表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コネクトゲーム~デスゲームへようこそ~  作者: 雨のち晴れ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/5

包帯の戦姫

包帯姫は、クナイをしまい右手には剣を左手にはハンドガンを持つ。やがてスモーク弾の煙が晴れ、再び見通しが良くなる。今度は誠二も何もせずただUnknownの動きを観察する。


近藤商店。包帯姫は、先程剣を借りた三崎と2人で今ここに隠れている。


三崎。本名は三崎しげる、最初に誠二の意見に賛成した人物。歳は24歳で、性格は真面目で大人しい。


2人が隠れている店の中には、商店だけあって色々なものが陳列されている。


食料品を始め、日用品、雑貨、衛生用品などがあった。そして包帯姫は、とある1つ物を手に取る。


缶詰だ。


「いい、例えあのUnknownを倒しても絶対に出てこないで。近くにあと2体居るから。」


「なっ!」


包帯姫は剣を腰の鞘にしまい、空いている窓から自分達が居る所の反対側に手にしている缶詰を投げる。


【カランっ】


道路に、軽い音と共に包帯姫が投げた缶詰が転がる。音を察知したUnknownがすぐさま砲台を動かし、缶詰へとレーザー砲を放つ。


その瞬間、包帯姫は窓から出てUnknownに一気に詰め寄る。極力音を立てずに近づき、包帯姫は鞘から剣を抜きUnknownの前足を3回斬りつけ、Unknownは態勢を崩す。


【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】


【ガシャンッ――――――――。】


一瞬の出来事だった。Unknownは、全く包帯姫に反応出来ずただ音を立てて消えていった。


【ガ・・・ガ・・・・ガ・・・ガガ・・・・・パリンッ】


辺りは一瞬、静寂に包まれる。そして、あのアナウンスが流れる。


【ピーンポン】


【人類側が1体殲滅】


≪うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!≫


≪すげー!流石は俺達の姫だ!≫


≪姫の作戦勝ち!やっぱ姫はただ者じゃねーなっ!≫


≪お前等、今頃姫の凄さに気が付いたのか?俺は分かっていたぞ、こうなるってことを!≫


≪ほんとかよ?お前だって、モニターの前で「姫~、死なないでくれ~」って言ってたんじゃねーのか?≫


≪↑俺は言ってたぞ?≫


≪私も、姫が倒してくれるって信じてた!≫


包帯姫がUnknownを倒したことにより、コニュニティチャットは大騒ぎだ。次々と、包帯姫を絶賛する文字が並ぶ。


≪だがお前達、まだ安心は出来ないぞ?近くに居るUnknownが、今の騒ぎで姫たちの所にやってくるかもしれない!≫


≪そうなんだよな。俺達、観戦組は何処にUnknownが居るかわからないから、気を抜いちゃダメなんだよな。≫


≪でもよ、そもそもUnknownが居る場所って最初からわかるのか?≫


≪↑志願者は分かるって聞いたことあるぞ!≫


≪強制組は分からない?だから、志願者と強制組では最初の挙動が違うのかw≫


≪なるほどw勉強になったわw≫


観戦者側が盛り上がっている頃包帯姫は、次の行動へと移っていた。残りの2体が、確実に近くに来ていると予想しており周りを警戒する。そして包帯姫の予想通りになる。


直ぐ近くの建物上に1体のUnknownが姿を見せる。そして、悲劇は起きる。そんなことを知らない強制参加の1人が、包帯姫がUnknownを倒したことにより喜び、包帯姫の元へと駆け寄る。


「すご~い!本当に包帯姫だ!こんな近くで見れるなんて、私幸せだぁ!」


「――――――――!」


「来ちゃダメ!」


「え!?」


【ダダダダダダダダッ】


建物の上に居るUnknownの長い砲台から、マシンガンの発砲音がする。その銃弾は、包帯姫じゃなく近くに駆け寄ってきた八下田という少女に向けられていた。


八下田は、全身に銃弾を食らい音と共に姿が消える。


【パリンッ】


【人類側1人戦闘不能】


嫌なアナウンスがマップ全体に流れる。


包帯姫はすぐさま建物の中に避難しようとするが、Unknownの銃撃はすぐに包帯姫に向けられる。


【ダダダダダダダダッ】


【カンッ】【カンッ】【カンッ】【カンッ】【カンッ】


包帯姫は遮蔽物の車をうまく盾にしながら、ドアが開いてる店へと向かう。しかし、近くにすんなり入れる店は無く車の後ろで立ち往生を余儀なくさせられる。


Unknownは、容赦なく包帯姫を狙う。


【ダダダダダダダダッ】


【ガンッ】【ガンッ】【ガンッ】【ガンッ】【ガンッ】


この仮想空間に存在するすべての物には耐久値というものが存在する。人類側の攻撃やUnknownの攻撃がその物の耐久値を超えると、消えてしまう。


もちろん、ただ消えるのではなくリアルに再現され、木製のドアがマシンガンの銃撃を受ければ、穴が開き木くずが散らばりやがて壊れる。


車も同じだ。ドアミラーやフロントガラスなども攻撃を受け続ければ、割れる事もある。最悪の場合、漏れ出したガソリンに引火して爆発する事もある。


そうこうしていうちに、どんどん包帯姫が盾にしている車の耐久値が減少していく。プレイヤーは、その情報を目視で確認が出来る。


【51/100】


これが今現在の包帯姫が盾にしている車の耐久値だ。なお、Unknownによるマシンガンの攻撃は1ダメージ。あと51回攻撃が当たると車は消滅する。


もちろんその前に、ガソリンに引火して爆発すればその瞬間消える。


「・・・・・・・・・・」


包帯姫は考える。この状況をどう打破するかを・・・。


(今現在の手持ちは、ハンドガンと10発の弾、剣、クナイ9本、アクティブソナー。)


包帯姫はまず、アクティブソナーを使い周囲の参加者の数とUnknownの位置を確認する。反応した数は参加者6人、Unknown2体。もう1体もすぐそばに来ている。ハッキリ言おう、最悪の状況だ。


戦闘に、慣れている者が居れば何の問題もない。だが、ここに居るのは素人6人と自分、Unknownが2体が密集している。


≪おいおい、これやばくねーか?≫


≪あぁ、今回はあの厄介なマシンガンUnknownが居たのかよ≫


≪あいつは厄介だよな。ひたすらマシンガンをぶっ放してくるチートUnknown≫


≪どうすんだよ、このままじゃ俺達の姫が。≫


≪俺達が弱気になってどうする!姫なら、この状況を必ずどうにかする!≫


≪そ、そうだよな。なんてったってあの【無敵女子】の称号を持つ姫だもんな!≫


≪何だよ、その【無敵女子】っていう2つ名www≫


≪何の捻りも無くて草≫


≪そのまんまやんけw≫


≪いいじゃねーか!姫にピッタリだろ?≫


≪まぁ、確かに無敵だがよ、なんつーかもっと他にねーのか?≫


≪【さすらいの姫】≫


≪↑ガンマンじゃねーんだぞw≫


≪【チート姫】≫


≪どっかのゲームの〇-チ姫w≫


≪あほすぎて草≫


≪どーしようもねぇwww≫


≪うるせーな!文句ばっかり言ってねーでお前も考えろよ≫


≪【コスプレ戦士】≫


≪↑コスプレじゃなかったら大問題w≫


≪炎上案件w≫


≪言った奴、完全に俺達の姫を冒涜してる≫


≪出てけ!≫


≪特定班、あの暴言を吐いた奴の情報はよ!≫


≪でも、実際どうなんだろう?怪我してて顔を隠しているのか?≫


≪そんな怪我してるやつが自ら出てくるか?≫


≪それな!≫


≪【包帯の戦姫(せんき)】≫


≪↑お!?まともなのが出てきたぞ?≫


≪いいなそれ!【包帯の戦姫】包帯姫≫


≪よし!じゃ、【包帯の戦姫】で行こう!≫


≪いいね!それでいこう!≫


こうして、包帯姫は【包帯の戦姫(せんき)】と呼ばれるのであった。そんな包帯姫に助け舟を出す人物が居た。その人物はあいちゃんだった。


「姫!こっち!」


「!!!」


すると、近くの店の扉が開き戦姫の前方にある店の窓ガラスにハンドガンを撃ち窓ガラスを割り、Unknownの注意をそちらに引き付ける。


包帯姫は、すぐさまあいちゃんの居る店へと転がり込んだ。


≪おお!神よ!≫


≪誰だあの子!?≫


≪我が包帯の戦姫を救うとは中々やるじゃないか!≫


≪助かったぁ。ナイス女子!≫


「――――――――ありがとう」


「ううん、いいの。私にはUnknownと真っ向から戦う勇気ないから。」


「――――――――そう。」


「でも無理はしないで。」


「うん。」


【ズドンッ】


「きゃっ」


突然、包帯姫とあいちゃんが居る店の開いたままにしてあったドアが音と共に吹き飛ぶ。そして、何事かと包帯姫が窓を開けて、手鏡で砲撃が飛んできた方向を映し確認する。


そこには砲撃型のUnknownが居た。そのUnknownは包帯姫が居る店の方へと歩き出す。ついに合流してしまったUnknown。


考える。


包帯姫は、頭をフル回転させどうにかして1対1で戦える状況を作りだしたい、だが今の手持ちの武器ではどうにもならない、そう考えていた。すると、


「こ、これ、使ってください。」


あいちゃんはそう言って、震える手でスモーク弾を出した。


「わ、私にはこれぐらいしか出来ないけど。」


自分よりもはるか年下であろう少女が、必死に考え考え抜いた結果、結局自分に戦闘は向いていないと悟り全てを何度もUnknownと戦って来た包帯姫に託した。


(・・・・・・・これがあればどうにか出来る)


包帯姫は、黙ってあいちゃんからスモーク弾を受け取る。


そしてあいちゃんは店の片隅に移動して、座りながら祈り続ける。


「――――――――――――――――ここで待ってて。」


そうあいちゃんに告げると、包帯姫は壊れたドアまで移動して、砲撃型のUnknownが自分の射程距離まで移動してくるのを待つ。


「――――――今」


【カンッ】【カンッ】【カンッ】


【シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ】


スモーク弾は、ドアの前へと転がり辺り一面が煙で覆われる。十分に煙が発生したことを確認して、包帯姫は店から飛び出し煙の中へと消えていった。


スモーク弾の転がる音に反応しUnknownが砲台を向けるのだが、すぐさま煙が充満して攻撃の意志を示さない。


そして、煙の中から包帯姫が姿を現す。Unknownは、直ぐに感知して攻撃の準備に取り掛かる。腰を低くして、一気に駆け寄る包帯姫。


後ろから別のUnknownもマシンガンを放つ。


【ダダダダダダダダッ】


【バリバリバリッ】


無数の銃弾がスカートの裾の部分を裂き、布切れが宙を舞う。そんなことはお構いなしで突き進む包帯姫。目の前には、攻撃準備を終えたUnknown。


両者が同じタイミングで攻撃をした。包帯姫は5発、Unknownは渾身の一撃。


【ダンッ】【ダンッ】【ダンッ】【ダンッ】【ダンッ】


【キュィィィィン・・・・・バシュッ】


【ガ・・・・・・ガ・・・ガガ・・・・パリンッ】


【ピーンポン】


【人類側が1体殲滅】


≪うまい!≫


結局Unknownの攻撃は、包帯姫の銃弾3発が前足に当たり、態勢を崩された結果スカートをかすめるだけに終わった。


そして、包帯姫は直ぐに路地裏に周り、連射型のUnknownへと近づく。店の壁ギリギリを走る包帯姫。Unknownの位置からは包帯姫の場所は特定不可能。


包帯姫は、Unknownが居る店の隣の民家に入り2階へと走る。そして、窓を開けて一気にUnknownへと銃弾を撃ち込む。


【ダンッ】【ダンッ】【ダンッ】


静寂の中告げる。


【ピーンポン】


【人類側が1体殲滅】


ここにいるすべてのUnknownを倒した包帯姫。深呼吸をして、辺りを見渡す。すると、遠くの建物の上にこちらを見ている人物が居た。


こちらからではうまく見えないが、明らかにプレイヤーだと分かる。そして、そのプレイヤーはすぐに何処かへと消えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ