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神羅転生物語  作者: watausagi
第2章 学園編 色々な大会編突入
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デート

◇◇◇◇◇ー日曜日ー


今、俺の目の前で、コップが……コップが………消えた。


「やったよシンラさん!」

「うん、よく出来ているな……ステラ」


ステラは度重なる練習の成果、今日で空間魔法の基礎を習得した。

因みに俺の事をシンラと呼ばせてるのは、来年から始まる学園に向けてだ。

死神さんと呼ばないようにする為だ。


「でもあまり人前では使うなよ?

かなり、厄介な事になるからな」

「分かってる、分かってる。

……それで、その………ご褒美が欲しいかな〜……なんて……」

「ご褒美?」


ご褒美…ご褒美……うーん?

別にいいけど、何か欲しい物でもあるんだろうか?


「何か欲しい物でもあるのか?」

「欲しい物っていうか……欲しい者?

ーーーだからね、その……王都で買い物がしたいかな……なんて……」


なるほど、王都に欲しい物があるから買ってほしいという訳だな。

ステラも女の子だ。色々と見た目を気にする年頃だろうし、アクセサリーとかかな?

別にそんな事しなくても可愛いんだけど……女心ってのはよく分からん。


「じゃあ時間もあるし、今から行こうか?」

「うん♪」


◇◇◇◇◇


王都に出ると、今は日曜もあってか人が多い。

まあ、ここはいつも人が賑わってはいるんだが……


「ーーーあっシンラさん。

あれって美味しいんですよ! 私買ってきます!」

「あっおい……」


……俺が買ってきても良かったのに。


◇◇◇◇◇ーステラsideー


ム、ムムムリだよぉ〜。

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!

………勢いで誘ったのはいいんだけど……周りの視線がキツすぎる!! (シンラさんは気がついてなかったけど……)

ああ……周りからは恋人だなんて思われてるのかな?

って、そんな訳ないよね。私じゃ釣り合わないだろうし……でも、いつかは……


『あなた……』

『どうしたんだいステラ?』

『私……今幸せです///』

『そうか……俺もだよ』


そして、いつか子供も欲しい…………


「それでお嬢ちゃん、串焼きは幾ついるんだい?」

「子供は……2人欲しいですね」

「はぁ……?」


◇◇◇◇◇


おっステラが帰ってきた。

でも……あれ?

顔が赤いし……それに手ぶらだ。


「ステラ、何か買いに行ったんじゃないのか?」

「あ……それはもういいです。

また行くのは恥ずかしすぎます」


なんのこっちゃ


〜〜〜〜〜


「シンラさん、少し遅めですがお昼にしましょう」

「そうだなぁ……どこで食べる?」

「あ…あれがいいです///」

「ん? ……アレか」


ステラが行きたいって言うならいいけど……俺は気がひけるな。

なんかカップルが多い。


〜〜〜〜〜


「ご注文は何にしましょう?」


さて、何にしようか……


「シンラさん、私が頼みますね!」

「お、おう……」


妙に張り切ったステラに俺は断れなかった。

まあ美味しかったらいか……だけど、何かを注文するステラに、微笑ましく見つめる店員が気になった。


〜〜〜〜〜


ーーーしばらくして、ステラが選んだであろう物が届いた。

見た目はシホォンケーキ。それにハチミツみたいなのが添えてある。

さあ食べようとしたんだが……


「あれーフォークが一個しかありませんー。

こ、これはしょうがありませんねー。私が食べさせますよ。

シンラさん、口を開けてください///」

「いや、店の人に言えば……」

「口を……開けてください……」

「だから……」

「口を…えっぐ……開けて…えっぐ……くだざいよぉ……」

「お、おいステラ!?

分かった分かった。口を開ければいいんだな?

ほら、あーん」

「……はい、……あ〜ん///

……美味しいですか?」

「ああ、美味しいよ」

「本当ですか? 良かったです」


ふぅ〜、いやービックリした。

急に泣き出すんだからな、何事かと思った。


「シンラさん」

「どうした?」


ステラはふぅ〜と言った後、フォークを置いて言った。


「う、腕が疲れちゃいましたー。

で、でも食べたいなー食べたいなー」


……そんなにひ弱だったっけ?


「……ほら、あーん」

「あ〜〜ん♪

ん〜〜〜っ! 美味しいです///」

「そうか、それは良かったな」

「はい♪ それじゃあ次は私が……」

「あれ?腕が疲れたんじゃなかったっけ……」

「うっ……」


◇◇◇◇◇


昼ご飯を食べた後、他にも色々なところをまわり、時々何かを食べたりしながら、その日は終わった。


「今日はありがとございました、シンラさん」

「別に、これくらいはなんともないよ」

「じゃ、じゃあまた今度も一緒にいいですか……?」

「ああ……またいつかな」

「はい、約束です♪

ーーーそろそろお別れです……さよならシンラさん」


ステラは最後に手を振ると、孤児院に帰り……その姿は段々と見えなくなった。


……あれ? 結局欲しい物ってなんだったんだ?

俺なんにもあげてないんだが……


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