武器を貸して
配信の画面が冬夜から切り替わり別の場所を映す。
【強制参加の7人視点】
突如、強制的に選ばれた7人。その者達は、円を組むように同じ場所に立っていた。
「おい、誰かがUnknownを倒したぞ?」
「マジかよ!まだ、始まって5分も経ってないぞ?」
するとここで、1人の男が、
「皆、聞いてくれ!俺は、以前このコネクトゲームに参加した事がある!」
「え!?」
「マジで?」
≪おっ!ダイゴと包帯姫の他にも経験者が居たのかw≫
≪だが、強制参加組w≫
≪↑それw前回生き延びれたのに、今回も参加wかわいそすぎるw≫
「だから、俺の言う事を聞いていれば誰も死なずに帰れる。」
「ほ、本当か!?」
「あぁ。それに、皆も1度ぐらいは名前を聞いたことがある人物2人が今回は参加している。ダイゴと包帯姫だ!あの2人が今回参加している。」
「お、俺知ってる。ダイゴってあのチャラチャラした男だろ?見た目はあんなんだが、相当な実力の持ち主・・・。」
「あぁ。俺も配信を見ている限り、包帯姫と引けを取らない強さを持っていることはわかる。」
「なぁ、包帯姫って、あの何もかも謎に包まれたゴスロリ少女だろ?コスプレなのか、訳ありで包帯を顔に巻いているっていう、全てが謎に包まれた女性。」
「うむ。ダイゴとは違い、無口で何も語らずいつも黙々とUnknownを倒している。」
「そ、その2人が居るって事は今回は俺達の勝ちか!」
「よ、よかったぁ。」
「なら、俺達はここで静かにしているのが良いって事か。変に動けば、あの2人の邪魔をするかもしれないしな!」
「そうね。あそこのお店に隠れてやり過ごしましょ!」
こうして、今後の方針を決めるのだがここで誠二が提案する。
「それもいいんだが、どうせならバラバラの建物に隠れよう!1つの建物に皆が固まると、いざという時に混乱が起きる。」
「た、確かに。出口もいくつもあるわけじゃなく、間違いなく逃げ遅れる人も出てきてしまう。」
「その通りだ。ここは、1人1つの建物に隠れよう!」
「賛成!」
「俺も誠二さんの意見に賛成だ。」
「よし!じゃ、各自慎重に移動を開始してくれ!」
「「「はい」」」
≪あの誠二っていう奴、優秀だな≫
≪ですね。周りが良く見えているって言うかなんて言うか。≫
≪こいつらが姫の邪魔さえしなければそれでよし!≫
≪モブはモブらしく何もしないのが一番≫
≪↑それなw≫
だが、この作戦がこの後包帯姫を危機へと導いてしまう。誠二達が建物に隠れて10分。開始15分経過のアナウンスが流れる。
【ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ】
【コネクトゲーム終了まで残り45分】
このアナウンスを聞いて、強制参加組は各々思った。
(よし、15分経った。あと45分耐えれれば。)
(あと45分もあるの?早く終わらないかしら。)
(あー、神様どうか無事に生還できますように)
15分過ぎて安堵する者、あと45分もあると嫌気がさす者、神に祈る者。そして、ここで思わぬ人物が強制参加組の前に現れる!
「「「!!!」」」
包帯姫だ。包帯姫は、警戒する事もなくただ歩いている。その姿は、余裕すら感じさせる立ち振る舞い。
(なっ!あれは、包帯姫!)
(え!?何の警戒心持たずに歩いている?正気なの?)
そんな反応を見せる強制参加組。だが、誠二だけはわかっていた。包帯姫がここに現れた理由。それは、現在この近くに3体のUnknownが居る。
誠二は建物に隠れてから、アクティブソナーを使い周囲を確認していた。すると、この付近に3体のUnknownが居るという事実。それを倒しに、包帯姫が現れたという事を。
≪姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ≫
≪姫が来たぞ!って事は、ここにUnknownが居るのか?≫
≪だとしたら、姫の邪魔だけはすんじゃねーぞモブども!≫
≪やったれー、姫!≫
そして、ここで誰もが予想だにしない出来事が起こる。誠二は思った、
(ここで、誰かが囮にならないとダイゴも包帯姫も直ぐには動けないだろう)
そして、
【バンッ】【バンッ】【バンッ】
【パリンッ】【パリンッ】【パリンッ】
「「「!!!」」」
突如、誠二が強制参加組の1人が隠れている建物のガラス目掛けて発砲した。発砲によりガラスが割れ、中に居た女性が悲鳴をあげる。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「誠二さん!あんた何てことを!」
ここで、誠二の意見に最初に賛同した男が叫び、音と悲鳴を感知したUnknown3体が一斉に包帯姫の所に集まる。
≪おい!おい!おい!おい!≫
≪何やってんだよ、モブども!バカなんじゃねーか!≫
≪ギャャャャャャャャャャャャ!姫がぁぁぁぁぁぁぁぁ≫
≪逃げて、姫ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!≫
包帯姫は、直ぐにハンドガンとクナイを持つ。そして、空から現れたUnknownが1体、包帯姫の前へ立ち塞がる。
包帯姫は、すぐさまクナイをUnknownの前足の関節に向けて投げ、建物の中に隠れる。Unknownも直ぐに包帯姫目掛けてレーザー砲を撃つ準備をする。
包帯姫の投げたクナイは関節に刺さり、1ダメージが入りUnknownが傾くと同時にレーザー砲が放たれた。傾いたおかげで軌道がずれ、包帯姫の横にある立て看板が衝撃と共に吹き飛ぶ。
その様子を、建物の中から見ていた強制参加組が皆思う。
あんな攻撃を食らったら、ただでは済まないと。パニックに陥った強制参加組の数名が、ハンドガンを建物中から乱射する。
「あぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁ」
【バンッ】【バンッ】【バンッ】【バンッ】【バンッ】
しかし、恐怖のあまり取り乱している強制参加組の攻撃はUnknownには当たらない。そして、Unknown砲台が強制参加組の1人に向けて照準を合わせてレーザー砲を撃つ。
【ドンッ】
耳を潰すような高周波音と共に爆音が起き、Unknownの放ったレーザー砲が建物の壁に命中して壁が粉々になり、強制参加組の人物が姿をあらわにさせられる。
≪あいつ、終わったな≫
≪はい、死亡確定!≫
≪お疲れさまでした。あの世で、最初に撃ったアホを恨んでくださいw≫
≪いや、まだ包帯姫が居る≫
≪姫ならきっと!≫
≪助けなくてもよくね?≫
≪でも、助けないと人類側も人数的に不利になるのでは?どうせ、残りの強制参加組もやられるだろ?≫
≪確かに、ここに居るモブは全員死ぬだろうな。だとすると、残るは姫とダイゴそして、あの人外の3人か。≫
≪3対9ってwww≫
≪人類側は詰みじゃねーか?≫
≪あぁぁぁぁぁぁ!俺達の姫がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!≫
すると、ここで包帯姫が動く。姿を露にさせられた強制参加組の人物の方に向けて、スモーク弾を投げる。すぐさま、辺りは煙で覆われ、Unknownが強制参加組の人物を見失う。
すぐさま、包帯姫はその人物の所へ走り、手を掴んでその建物から別の建物へ移動する。
「あ、ありがとうございます。」
「―――――――――――――――――武器を貸して。」
「え!?あ、は、はい。」
包帯姫は男を見つめる。そして男は、剣を出し包帯姫に渡す。
「――――――――――――――――――――あなたはここを動かないで。Unknownは私が倒すから。」
「は、はい。わかりました。」




