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神羅転生物語  作者: watausagi
第2章 学園編 色々な大会編突入
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四連魔法学園 武闘大会本戦 後編

◇◇◇◇◇ーエステルsideー


『やーい、そんな事も出来ないんだー』


悔しかった。


『お前はダメだなあ……』


辛かった。


『お前にはムリムリ』


ーーーでも、


『諦めろ』


ーーーでも、


『貴女は誰よりも強い。だからね、強く生きなさいエステル。

貴女はまだまだこれからよ。お母さんの分まで頑張るのよ』


ーーー頑張った。

私は頑張ったんだよ……お母さん。

〜〜〜〜〜

いつしか無能のエステルは周りの記憶から消え、

天才エステルが、そこに残った。

軽視され、軽んじられ、軽蔑され、侮られ、見くびられていた私は、

尊敬と羨望の目で見られるようになった。

時には嫉妬され、理不尽な暴力を振るわれたこともある。

私が天才だから、ずるい、羨ましい……と。


ふざけるなと言いたかった!


必死に頑張って、頑張って、頑張って、頑張り続けた私を、ただ一言…天才だという。


そんなに軽くない!


私の努力は、そんな言葉一つで表せれるものじゃない。


ーーーでも、私が嫌がってきたそれを、今度は私自らがやってしまったんだな。

あの、男に……


『お兄様の事を何も知らない貴女が、何も知ろうとしない貴女が、お兄様をけなすことは許しません……』


……私は、あの男がずっと才能だけで生きてきたと思っていた。

なぜ?

それは……拗ねていたから、嫉妬していたから……だな。

私が持っていないものを、あいつは持っていたから。

あいつは才能の塊……だけど、それで努力をしていないなんて言い切れるものか。

私はあいつを認めたくなかっただけなんだ。

子供っぽいバカみたいな行動だ。

あいつに……何て言おう……


◇◇◇◇◇


ーーーいた……


「……おい」

「ん?……って、エステル!」

「……今から決勝なんだろう」

「え?あ、ああそうだけど……ええと……」

「勝てよ」

「ああ……って、今なんて……?」

「絶対に勝てよ。この私に勝ったんだ。負けることなど絶対に許さん」

「エステル……ああ、分かってる。絶対に勝ちに行くさ」


ーーー行ったか………………………ぷはあっ…はぁ……はぁ…………恥ずかしかった。

結局謝れなかったし……はぁ…………


「あら、貴女は……」

「お前は…………すまないなあの時は」

「…………お兄様の事を認めるのなら、少しは許してあげなくもありません」

「認める? ……ああ、認めるよ。

あいつは強い…………私なんかよりずっと……」

「ーーーふぅ、貴女は前に言ってましたよね」


『私が今までやってきた全てを否定された気分になって……』

『私の努力をバカにされたような気分になって……』


「ですが、それは間違っています。」

「間違ってる?」

「お兄様は、貴方の事を他の誰よりも認めていましたよ」


『弱いがあるために強くなろうとしてる彼女は、時間さえあればきっと誰よりも強くなると思う』


「お兄様は、しっかりと貴女のことを見ていましたよ」


あいつが……私を…………


「お兄様は嬉しそうに言っていました」


『俺以上に努力というものをしているのかもしれない』

『なんか生き方が綺麗だよにゃぁぁ……』


「って、正直嫉妬しましたよ」


……最後何かおかしかった?

ーーーでも、あいつが私の事を……

ふっ、皮肉な話だな。私が認めなかったあいつが、私の事を認めていてくれたとは……


「まさか、お兄様に惚れました?」

「……は? え、な…そんな訳ないだろ!」

「……はぁ、私余計なことを言ってしまいましたかね? これ以上増えたらたまりません」

「何を訳のわからないことを言っている。私はそんなんじゃないと言っているだろう」

「はいはい…………そうだ、知っていますか?

お兄様が修行を始めたのは、生後1週間からだそうですよ」

「生後1週間? それは流石に……」

「普通はあり得ない……でも、お兄様なら?」


ああ、そうか。確かにあいつなら、もしかしたら本当なのかもな。

シンラ・アリエルト

その力は比べることすらおこがましい

認めることすら図々しい



◇◇◇◇◇ーシンラsideー


俺は決勝戦、相手は瞬殺した。


『ま、まさか……あのエステルを倒すとは…ぐぼえぇぉ!?』


みたいな感じだ。なんていうのかなあ……まあ盛り上がってたからいいのかな。

ーーー俺はペルセフォネ会長から、優勝のなんちゃらかんたらをされた後、ファナ達と合流して家に帰る。

……エステルと会うことはなかった。

でも、これでいいのかな。来年きっとまたエステルと戦う事になる。その時はきっと、またエステルは強くなっているのだろう。

その時が楽しみだ……………………なんて、思っていた時が俺にもありました。

まさか……第4魔法学園に転校…いや、転園? してくるとは思いもしなかった。

それに、あいつ(・・・)まで学園にくるとは……

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