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後編

 ちょっと最近疲れがたまっているのかな。

 そう考えることにした。

 さっきから変な人をよく見るのは、疲れているせいだ。箒の上に立ってじゃんけんをしようと言ってきた芸能人に顔が似ている人と、あごひげがヘソあたりまで長いおじさんは、きっと私が見た幻覚なんだ。

 そう思わないとやってられない。ノートと鉛筆とクリアファイルがなかったら今日は学校を休んでいたのに。

 まもなく学校に着く。授業が終わったら、家に帰ってゆっくりと寝よう。

 そのとき、私は転んだ。

 それはそれは、派手な転びようだった。

ランドセルの中身をすべて道路に撒き散らし、顔面を地面に直撃させ、20センチくらいズザッといった。

 私の周りにいたみんなも、さすがにざわめきだした。私のことは見えているようだ。

 「大丈夫?」と手を差し出して、私を起こしてくれ、散らばったランドセルの中身を、拾い集めてくれた。

 風邪気味だったから、足がふらついたのだと思う。私はありがとうとお礼を言いながら、ランドセルの中身をランドセルに戻し始めた。

 「大丈夫かい?」顔を上げると、そこには白馬に乗った王子様がいた。

 ぽかんとしている私やみんなを尻目に、白馬に乗った王子様は、颯爽と馬から降りると、私を抱きかかえて馬に乗せ、自分も馬に乗り、走り出した。

 学校とは正反対の方向に向かって、走り出していた。

 私のノートと鉛筆とクリアファイルが、次第に遠ざかって行った……。


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