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つんでれダンジョン・第八話『真冬の温泉はたまらない』





……ハァー。



なんだテメエは? 来るなり寒い寒いってよ。もう2月だ、寒いに決まってんじゃねえかよ。



ああん? 家の中よりもさむいだと?



アホかてめえ、こちとらラストダンジョンなんだよ。ダンジョンに暖房がついてるわけねえだろうが?



寒いんなら、とっとと帰れや! つーか、もう来んなっていつも言ってんだろが、このクソガキが! てめえが春にここにやってきてからもうすぐ一年だぞ! 1年!

頼むから学習しろや、クソ幼女!



…あぁん? 何か暖かいものはねえかだと?



アホかコラ、ここは喫茶店じゃねえんだよ! なんでラストダンジョンがガキに茶なんぞ出してやんなきゃなんねえんだよ!



さみいさみいうるせえんだよ! そんなに、さみいのなら、溶岩頭からぶっかけんぞ、このクソジャリが!!



‥なにぃ? 溶岩なんてあんのかだと。



ったりめえだバカヤロウ! こちとらラストダンジョンだぞ、溶岩フロア程度は標準装備だっつーの!



うちの溶岩フロアはめっちゃ熱いぞ、耐熱魔法がなきゃ、あっという間に黒こげだぞ。まあ、よっぽどの使い手じゃなきゃ、あの冗談みてえな熱気は防げねえわな。



おまけによ、その上の階は全部極寒フロアだかんな? いい加減寒いの終わったと思ったら、いきなり灼熱の地獄よぉ。ラストダンジョンのおもてなしなめんじゃねえぞバカヤロウ!!



あぁん? そこって、ここより寒いのかって?



ったりめえだろうが! おめえ、この世でオレの極寒フロアより寒いとこっつったら、世界の七不思議の一つ、凍れる山の墓標ぐれえだぞ。



‥ああん? 知らねえ? かーっ、おめえやっぱ救いようのねえバカだな。



砂漠のど真ん中にある山でよ。熱を完全に遮断しているせいで、いつだって絶対零度のトコなんだよ。うっかり入ったら、即凍死っちゅうえげつない場所だ。



てめえぼーっとしてんかんな、あそこにゃ絶対近寄るんじゃねえぞ!



バカやろう! 別にてめえのこと心配して言ってる訳じゃねえんだよ!

嬉しそうに笑ってんじゃねえよ、このクソガキが!!



…まあいい、話が少しそれたがな、そんくらいおれんとこの溶岩フロアと極寒フロアは厳しいっつーことだ。わかったか?



おうよ、そういうことよ。 凄いだと? わかってんじゃねえかこのやろう!

ようやくおめえもラストダンジョンの凄さっつうもんを学びやがったか、まあ、一年もここに来てりゃあいくらてめえでもそれなりに物を理解できるようにならあな



あぁん? 溶岩があるなら温泉はあるのかだと?



あるに決まってんじゃねえか、こちとらラストダンジョンだぞバカヤロウ!



「あのダンジョンにあるものでこの世界に無いものはたくさんあるが、この世界にあるものであのダンジョンに無いものは一つもない」とか学者共に言われてんだぞ。



あんだよ、なに目ぇキラキラさせてんだよ? なにぃ? 入ってみてえ? 温泉にはいったことが一度もねえ?



・・てめえコラ、ここは銭湯じゃねえんだよ! ラストダンジョンだっつってんだろうがバカやろう!



はぁ? 無理なのかだと? バカヤロウ、俺に無理な事なんざあるわけねえだろうが。温泉程度ここに持ってくるなんざぁ朝飯前よ!



おねがいーじゃねえコラ!

てめえ、頼んだら俺が何でも出すとか思ってんじゃねえだろうな?



第一よぉ、人に物を頼むときゃあ態度ってもんがあんだろが、わかるかオラ? 誠意っちゅうもんを見せてみやがれ!

おうよ、気持ちを態度で表せっつってんだ!



・・・・・・・・・



・・・・・・・・・



…はぁ?? なにやってんだおめえ???



…色仕掛けぇ? ってバカかてめえは! 何で俺がガキに欲情しなきゃいけねえんだよ!!!



つーかガキのクセに、んな事誰に教えてもらったんだよ、誰に!



アンナちゃん? 知らねえよバカやろう! 同級生の宿屋の娘? テメエの友達事情なんざどうでもいいんだよ!



おめえよお? 人に物頼む態度っつったら、土下座だろうが、土下座。あぁん?



・・・・・・・・



…って、てめえなに、「そういう趣味の人だったんだ」って目でこっち見てんだよ! 引いてんじゃねえよ。むしろなんか言えよバカやろう!!



……っち、あー、もう! わかったよ! 出してやるよ温泉。



ハンっ! とたんにニコニコしやがって! 相変わらず現金なガキだぜ。



いっとくけどなあ、うちの温泉はそこんじょそこらの温泉じゃねえんだぞ? 入ったら肌年齢が20歳は若返るといわれてる、伝説の美人の湯だぞ!



地下25階の極寒フロアの中、ようやく探し出すことができた一流の冒険者しかはいれねえ温泉だ、本当だったら、てめえみてえなクソガキが入っていいような場所じゃねえんだよ!



湯の花一瓶で家が建つぐれえ貴重なんだぞ! 

わかってんのかこのクソガキが! わかってねえだろうなあ‥、その顔は。



ケッ…、ちょっとまってろよ。今水脈を繋ぎ直すからよ。



…かーっ、面倒臭えな! なんで俺がこんな事!



…おっ、こいつだな。これをこうして…、あとは溜まってる分の水も全部持ってこなきゃな。



よっこいせっと




…おらぁ、これでどうだ! 正真正銘の温泉だぞ。



あぁん? 凄え? デケえ? あったりめえだ。伝説の温泉なめんじゃねえぞ、バカヤロウ! 



解ったらとっとと入ってとっとと帰れ!



…どうした? 何で入んねえんだよ? なにモジモジしてんだよ? ションベンか?



あぁん? バカだとコラァ!



おめえ、だれに向かって口聞いてんだバカヤロウ! こちとらラストダンジョンだぞ! 馬鹿とはなんだ馬鹿とは!



つーか、なんで入らねえんだよ! わざわざ温泉運ばせといてよ!?



あぁん? なんだって?「恥ずかしい」だと?



ガキの癖に色気づいてんじゃねえよバカヤロウ! 



…あんだとぉ? 「覗かないでね」だと!?

って、てめっ! ぶっ殺すぞこのクソガキが! なんでラストダンジョンが幼女の入浴を覗かなきゃなんねえんだよ!

はんぺんみてえな体のクセに何生意気なこといってんだよ!



覗かねえつってんだろうが! とっとと入って、とっとと帰りやがれバカヤロウ!



・・・・・・・



・・・・・・・



…オラ、準備できたならとっとと入れや!



・・・・・・・



…あぁん? 熱い? 馬鹿かてめえは、温泉は体が痺れるほど熱いのがいいんじゃねえか! これだからガキってやつはよ!

オラ! 水でうめてやるからちゃんと肩までつかりやがれ! 



・・・・・・・



・・・・・・・



バッカてめえ、中途半端にあったまると風邪引くぞ、ちゃんと100まで数えろってんだ。









【次の日】






おいてめえ、なにシャンプーと石鹸もってきてんだよ!



ガキのくせして温泉の味しめてんじゃねえよ! 銭湯じゃねえっつってんだろが、このクソ幼女!!



しかもなんだそのシャンプー。「ここおいとくね」じゃねえよ! マイボトルキープしてんじゃねえよ! つーかでけえよ! どんだけここに入り浸る気だよ、バカヤロウ!



「リンス忘れた」じゃねえよ! あるわけねえだろがそんなモン!!



「明日は忘れないようにしなきゃ」じゃねえよ! もう来るなっつってんだろうが、バカやろう!!











【ようじょのおはだのつやが70あがった】





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