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神羅転生物語  作者: watausagi
第2章 学園編 色々な大会編突入
121/217

今宵は闇鍋じゃ!!

◇◇◇◇◇


「お兄様、その……闇鍋とは……?」

「簡単に言えば、食材何でもありのドキドキワクワク鍋だ」

「おいおいシンラ、食材何でもって……本当に何でもいいのか?

スッゲー面白そうだな」


面白そう……か。

料理を遊ぶといったら言い方は悪いが、料理を楽しむといったらいいかな。


「食材は俺が用意するから。

そうそう、絶対に完食はするぞ。それが唯一の絶対的ルールだ」


〜〜〜〜〜


「それじゃあ今から各自1つずつ入れていくからな。

自分の番以外は、この高性能な目隠しを使うんだぞ」


もちろん、食材を入れるときも鍋の中身は見えません。

だって、高性能な目隠しだから。


ーーーーーファナの場合


「ん〜……これですね♪」


ポチャポチャン


………ファナは変なものを入れたりはしないと予測できる。きっと大丈夫だ。


ーーーーーレティスの場合


「……えい」


ポトン…ポトン


………音からするに、そこまでは大きくないな……レティスは予想できん。


ーーーーーセレナの場合


「こんなんでいいかしらね」


ポチョンポチャンポチョチョン


………それぞれ音が違う……色々入れたんだろう。


ーーーーーアティの場合


「これしかないわね」


ボチュン


………ん? え、ちょっと待って……ボチュンって何? 大丈夫だよね?

俺は変な食材を用意したつもりはないが……なんかアティなら補正がかかりそうで怖いんだけど……


ーーーーーシェリーの場合


「とりゃー」



………音がほとんど聞こえない。かーなーり小さいんだな。


ーーーーーエステルの場合


「わたしは料理などした事無いぞ……これは食べ物だろうか……」


ポチョン


………アティと同じくらい心配だ。


ーーーーーエドの場合


「俺はこれしかないぜー!!」


ボチャンボチャチャン


………肉だな。エドはきっと肉だ。そうに違いない。


ーーーーーレミーの場合


「えぇと……ぇっと……これで!」


ポチョンポチャボチャポチャ


………セレナと同じだ。色々なものが入ってそう。


◇◇◇◇◇


「じゃあ、開けるぞ……」

「「「うん……」」」


さぁ中身は………


ーーむわわ〜〜〜ん


………混沌となっていた。

フルボンヌさんのゲテモノ料理といい勝負が出来る(あれ? フルボンヌさんって誰だ?)


「シンラ、俺は闇という意味を少しだけ理解した気がするぜ」

「食べ物を粗末にはできない……食うぞ………エドが」

「やっぱ俺なのか……」

「冗談だ。流石に全部は食べさせない。さーて、一体何が入って……赤っ! 何これ赤!!」


第一陣は、身の毛もよだつ血まみれフルコースだ!!


「ああ、それ私ね。

適当に赤いものを入れといたわ」


どうやらこれはセレナの仕業らしい。

赤いものって……パプリカとかトマトとか、他には唐辛子とか鷹の爪とかキムチとかだ。

後半辛っ。


「じゃあこの緑は何だ?」


第二陣は、自然豊かなグリーンスペースだ。


「そ、それは私です。

適当に緑のものを入れときました」


どうやらこれはレミーの仕業らしい。

緑のものって……キャベツとかキュウリとか、ワサビとか青唐辛子だ。

これも辛っ。


「赤と緑は避けよう……つまり……ここだ!! っ……!?」


第二陣は……親方!! 鍋から黄色いのが!!


「それは、(わたくし)のね」


アティ……って事は、これってチーズか!?

鍋になんてものを入れて……いや、お鍋でトロッとろに溶けたチーズ……意外と美味しいのか?

そもそも、美味しくなくてもこれくらいで済んだのならいい方じゃないか!

ポジティブに考えるんだ。

食材はチーズ。だったら今度は汁をよそごうとすると……黄金色はどこにいったのやら、黒くなっていた。


「これは、レティス?」

「……甘々」

「甘々……じゃあ、これはチョコかーーどれどれ」


チーズは避けて、チョコをグイッと……うん……うん……しょっぱくてしょっぱくて……しょっぱくて……ちょっと甘…やっぱりしょっぱくて……


「いや、なんでこんなにしょっぱいんだ!? 全然甘々じゃない!!

誰が一体…………ファナは何を入れた?」

「私はお野菜を少々」


疑ってごめん。やはりお前は、お前だけはいつも癒しとなってくれる。


「エドは何を入れた?」

「肉だ!!」


ごめん知ってた。


「エステルは?」

「私は白色の脂っぽいやつだった」


恐らく……牛脂。


「じゃあ……シェリー、お前は何を入れたんだ?」

「わ、私はなんか……粉っぽいのを全部サラサラ〜っと」


粉……塩に塩胡椒にブラックペッパー。そりゃしょっぱいはずだ。


ーーーさて、今回は毒も入ってなかったし、頑張って完食……


ガシャンッ


……ん? エドが倒れた?


「……おい、おいエド……」


っ……死ん…ダメだ、気絶している。一体誰がこんな事を……


《クスクスクス。

私だけ何も入れないなんてズルイですよ》

「メリー、お前だったのか。エドがここまでとは、一体何入れたんだ?」

《アティさんの腰にある道具袋から、ちょちょいと入れちゃいました》


哀れエド! お前の死は無駄にしない!!(※死んでません)

必殺、魔糸の応用編、魔離悪練徒(マリオネット)


「……あれ、エド君どうかしましたか?」

「なんか闇鍋が気に入ったらしくてな。そうだろエド?」


エドは無言で首を縦にふる。


「 どこかおかしいような……」

「きっと口の中がいっぱいだからだろ。

ほら、エド。もっと食べな。お前の好きな闇鍋だよ」


俺の事を怪しく見てたレミーだが、諦めてファナ達とおしゃべりを再開した。


《クスクスクス、鬼ですねお兄さん》

「1人はみんなの為にってやつだ。そんなに言うなら、自分が食べたらどうだ?」

《別に一口くらいなら…っ………いえ、止めときます》


ん? どうしたんだろう? いきなりテンション下がりだしたぞ……


スプーンを持とうとしたメリー。そして結局、持たなかったメリー。


ーーー俺がこの理由を知るのは、まだまだ先の事だった。

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