四連召喚魔物競技大会 泥も土?
◇◇◇◇◇
《さて、次の障害は〈森林迷路〉!
ダンジョンにあった、かーなーり高価な魔導具です。
ボタン1つであら不思議、広大な迷路が出来てしまいます。
ーーーおっとぉお!!只今最初の選手が到着しました!!
スタート地点は複数ありますが、これをどう切り抜けるのでしょうか、ペルセフォネ王女?》
《なんとなく想像はつくわ》
《つまり……?》
《荒れるわ》
「ヒトラン、〈大炎極火砲〉!」
「ガウッ」
ボフン
ドゴンッッ!!
「〈大炎極火砲〉!!」
「ガウッ!」
ボフン
ドゴンッッ!!!!
「〈大炎極火砲〉!!!!」
「ガウッッッ!!」
ボフン
ドゴンッッッッッッ!!!!
《凄いわセレナちゃん、ゴールまで最短距離ね》
《…………迷路とは何なのか……わたし今、少し分からなくなっております》
《セレナちゃんは決められた道を進むのではなく、自らが作り出す自分の道で、勝利へと突き進むみたいね》
《何かそれっぽいこと言ってますが、作り出すというより、壊してますよねあれ》
《気にしないの。
ーーーそれより、次の選手が来たわよ》
「……キュー……〈穴、掘って〉」
「キューキュー!」
ザッザッザ……ズドドド………
《凄いわレティスちゃん、ゴールまで最短距離ね》
《……誰1人として、正しく迷路をやってくれない事に、私少し悲しいです》
《そんな事言わないで、ほら、他のみんなはちゃんとやってるわよ。
名前も使役魔物も明かされない方達だけど……》
《……ペルセフォネ王女、貴女かなり言いますね……
ーーーおや? あれはティファナ選手……》
「クーネ、〈ウォーターロード〉」
ぴょっこぴょこ
すいすいーーーすいすいーーー
《あら、ティファナさんは迷路の上を水の道を作って渡ってるみたいね。
こっちも最短距離ね》
《……この迷路……高かったのに……》
◇◇◇◇◇
《最終障害、〈泥沼地獄〉!!
早速1番にきたセレナ選手が手こずっております!!》
「ガルッ……ガルッ!」
《足が泥で、完全にとられてるわね。
もがけばもがくほど……厄介な障害だわ》
《いやー良かったです。これを作るのには、結構苦労したんですから!》
《……レティスちゃんが来たわ》
「……キュー……《穴、掘って》」
「キューキュー!」
ズボッ……ズボボボボ………
《なっ! こ、こんなのありでしょうか!?
……泥の中を通っている!!》
「……泥も……土」
《泥も土……これはレティスちゃんに一本とられたわ。
どうやらキューちゃんは、土と定義されるものなら自由自在みたいね》
《言ったもん勝ちみたいですが……つまりは………》
《この競技……レティスちゃん率いるキューちゃんの勝ちね》
◇◇◇◇◇
1位.シンラ・アリエルト
2位.シェリー
3位.レティス
4位.ティファナ
5位.セレナ
他.200名
〜〜〜〜〜
《第一競技、障害物競走は上のような結果になりました!!》
《最初のシンラくん達の、連続1位2位は圧巻だったわね》
《確かに……今考えただけでも不思議です。
開始1秒でクリアされるとは……》
《3位のレティスちゃんのキューちゃん、戦闘向きじゃないけど、この競技は大活躍だったわ》
《木を掘って土を掘って泥を掘って……我々の予想を上回る結果でした》
《ティファナさんのクーネ、途中の手が滑っちゃった事件以外は、自分の特性を生かしてたわ》
《結局、どの競技も無視ということ事ですけどね………
空への対策をしなかった私達の落ち度……ですけどね………》
《5位になってしまったセレナちゃんのヒトラン君。
途中までは良かったんだけど……》
《泥沼地獄……ですか。
何度も〈大炎極火砲〉を撃っても、次から次へと周りの泥が襲いかかってきましたもんね……》
《向き不向き。
ヒトラン君には次の競技を頑張ってもらおうかしら》
《では5位以下の人達はどうでしょうか?》
《最後まで地味に障害を乗り越えて、とても頑張っていたと思うわ》
《……気のせいでしょうか?
言葉に悪意が感じられます》
《気のせいよ。
それより、次の競技……〈殺死…コホンコホン……コロシアム〉。
シンラくんと40人
シェリーちゃんと40人
レティスちゃんと40人
ティファナさんと40人
セレナちゃんと40人
これに別れて一斉に戦ってもらい、勝ち残った者が、次の競技へと進むことができるわ》
《なるほど………ところで、そのシンラ選手達5人を分けたのは、力のバランスを考えての事でしょうか?》
《表向きはそうよ》
《表向きは? それ以外の理由が何か?》
《プラス40人達は、唯の引き立て役なの》
《……》
《という事で、次回は〈コロシアム〉よ。
明日も見てね》
《……私、そろそろついていけません……》