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Eye of Glaia Online 〜ナイフ縛りが趣味の男は意図せず配信界をザワつかせる〜  作者: 天沢与一


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第10話:初めての敗北はシンプルに悔しい

 あー…………死んだ。


 普通に負けた。



『プレイヤーは死亡しました。

 イベントでの死亡のためレベル経験値のリセットペナルティが免除されます。

 イベントでの死亡のため1時間の獲得経験値制限ペナルティが免除されます。

 間も無く近くの教会にて復活します。』



 真っ黒い空間でその声を聞き終わると、すぐに視界が明るくなった。


 天井が見える。


 身体を起こすと、目の前に見たことある女神像があった。


 アルファールの教会か、ここ。



[エスカーレット:<♢100>今の戦闘なに!?]

[YUKICHI:<♢10>初死亡おめ]

[戦士マサヒロ:<♢10>よく粘ったな]

[セカはじ:<♢100>すごい戦いでした]

[藍汽:<♢50>エレヴォスの新技見せてくれてありがとう]

[キョンキョン:<♢10>どうやってダメージ当てたの]

[No.エイト:<♢500>アーカイブ公開してください]

[真の勇者ソーマ:<♢10>またすごいものを見せてくれたな]

[やど:<♢100>エレヴォス戦過去一だろ]

[斎藤:<♢50>ガチえぐかった]



 普通の配信のような勢いでコメントされてるんだけど……え、これみんな課金してるんだよな?


 こわい。何故そんな軽率に投げ銭できるんだ。

 あと爽真はしれっと混ざるな。


 内容は大体すごかったという感想と、エレヴォスの技についてと、ダメージをどうやって通したのかっていう質問のコメントが多い。


 あ、眺めてる場合じゃないか。返答してあげないと。



「えっと、みんな投げ銭ありがとう。個人的には負けて普通に悔しい。あれ再戦できたりする?」



 すると、できないよという内容の投げ銭コメントがいくつか流れる。


 無理なのか。再挑戦したかった。



「わかった。教えてくれてありがとう。アーカイブについてはやり方わかんないから後で友達に聞いてやってみるわ」



 で、次は……カミラの家に行けばいいんだな。



「この後はメインストーリー進めるだけだから、面白くないよ。注目入りで集まった人は散ってくれ」



[キョンキョン:<♢10>で、どうやってダメージ当てたの?]

[エスカーレット:<♢10>配信見るなってこと?]



「見たければ見ててもいいけど、俺閲覧表示オフにしてるから見られてるかわかんないよ。あとダメージ当てた方法はナイフで普通にとしか言えない」



[キョンキョン:<♢10>エレヴォスのマントは普通ダメージ通さないんだよ。なんでお前のは通ったの?チート?]



「いや知らんし。チート呼ばわりは辞めてくれない?」



[キョンキョン:<♢10>出来ないことをやったんだから説明責任あるだろ。言えないならチート]



 ……こいつなんなの。


 そもそも俺はダメージが通らないってことすら知らなかったんだが。説明責任も別にないだろ。


 えー面倒くさい。


 爽真にチャットで嫌なリスナーをコメントさせないように出来るか聞いてみる。



[真の勇者ソーマ:配信みてるよ]

[真の勇者ソーマ:面倒そうなのに絡まれてんな]



 おお、返信が早い。



[ノスリ:これどうしたらいい?]

[真の勇者ソーマ:該当のコメントをタップ→通報する→悪意のあるコメントでおけ]

[真の勇者ソーマ:通報と同時にブロックできる]

[ノスリ:おけ]

[真の勇者ソーマ:やばい奴は通報&ブロックだ]

[ノスリ:はーい]



 ということでキョンキョンという奴は通報してブロックした。金払えば何言っても良いって訳じゃないからな。


 これでコメント欄に平和が訪れた。


 気を取り直してカミラの家へ向かう。


 家の前にはカミラとリアーナが居た。



「救世主様!ご無事でしたか」



 いや普通に死んだけど。蘇って無傷だから無事っちゃ無事か。



「娘を助けていただきありがとうございました」


「私からも改めて感謝いたします。あのままでは危ないところでした」


「無事に逃がせて良かったよ」



 でもあの逃げっぷりなら俺がいなくても逃げれた気がする。



「本当に救世主様には感謝してもしきれません。そうだ。うちは牧場をやっているんです。お礼に馬を1匹差し上げます。1匹いれば旅が便利になりますよ」



 あ、これライド機能の開放か。

 思ってたより早いな。



「ちょうど移動手段が欲しいと思ってたところだったんだ」


「それは良かったです。馬は冒険者ギルドの厩舎に預けておきますね。ギルドの者に声をかけると乗り方をレクチャーしてくれます」


「わかりました」



 さっさとライド機能を解放させたいので、俺はギルドに向かった。


 受付にいた女性に声をかける。



「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのような要件ですか?」


---

>素材を売りたい

>訓練場を使いたい

>クエストについて

>倉庫について

>ライドについて

>その他の要件

 ---



 目の前に選択肢が現れた。


 コミュ症にも優しいシステムだ。



「カミラさんからここにくれば馬の乗り方を教えてもらえると聞いたのですが」


「ライドについてですね!お話は伺っています。こちらへどうぞ」



 そしてギルドの裏手にあった厩舎へ案内された。


 そこにはグレーっぽい毛色の馬がいた。

 草原で見た馬とは色が違う。


 もしや色や柄はランダムなのだろうか。



「こちらが救世主様の馬となります。ライド登録を行ってください」



 指示に従ってライドスロットに今回の馬を登録した。目の前の馬が消えてスロットに馬のアイコンが表示される。


 えっ、これ物理的にしまわれたってこと?なんか怖いな。



「ライド登録を行った乗り物いつでも呼び出せます。しかし格納せずにその場を離れてしまうと、ライド登録が外れてしまい、乗り物を確保して再度登録するまでは使用できなくなりますのでご注意ください」


「わかった」


「それでは良きライドライフをお送りください」



 ギルドの人は去っていった。


 肝心の乗ってからの操作方法は教えてくれないのかよ。


 意外とすんなり自分でいけるもんなのかな?


 ……まぁいいや。今日はだいぶもうプレーしたし、明日また試してみよう。


 俺はゲームをログアウトした。


 そうだ、アーカイブの公開をしなきゃか。


 やり方は……EGOの公式サイトに登録してからね。


 登録にはメアドとゲームのIDが必要で……ってIDどこに書いてあんの?

 あ、ログインの画面で見れたわ。良かった。


 登録を済ました後、マイページを見にいった。


 キャラ名、職業、職業レベルが公開されており、その下に配信アーカイブという項目があった。今は0件だ。

 アーカイブを公開するには+マークまたは配信管理からできるっぽい。


 今日俺は1度ログアウトして昼休憩を挟んでいるので、公開できる録画が2つある。


 そのまま公開できるし、カット編集やモザイク編集、文字入れもサイト上でできそうだ。


 伸びたいなら編集をしっかりする必要があるんだろうけど、特に伸びたいと思ってないからいいや。そのまま公開してしまおう。公開するって言ったのさっきだけだし、片方だけでいいよな?


 公開ボタンをクリックすると、数秒のロードが入って、《アーカイブが公開されました》という文章が出てきた。


 よし、これでおっけー。課金してくれた人たちへの義理は通した。

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