

『みんなはもちろん空間魔法なんて知りやしない。こっちが何かをした所で理解不能と結論づける。

要はバレなきゃいいってこと』

『バレなきゃいい……覚えときます!』


ーーーいける。


闇魔法はその特性上、扱いにくいものとされている。

なんでかっていうと、攻撃範囲が狭いから。自分の影を魔力で実体化させて攻撃するから、せいぜい10メートルいけばいい。

例外は魔力で影を作るか(言葉にすると簡単だけど、私は全然ムリ)、自分以外の影を使うことだけど、これは一気に難易度が上がる。魔力と上手く混ざりにくいのだ。

それに実体化させた影は動かしにくい。熟達した人じゃなければ真っ直ぐにしか動かせない。そして私もまだまだそのレベル。


だけど私は先輩がいる。

まずは自分の側で影を魔力で高密度に実体化。次に的を攻撃。

ではなく、このままじゃ距離が遠すぎて、細く頼りない影の攻撃になってしまうので、空間魔法で的の影にもっていく。

そして……


『この棒が見えるか?』

『はい』

『そしたら、こっちの端が始まり。こっちの端が終わりと考えて、こうやって輪にする。

さ、始まりと終わりはどこだ?』

『んー……ない?』

『そう、始まりと終わりなんて存在しない。

一直線の棒を、こうやって輪にする事で、始まりは終わりに、終わりは始まりとなった。

ま、これは単純な例だ。別に輪にすることはない。

確か、ステラは影を動かすのは得意じゃなかったな』

『す、すいません』

『謝らなくていいよ。あれは俺でも難しかった。

えーっと、だけどな、ステラには空間魔法がある。それを使えば問題は解決できるんだ。

あっ、もちろん空間魔法は……』

『バレなきゃいい、ですね!』


実体化させた影で、一直線に的を貫かせる!

本来ならこっからまた影を動かせればいいんだけど、難しい。だから私は……

貫いた影の先に、空間魔法を使い、再度的の方に向けて貫く。(先輩は『まるで理論上のブラックホールとホワイトホールみたいだな』って言ってた。)

そして、その貫いた影の終わりに、また空間魔法を使って的へ。

こうする事によって、私の感覚では影を一直線に出しているだけなのに、的の串刺しが出来上がった。


「闇魔法 [影縫い・ツナギミチ]!」


シュドッドドドッッドドドドド……


「「「………」」」

「これは……ったく、やっぱりアイツが関係していたかい」


あ、あれれ?

何これ。何この空気。私ダメたったの?


「せ、せんせ〜い」

「まさか自分以外の影をあれほど高速に、何か仕掛けあってのことか? だが一体どうやって………ハッ…な、なんだ?」

「私、ダメだっんでしょうか?」

「いやいや、そんな事はない!

あまりこういうのは言っちゃあいけないが、入学は確定だと思うぞ」

「良かったぁぁ」


先輩にいい報告が出来そうだ。


◇◇◇◇◇


ーーーーー

ステラ

筆記300満点中290点

実技 特級

これにより、特待生とする。

なお、主席入学を決定する。

クラス1ー2

ーーーーー

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