表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神羅転生物語  作者: watausagi
第2章 学園編 色々な大会編突入
107/217

お怒り気味の死神さん

◇◇◇◇◇

「けっけっけ……おい、いやがるか?」

「馬鹿静かにしろ………ほーら、あそこにいる」


『やった! 薬草10本集めた!

おっと、シルヴィアさんに報告しないと依頼成功にはならないんだっけ……急がなくちゃ!』


「けっけっけ、馬鹿な野郎だぜ。

そう簡単に人の言葉は信じるなってーの」

「全くだ。これだからガキは扱いやすくてたすかる。

頭の立てた作戦は完璧だ」

「けっけっけ……じゃあそろそろ……?」

「ああ、恨むんなら自分の運の悪さを恨むんだな、お嬢ちゃん」


……こいつらウザいな。


「ーーーよぉ〜」

「っ!? いつから……!」

「こいつ……!!」

「恨むんなら、自らの行いを恨みな!」

「「ぐばあっ!?」」


さて……


『……あれ? 今、何か音が……』


どこかに移動しようかな。


◇◇◇◇◇


「……今の……死神さん?」


◇◇◇◇◇

俺はあの名前も知らないおばちゃんも一緒に連れて転移した。


「……っ……なんだいここは……さっきまで家の中に………」

「頭!」

「あんたら! どうして……」


「ははっ、感動の再会だな」


「っ……誰だいアンタ?

ーーーその格好、まさかとは思うが……」

「死神だよ」

「ちっ……こりゃぁ相手が悪い。

ついてないねぇ……」


どうやら力の差は分かっているらしい。

こいつらじゃBランク冒険者ってところかな?

おばちゃんはAランク並みの実力だったが……


「おいお前! ここは何処なんだよ!?」


下っ端Aが俺に怒りの剣幕で聞いてきた。

自分の立場を分かっていないんだろうか? ……分かってないんだろうなぁ、バカそうだし。


「どこ? 自分でもよく分からないんだよなぁ。

周りに生物がいないところ。みたいな感じで転移したからな」

「なーに訳分かんねえこと言ってやがる!

こんのっ!!」

「おっと……ほい」

「っ……ぶべえぇぇえ!」


別に縛っていたわけじゃないので、下っ端Aが襲いかかってきた。

まあ足を引っ掛けるだけで、簡単にこけてくれたが。


「ちょっと落ち着こうよ、な?」

「……アンタ、その余裕ムカつくね。

あたし達を殺すなら、さっさと殺したらどうだい」

「殺す? いやいや俺は殺さないよ。そんな事怖くて出来ないや。

ーーーところで、1つこっちから聞きたいことがあるんだよなぁ。

そこのお前ら……」

「お、俺?」

「いや俺だろ」

「俺かもしれねえだろ?」

「お前ら2人だよ、バカ。

……お前らはロミナを捕まえようとしたが、それは人質を取るためだよな?

そして手に入れるもん手に入れたら、馬鹿正直にロミナを返す……わけがなく、きっと玩具(おもちゃ)みたいに扱ったに違いない。

ただの欲望のはけ口として……」

「く、くそっ…何が言いたい!」

「別に…ただ事実を再確認しただけだよ。

俺の良心(笑)が痛まないよう、お前らをクズと認識しただけだよ」

「な……なんだと……」

「まずお前らだ下っ端。

[忘れろ

全てを忘れろ

刈り取る死神、貪る記憶

思い出すことはない

俺がもう……奪うのだから

想像魔法 二の罪 記憶奪取(ストーリーエンド)]」


ーーー下っ端共は、膝から崩れ落ちる。

まるで立ち方を忘れたみたいだな。


「なっ……お、お前一体何したんだい!」

「そいつらは今、赤ちゃんと同じなんだよ」


俺は下っ端共の……


「あ、あぁ……」

「うゔぅぅ」


……記憶を消してやった。

これは我ながらえげつない。なんて非道な行いなんだろう。

記憶を奪うなんて、それはそいつの生きた証、つまり命と同程度の価値を持っているというのに。

ーーー次はこいつか……


「くっ……!」

「安心しろよ。俺からは何もしない……俺からはな?」

「……どういう事だい」

「最初は色欲の魔法も使ってみようかと思ったが……悪いね、俺は殺人より強姦の方が生理的に無理なタイプなんだよ。というかそんな奴は、無条件で消滅させたいくらいだ。

だから……これにしよう」


俺はまた、下っ端共に魔法をかける。


「[縛るものはない、しがらみもない

自由に生きろ、醜く生きろ

そして不自由に美しく死んでいけ……

想像魔法 五の罪 本能全開]」


ーーー下っ端共はゔーゔー言いながら、近くにいるおばちゃんに近づいた。


「な……な、なにをした……んだい」

「そいつらは今食べることしか考えてないんだよ。

お前は美味しい肉ってところだな」

「に、肉!?

……っ! 痛い、噛まれ……ぎゃ!?」

「あゔゔ!」

「あぁむ!!」


下っ端共は肉を食べた後、その終わりなき食欲に従い今度は土や草を食うだろう。

この近くに生物はいないからな、他に食うものがない……だからやがては……死ぬ。

……いや、自分の体があったか……だったら出血多量の方で先に死ぬかな。


「助……け………」

「……飽きられた玩具は、捨てられるのが運命なんだよ」


……帰るか。


◇◇◇◇◇ーロミナsideー


「はい、シルヴィアさん!」

「ーーー薬草10本、確かにありますね。

おめでとうございます」

「うん………」

「おや、どうかしましたか?」

「その……ね、森で死神さんを見た気がして……」

「そうですか。

……きっとまた、何かをしたのでしょう」

「え?」

「いえ、何でもありません。

それより、これで依頼は成功ですね」

「あっそうだった! 私早く家に帰らないと……じゃあねシルヴィアさん!」

「お気をつけてくお帰り下さい」


〜〜〜〜〜


ガチャ


「お母さん! お父さん!」

「ロミナ! 無事だったか!!」

「お父さんこそ……って、あれ?

なんかもう無事みたいだね…………へぶ! く、苦しいよお父さん……」

「良かった……無事で良かった……」

「お父さん……きっとお父さんがくれたお守りのお陰だよ!

ね、お母さん?」

「ふふ、きっとそうね。

死神さんっていう人にも、いつかお礼を言わないと」

「えっ……死神さんがどうかしたの?」

「多分、どうかしたのよ」


そっか……死神さんが…………

ありがとう、死神さん。


ーーーーー

〈幸運のお守り〉

効果:類稀なる幸運の持ち主になれる。

ぶっちゃけ運気UP

ーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ