それぞれの成長
◇◇◇◇◇ークーネー
「お兄様見て下さい。 私のクーネを……!! 」
「…………へぇ、自分で水を出して移動しているんだな」
水の中ではなく、空中も自在という事か……
「今は氷魔法を覚えさせようとしているんですが……なかなか上手くいきません。
でも、頑張ります!!」
「ああ、頑張れよ」
氷魔法……覚えれるのか?
後で調べてみようかな。
「そうだ、こっちも見てて下さいお兄様。
クーネはこんな事も出来るんですよ
ーーーお願いクーネ 〈セクス アクアカレント〉!!」
へ〜なんだろな?
なんて、気楽に思っていたら、クーネはぴょこぴょこと動いた後、自らにある6つの触手を展開した。
シュピン
そしてブクブクっとなって、地面に向けて水の玉が6つ発射された。
プシュッ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッッッ
………地面が抉れた。
ここの部屋、つまり魔物科特別教室は頑丈に作られてるはずなんだがな……
俺が直さないと。
◇◇◇◇◇ーヒトランー
ヒトランは相変わらずでかい。
ただそこに居るだけで迫力満点だ。
「ヒトランは少し怖いな……」
「そう? こう見えて意外と甘えん坊なのよ?」
「ガルル!」
「あら、本当の事じゃない」
なんか通じ合ってるな……
「今は蒼炎を習得させようとしてるんだけど……なかなか難しいのよね」
「ガルッ!」
「ふふ、そうね頑張りましょ」
「本当に仲がいいんだな」
「当たり前よ。
ーーーそうだ、ヒトランはこんな事も出来るのよ。
頼むわ、ヒトラン」
「ガルルッ!!」
何が出来るんだろう?
なんて、気楽に思っていたら、ヒトランは大きく吠え、身体中から炎が吹き出し、それが口へと一点に集まる。
「ガウッ」
ボフン
ドゴンッッ!!
………地面が抉れた。
なんだろなぁ……壊すのが流行ってるのか?
俺が直してるんだが……
◇◇◇◇◇ーキューー
「……ん」
レティスが、魔物科メンバーの男を指差す。
「どうしたんだ?」
「……見てて」
なんだろう、嫌な予感がする。
そしてそれは当たった。地面がピシピシッとなり、2秒後にドゴンッッとなった。
「……落とし穴」
「いや何やってんだよ!?
男の子落ちちゃったぞ!!」
「……キューは穴掘り名人。
土と木の中なら自由自在……フフ」
……はぁ、やっぱり俺が直さないといけないのか。
っと、そうだ……男の子も助けないと……
『な……なんだこれは!?
誇りあるロックハート家の長男のこの私が、なんでこんな目に……
ワイバーン!! 早く私を助けろ!!』
……やっぱり男は助けずに床を直そうか(生き埋め☆)
◇◇◇◇◇ーシニフォンー
「キュルルルルル」
目の前で体が小さな可愛い、そして真っ黒なグリフォンが、やはり小さな可愛い真っ黒な翼を広げてる。
「なんだ、シニフォンはもう空を飛べるのか?」
「私の為に頑張ってるのよ」
そうか……そういえばアティは空を飛びたいんだっけ?
「さあ、飛びなさいシニフォン」
「キュルルーーー!」
「……………よくやったわ。
30メートルというところかしら?」
「惜しい、30センチだな」
「…………道のりは険しいわね」
「だな」
◇◇◇◇◇ーマネマネー
「じゃあヒトラン君になって!」
〔ーーーガルルッ!〕
「すごい!
じゃあ、あの火をドバーンってのをやってみて!」
〔ガルルッ! ーーーガウッ〕
ボフン
ドゴンッッ!!
「今度はクーネちゃんに真似て、あのシュピーンってやつ!」
ぴょこぴょこ
シュピン
プシュ
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッッッ
「すご〜い!! やったね♪」
〔ーーーやったね♪〕
………一番のデストロイヤーがここにいた。
まだ魔物競技大会まで時間はある……こいつらの成長が怖い……
◇◇後書き◇◇
次回!! 遂に魔物競技大会が始まる!!
ほんの少しメタ発言があるかもしれません。不快な人は、本当に申し訳ないです。
では、明日をお楽しみに!