特別訓練の幕開けとツンデレ主席・セリア
──特別訓練初日の午後。
訓練場を出たリオとカグヤの前に、学園の主席であるセリア・ヴェルデが現れた。
長い銀髪をたなびかせ、鋭い目でリオを見つめる。
「リオ・クロス、推薦されて特別訓練に参加するのね。……本当に、ここにいていいの?」
その言葉は冷たくも厳しく、少し挑発的だった。
リオは戸惑いながらも答えた。
「はい。結果は良くなかったけど、可能性を認められて……」
セリアは腕を組み、少し顔を背けて言う。
「可能性なんて誰にでもあるわ。だけど、結果を出さなきゃ意味がない。あんたが本気で強くなりたいなら、ここで私に追いついてみせなさい」
カグヤが励まそうと口を開くと、セリアはピシャリと言い放つ。
「別にあんたたちに面倒見てもらいたいわけじゃない。……リオ、勘違いしないでよね!」
リオはそのツンデレっぷりに驚きつつも、どこか嬉しそうに笑う。
「分かったよ。セリア、負けないように頑張る」
セリアは顔を赤らめてそっぽを向き、ぶっきらぼうに言う。
「当たり前でしょ。あんたが弱くて迷惑かけるなんて許さないんだから」
──推薦生たちはさらに厳しい課題に挑み、リオはセリアの存在を強く意識しながら、自分の力を磨いていくのだった。