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神羅転生物語  作者: watausagi
第2章 学園編 色々な大会編突入
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格の違い

◇◇◇◇◇


転移でギルド到着。

いつも通り、ある程度人がたむろしている。

エドはさっさと依頼を取りに行った。

受付には……うん、シルヴィアがいる。

休んでる姿見たことないんだが……


「おや死が……シンラさん。

さっきの方は確か、エドモンドさんですね。

今日は女性の方いないんですか……」

「待て待て、まるで俺がいつも女連れている風な言い方やめろ」

「おや、違うのですか?」

「それは……あれ、違くない」


でも、言い方ってもんがあるだろうに。

女たらしと誤解されるのは嫌だ。


「貴方は男友達がいなさそうですし」


…………実際、エドだけだから1人。

いや、父さんいれれば2人!

第1学園の学園長入れて3人だ!!


「ーーーうぃ〜い、シンラ! これなんてどうだ?」


3という数字に1人満足していると、依頼を見つけたらしいエドが、スキップでこちらにやってきた。


「ん……どれどれ………タイファント……大量発生……東の荒野」


要は殲滅という事だな。

それにしてもタイファントか。

巨体で力は強いし、人型だからノロイという訳でもないし、特徴として腕も伸びるから厄介だ。(俺? 俺は家から、タイファント破壊爆弾をポチッと、で済むけど)


「久々に腕かなるぜ!!」


俺は……そうだな、ライム(最強のスライム)にでも任せておこう。


◇◇◇◇◇


「ブォォッオオ!!」


ドシンッ

ドシンンッッ


タイファントの容赦ない連撃。しかし、エドは避ける避ける。

そして隙ができた瞬間、土魔法で相手の足場を崩す。これは上手い。

尻餅ついたタイファントに、自慢の剣の腕で止めを刺した。

「ブォォォォ……ォ…………」


「よっしゃっぁあ!」


勝者、エド。


〜〜〜〜〜


一方、こちらはライム。


「ぷるん、ぷるん、ぷるん」

「ブォォォォ……ォ………」「ブォォォ………」「ブォォォ………」


タイファントに無双していた。

語る暇もなく、どんどんとタイファントの死体が積み重なっていく。

時にクミ(九尾)の技、時にリル(フェンリル)の技で、ちぎっては投げちぎっては投げの負け知らず。

何故、ぷるんしか言わないのか、心底不思議だが、個性ということでいいのだろう。


勝者、ライム。


〜〜〜〜〜


「ーーーふぃ〜〜〜、スッキリした。

勉強ってのはストレスたまるからいけねえんだ、やっぱ体動かさねえとな」


見た目90歳のお婆ちゃん、みたいな見た目をしていたエドも、すっかりと調子を取り戻している。


「なぁシンラ、ここら辺もういねえみてぇだし、あっちの森に入ってみようぜ」

「タイファントは森にいない。

それより、その森はイータビーの森だぞ? やめといた方がいい、俺はここに残る」

「いーたびー?」

「学園で習ったよな……?」

「あーダメダメ、勉強の話はよしてくれ。

つまり、そのイータビーっていうのを狩ればいいんだろ?

簡単な話じゃねえか」


……後悔しても知らんぞ。



◇◇◇◇◇10分後


「ぎゃぁぁぁーー!?

ちょっ、 やべっ、シ…シンラァァ!!」


エドが森に入って、何分か経った頃。後ろに大量の何かを連れて、今帰ってきた。


まあ、大量の何かというのは、もちろんイータビーの事だ。

あいつらは全長30センチくらいの見た目スズメバチで、いつも10匹単位の集団で行動している。

その集団がさらに、この森では100や1000の組み合わせがいて辛い。


「うおっ、っととと、あぶね!!」


少しは腕の立つエドが苦戦しているのは、その戦力差だけではない。

相性が悪いのだ。

イータビーを剣で斬ろうとしても、回避力が無駄に高いあいつらの事だ。避けられる。

だからこそ魔法使いは有用だが、エドはその中でも1番相性の悪い土魔法だ。そりゃ苦戦もする。


「ボーッと突っ立ってないで、これなんとかしてくれ!!」

「やれやれ…………飛んでる虫には水をかけてやるのが1番だな。

エド〜息を吸え!」

「んん? ……スゥゥーーー」

「よし、[TOrnado(降り荒れた),Infinity(果てしなき),Rain,End(終わりの雨)。略してTOIRE]」


広範囲殲滅系 水魔法。

エドとイータビーの周りに、無数の水が現れ、それは徐々に収束して、渦となり、エドごとイータビーを巻き込みながら上昇していく。


「ゴボッ、ゴボォッ!?」


エドとイータビーは、グルグル回り続ける。真ん中へと真ん中へと進みながら。


「ッガッボボボ……」

「我慢だ我慢。もうすぐだぞー」


激しい酔いと息苦しさを感じながら、やっとエドは真ん中にたどり着き、トルネード型の先っぽの方から、バシャァと出てきた。


「ガフォッ、ゲホッゲホッ…ブフゥ……これは、ちょと、酷すぎる」

「学園の授業と俺の忠告を聞かなかった罰だ。

さ、イータビーも死んでるわけじゃないし、じきに復活するぞ。

また、さっきみたいに……」

「げげっ! もう、あんなの御免だ!!」


顔を青ざめながら、我先にと走り出したエド。

……森さえ出れば、イータビーは追ってこないというのを忘れたけど、まぁいいか。


◇◇◇◇◇


ヘトヘトで走っていたエドに追いつき、転移でギルドに帰り報告も終わった。

今は歩いてマイホームにお帰り中だ。


「シ、シンラ……なんか、ヘックしゅ……寒くなってきやがった」

「あれだけビショビショになったから、風邪でも引いたんじゃないか?

明日から学園なんだし、気を引き締めないといけないぞ」

「あ、あぁ、ブエックしゅ……うゔぅぅ」


どうやら、俺のせいらしい。

服は今こっそり乾かした。風邪でも引いたら治してあげようと思う。


「ずずーっ……そうか、明日から学園なんだな。

冬休みはもう終わりか……」


エドは残念そうにしみじみと呟く。

そうか、確かにもう冬休みは終わりだ。

なんか2月に行事なんて……あっ、特待生パーティなんてのがあったよな。

そんなに特待生が多いわけでもないし、凄くツマラなさそうだが、ファナが張り切ってドレスを選んでいたのを思い出してしまった。行かないとは言えない。


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