やっぱりこうなった。
◇◇◇◇◇1月28日
「エド、お前宿題は終わらせたんだろうな?」
「おいおいシンラ。ちょーっと考えてみればわかる事だ。
今回の宿題は少なかっただろう?」
お……
「半分は終わってるかもだぜ」
「バカ野郎。
あと何日で冬休みが終わるか、知っているのか?」
「残り1週間も無い!!」
「お前には計画性というものがないのか?」
「おいおいシンラ。ちょーっと考えてみればわかる事だ。
俺を甘く見ないほうがいい。
残り5日だか4日だか知らねえが、だけどよ、そんだけありゃ宿題が終わらないって事があるか普通?」
「いや、ないな」
俺は1秒もかからなかったし。(※時魔法はズルいと思います)
「だろ? だから安心しな。
シンラはそこら辺で茶でも飲んでろって」
◇◇◇◇◇1月31日
「シンラァァア! 助けてくれよ!!」
……ズズー
「お願いだ! 一生のお願いだ!
俺に力を貸してくれ!!」
ズズー
「頼むよシンラ……って、さっきから何やってんだ!」
「茶でも飲んでんだよ」
「スンマセンでしたぁぁあ!!
あの時の俺がバカでした!!」
「今もだろ」
「そ、そんな事言わないでさあ……宿題が終わんねえんだよ」
「レミーがいるだろ」
「去年言っちまったんだよ。
これで最後だからって」
完全に自業自得じゃん。
「シンラァ………」
「ああ、もう…鬱陶しい!
分かった! 教えてやるよ」
ったく、結局はこうなるのか……
〜〜〜〜〜
「ーーーだから、要は暗記なんだって」
「んな事言ったってよぉ〜」
「歴史は覚えるしかない。覚え方の工夫は後で教えるが、基本覚えるしかない。
数学なんていうのは公式さえ覚えれば、後は問題に慣れればいい。…そう、慣れだよ慣れ。
エドは、圧倒的に基本の勉強量が少ない」
「言い返す言葉もねえ」
「学園で習ったことを復習なんて、1回もしたこと無いだろ」
「うっ……」
「……はぁ……復習はいいとして、授業の前に予習するだけでも、全然変わってくるんだぞ?
どこか理解できなかったら、集中して先生の話を聞こうとする。そこが分かった時の達成感は気持ちいいもんだ。(多分)
少しはエステルを見習え。あいつ同じ問題を、何回も繰り返し繰り返しやってるんだから」
「繰り返すだけで意味あるのか?」
「ばーか、現にあいつはそれで、天才……なんて周りから呼ばれてるんだ。
同じ問題を繰り返す………確かに方法としては非効率で遠回りかもしれないが、エドみたいな奴にとっては、案外1番の近道だったりする」
「んー………」
「ま、お前に言ってもダメか」
「だな!」
はぁ……勉強をしたくないという気持ちは分かるが、せめて最低限宿題さえやってくれれば、また随分変われるってことを分かんないかなぁ。
いっつもレミーに甘えすぎなんだな、きっと。
俺も面倒くさいし、家庭教師型オートマタでも創るか? ……後々アーティファクトとか呼ばれそうだ。失われた古代文明……ってか。
〜〜〜〜〜
「だあ〜頭いてぇ!」
「……なんて言ったらいいか……本当に宿題やってなかったな………。
いや、俺が悪いな。こうなる事は予想できたはずなのに、もっと早くから言うべきだった」
「くぅー……数字を見たくねえよ」
「あと半分だ。明日も入れれば安心して終わる」
「ひぇ〜」
なーにが、ひぇ〜だよ。
付き合わされてるこっちの身にもなってほしい。
「ほら、今日頑張れば明日は楽だぞ。もうちょっとだけ、もうちょっとだけだ」
「ぁ〜ぃ」
………ふぅ、疲れる。
◇◇◇◇◇2月1日
「ジ…ン……ラ……」
「見事だった」
見た目90歳のお婆ちゃん、になってしまったが、無事(?)に宿題は終わらせた。
「ん……気晴らしに依頼でも受けるか」
「おぉっ! それだ、それがいい!
早く行こうぜシンラ!」
「分かった分かった。
……そうだな……もしもあれば、夏休みに行けなかった、討伐系の依頼にするか」
「よっしゃっ!」
やめろ喜ぶのは。不謹慎だ。
依頼がでたって事は、それなりに被害も出てるという事実だからな。
「さーて、じゃあ行くぞ」
「おうっ!!」